4話編
アディ「冒頭から、らしくない顔のお前で変な気分だ」
ミュー「アンタは他に言い方を知らんのか!」
アディ「間違ってないと思うが?」
ミュー「ワタシへの認識を改めて欲しい」
アディ「改めるも何も、普段のお前は食い道楽で騒々しいアホだろ?」
ミュー「言い方!!」
アディ「事実だろうが」
アディ「ライナーとエレンのコマが妙にキラキラしてるのは何だ?」
ミュー「気にするな」
アディ「今までで一番キラキラしとらんか?」
ミュー「そういうエフェクトが存在するんだ。気にするな」
アディ「で、お前は何でさっきからこっちを見ない?」
ミュー「気にしてくれるな!後生だから!」
ミュー「ワタシにだって分別はある。本人とかその関係者を前にして赤裸々に事情を説明するほど恥知らずでは無いのだ」
アディ「お前さっきから何をブツブツ言ってるんだ?」
ミュー「だから、後生だから聞くな!情けをかけろ!」
アディ「…本当にお前、どうした?」
ミュー「そういうこともあるの」
アディ「ライナーの耳に触ろうとしてただろ」
ミュー「だ、だって目の前であんな風に動いてたら、気になって仕方ないんだもん!」
アディ「気安く触るなよ?セクハラだぞ」
ミュー「常日頃ワタシに対してセクハラ発言かますお前に言われたくない!」
アディ「俺のは事実の指摘だ」
ミュー「解せぬ!」
ミュー「不敬ってなってるエーレンフリートのデフォルメはちょっと可愛い。本物は可愛さ皆無の殺気お化けだけども」
アディ「あいつは融通がきかんからなぁ……」
ミュー「何であいつはあんなにアンタ至上主義なんですかね?」
アディ「割と最初からそうだったから俺にも解らん」
ミュー「マジかよ」
ミュー「人がちゃんとしようとしたのに、気持ち悪いは失礼だと思う」
アディ「気持ち悪い以外の何だと思うんだ、お前」
ミュー「言い方ってもんがあると思う」
アディ「俺相手に格式張って礼儀作法を駆使するお前なんぞ、気持ち悪いで十分だ」
ミュー「ワタシの扱いとは!」
アディ「本心なだけだ」
ミュー「目の笑ってないライナーさん、超怖かった…。笑顔なのにめっちゃ怖かった…」
アディ「知らんのか?あいつは怒らせたら笑うんだぞ」
ミュー「ナニソレ怖い」
アディ「パフォーマンスで怒った顔をすることはあるが、本気で怒ったときほど笑うぞ、ライナーは」
ミュー「マジかよ……」
ミュー「早朝から死ぬかと思った」
アディ「お前はもうちょっと体力を付けた方が良いぞ」
ミュー「何で手加減をしようと思わないのか!」
アディ「したぞ?」
ミュー「護衛もヘロヘロになってる!」
アディ「だから、したと言ってるだろ」
ミュー「え?」
アディ「した」
ミュー「何だ、と……?」
ミュー「デフォルメでも引っ立てられてるワタシ、可哀想」
アディ「軽いから運びやすい」
ミュー「お前いい加減、ワタシを運ぶ方法を、担ぐ、小脇に抱える、襟首引っ掴む以外で考えない?」
アディ「何故だ?」
ミュー「心底解らないって顔で言われた!」
アディ「楽だぞ」
ミュー「そうじゃない!」
ミュー「まぁ、無事な村の風景が凄く綺麗で、早く見られて良かったのは事実だけど」
アディ「感謝しろ」
ミュー「だからって、体力の違いを考慮して欲しかった!」
アディ「だからさっさと寝ろと言っておいただろうが」
ミュー「アンタ本当に、ワタシ相手だといじめっ子じゃね!?」
アディ「失礼な」
ミュー「村長さんの話も終わったし、これで全部終わって一安心ーと思ってたんですよ、ワタシは」
アディ「何のためにお前を連れてきたと思っている」
ミュー「見世物になんてなりたくなかった!」
アディ「失礼な。ちゃんと俺の参謀を皆に知らしめようとだな」
ミュー「顔が笑ってんぞ、くらぁ!」
ミュー「必死に足を踏んづけてるのに全然効果が無かった。悔しい」
アディ「お前は本当に非力だな」
ミュー「確かにワタシは非力だけども、アンタが頑丈すぎんだよ!何でノーダメージなの!ちくせう!」
アディ「そこらの幼児の方がお前より力があるぞ」
ミュー「獣人の幼児と比べないで欲しい!」
ミュー「あ、もふもふ可愛い獣人の子供達は良かった。皆可愛い。もふもふ良い」
アディ「お前、何だかんだで耳や尻尾好きだよな?」
ミュー「まぁ、オタクのロマンなんで」
アディ「?」
ミュー「自分にないものだから憧れるんだよ」
アディ「そういうものか?」
ミュー「そういうことにしといて」
ミュー「何かいい話っぽく終わると見せかけての、ワタシの苦悩である」
アディ「苦悩か?」
ミュー「苦悩だよ!何だよ、あの意味わからん感じに広がる噂!風評被害だ!」
アディ「褒められてるんだ、喜べ」
ミュー「過剰評価はいらんわー!」
アディ「諦めろ」
ミュー「広めた元凶のくせに!」
ミュー「そもそも、男に間違われたくなどないのに……」
アディ「ズボン穿いてるお前が悪い」
ミュー「最初からそれを渡してきたお前が言わないで欲しい」
アディ「だが、侍女や女官の服は嫌なんだろう?」
ミュー「……だって、どう考えても裾を踏む……」
アディ「踏むのか」
ミュー「踏んで転ぶ」
ミュー「というか、ワタシはちゃんと二十歳の大人なのに……!」
アディ「それに関してはお前が子供にしか見えんのが原因だから諦めろ」
ミュー「子供言うな!酒も飲めるし選挙も行けるし結婚も出来るわ!」
アディ「上から下まで見ても子供だからなぁ……」
ミュー「どこ見て言ってんだ、こらぁ!!」
ミュー「っていうか、面白いこと見つけたって感じでワタシの年齢を隠蔽しようとしないでほしい」
アディ「使えるものは上手に使ってこそだ」
ミュー「年齢を正直に伝えるだけで皆が衝撃を受けると言われるワタシ、可哀想」
アディ「ただの事実だろ」
ミュー「くっ、これが異世界クオリティか!」
ミュー「尻尾掴んだときの顔がめっちゃ怖かった」
アディ「いきなり無遠慮に急所を掴まれて怒らないやつがいるか」
ミュー「だからって、温度が違いすぎる!」
アディ「耳も尻尾も勝手に触るもんじゃない」
ミュー「今はちゃんと解ってるよ」
アディ「時々目で追ってるだろ」
ミュー「触りたいもん」
ミュー「そして、物凄く意味深な終わり方だ」
アディ「思いっきり何か起こると言ってる感じだな」
ミュー「うさんくささ爆発」
アディ「お前の存在も大概うさんくさいがな」
ミュー「あ、それ言う!?言っちゃう!?頑張ってるワタシに!」
アディ「事実だろ?」
以下、口論が続くので割愛!
(終)
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