5話編

ミュー「美味しそうに炊けたのに、食べ損ねた!!」

アディ「お前が俺と一緒の方が良いと言ったんだろうが」

ミュー「そりゃ、一人で色んなヒトと面会とか無理じゃん!」

アディ「しかし、凄い顔をして固まってるな」

ミュー「炊きたてやぞ…?めっちゃ美味しいとこやねんぞ…?」

アディ「落ち着け」



アディ「そして、顔が死んでるぞ」

ミュー「大人しく立ってるだけ褒めて」

アディ「あと、悪の幹部の服装が致命的に似合っていない」

ミュー「そこ!?」

アディ「どう考えても胸回りが寂しい」

ミュー「悪かったな!あと、それセクハラ!」

アディ「せめて似合う恰好にしろ」

ミュー「聞けよ!」



ミュー「っていうか、カスパーの顔がイイ」

アディ「は?」

ミュー「書籍では挿絵なかったけど、めっっっちゃ顔がイイじゃん!何なの、この世界!顔面偏差値高いやつしかいないの!ってなるやつじゃん!」

アディ「ミュー、落ち着け」

ミュー「黙れ、観賞用筆頭」

アディ「ヲイ」

ミュー「顔がイイ…」



ミュー「ライナーさんは頼りになる。色んな情報を持ってるし」

アディ「まぁ、近衛兵だからな」

ミュー「エーレンフリートは何も情報を持ってなさそうなのに」

アディ「あいつは敵味方ぐらいしか判断基準がないからな」

ミュー「アンタのっていう枕詞が付くけどな」

アディ「まぁ、エレンだからな」



ミュー「ただのおにぎりが美味しそうに見えるとか、ライナーさんのイケメンパワーがヤバイ」

アディ「そうか?」

ミュー「自分の顔面偏差値の高さと周りの顔面偏差値の高さが普通だと思うな、そこの覇王様」

アディ「どういう意味だ?」

ミュー「お前もその周りも美形揃いなの!自覚して!」



ミュー「まさかのお姫様抱っこである」

アディ「子供運ぶときのやつじゃないのか?」

ミュー「アンタ、本当にワタシに対して失礼じゃない?」

アディ「だが、どう見ても子供を運んでる構図だろ?」

ミュー「分類上はお姫様抱っこだから!」

アディ「……?」

ミュー「心底解らないって顔してる!」



ミュー「真面目にお知らせに来たのに、アンタもユリウスさんも対応が塩過ぎる」

アディ「いきなり扉蹴破る勢いで入ってきて何を言うか」

ミュー「緊急事態だっつーの」

アディ「まぁ、ちゃんと話を聞いたら納得したがな」

ミュー「ふふん。ワタシもたまには仕事するんだぜ」

アディ「何故ドヤ顔」



アディ「エレンは相変わらずだな」

ミュー「あの狼、ワタシに対して塩対応なのどうにかならないかな」

アディ「ならんだろ」

ミュー「ワタシは何も悪くないのに」

アディ「エレンだからな」

ミュー「困った近衛兵だ。ワタシは仕事してるだけなのに」

アディ「アホっぽいからだろ」

ミュー「ヒドっ!」



アディ「というか、お前テンション大丈夫か?」

ミュー「たまにはお役に立てるぜと思ったら、無駄飯喰らい脱却ひゃっほーい!っていうテンションになっちゃって」

アディ「別に無駄飯喰らいじゃないだろ?」

ミュー「客観的に見てただの居候じゃん、ワタシ」

アディ「そうか?」

ミュー「そうだよ」



アディ「随分と悪い顔をしてるな」

ミュー「いや、アンタもしょっちゅう悪い顔するから」

アディ「そして、似てると言われるのは微妙に納得がいかん」

ミュー「同じく」

アディ「俺はお前よりマシだ」

ミュー「それはワタシの台詞!アンタの方がアレだ!」

アディ「失礼な」

ミュー「ワタシの台詞!」



ミュー「何が良いって、大事なところをちゃんと締めてくれるシュテファン。シュテファン可愛い。シュテファン好き」

アディ「お前、本当にシュテファンがお気に入りだな」

ミュー「優しくて可愛くて美味しいもの作ってくれる上に有能とか、好きにならないわけがないよ!」

アディ「落ち着け」



アディ「お前、テオドールを見た瞬間の顔が物凄く塩なんだが」

ミュー「だってワタシあいつ嫌いだもん」

アディ「俺の弟なんだが」

ミュー「嫌いなもんは嫌いじゃい」

アディ「俺には可愛い弟なんだがなぁ……」

ミュー「いや、可愛くないからな!?反抗的で超邪魔じゃん!目を覚ませよ!」



ミュー「ここのシーンで、エーレンフリートがちゃんと言うこと聞いてくれたの、感動著しいんだよね!」

アディ「そこまでか?」

ミュー「当たり前じゃん!ライナーさんはともかく、エーレンフリートがワタシの言うこと聞いたんだよ!快挙だよ、快挙!」

アディ「そうか、良かったな」

ミュー「うん!」



アディ「近衛兵二人が吹っ飛ばされているのに、お前は随分と余裕のままだな。非力なくせに」

ミュー「まぁ、そこはほら、信頼の成せる業ですよ」

アディ「ほぉ?」

ミュー「あらかじめお願いしておいたのに、アンタが来ないわけがないっていう信頼だよ、相棒」

アディ「そうか」

ミュー「そうだよ」



ミュー「真面目な顔して凄みきかせてるアディは超恰好良いと思う」

アディ「もっと褒めろ」

ミュー「嫌だ。褒めたら調子に乗るし、鬱陶しい」

アディ「鬱陶しいとは何だ」

ミュー「っていうか、口開くといつものアディだから、全然推しとして堪能できない!」

アディ「……?」

ミュー「死活問題!」



ミュー「まぁ、そんなわけで今回も真面目な感じの引きですね」

アディ「俺とテオドールは真面目だが、お前はいつもの感じだろ」

ミュー「失礼な。顔は真面目な感じにしてるじゃん」

アディ「アレでか?」

ミュー「どういう意味だよ!」

アディ「そのままの意味だ」


以下、口論が続くので割愛!

(終)

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