3話編

ミュー「前回がシリアスな引きだったから、シリアスな感じの始まりである」

アディ「1ページ目はな」

ミュー「言わせて貰うが、2ページ目になっていきなりコント感漂うのはお前のせいだからな?ヒトを摘まむな!」

アディ「目線を合わせるのに丁度良いからなぁ」

ミュー「ヲイこら」



ミュー「まぁ、最大のツッコミは、ワタシが摘ままれていようと気にしてないライナーさんなんですけど」

アディ「あいつはそこまで神経質でも生真面目でも四角四面でもないからな」

ミュー「そういうのはエーレンフリートの担当?」

アディ「いや、あいつは血の気が多い枠だな」

ミュー「……ソーネ」



アディ「真面目に思い悩むお前というのは皆連から気色悪いな」

ミュー「他に言い方ないのか!?」

アディ「別人のようで違和感を覚える」

ミュー「ワタシだって真面目に考え事することだってあるからな!?」

アディ「……食いたい料理がないときか?」

ミュー「食い意地だけで生きてねぇよ!」



ミュー「こうやって改めて並んでるのを見ると、ライナーさんも結構大きいよねぇ…」

アディ「それがどうした?」

ミュー「お前がアホみたいにでかいから、対比でライナーさんあんまり大きく感じてなかったけど、普通に大柄だったな、と」

アディ「お前が小さいだけだろ」

ミュー「チビじゃねぇやい!」



ミュー「遊んでる子供達可愛いなー。こういう風景が見れるのは、コミカライズの良いところだよねー」

アディ「小説だと一文でさくっと終わらせられる部分だな」

ミュー「耳尻尾ついたちびっ子達可愛い…」

アディ「人道に背くようなことをするなよ…?」

ミュー「ヒトのことなんだと思ってんの!?」



ミュー「ヒトが真面目に決意を固めた次の瞬間コレだよ……」

アディ「ん?」

ミュー「摘まむんじゃねぇわ!ワタシは猫の子か何かか!」

アディ「お前の足に合わせていると遅いから運んでやるだけだろう?」

ミュー「それで担ぐとか摘まむとか小脇に抱えるとかになるのが納得いかん!」



ミュー「お爺さんが困ってるのにこのドヤ顔である」

アディ「何か問題でもあったか?」

ミュー「あるわ。普通いきなりこんな話題出されたら困るに決まってるだろ。良いヒトなのに困らせやがって」

アディ「俺は俺の仕事をしただけだぞ」

ミュー「物事には言い方ってもんがあるんだよ。ぶっ込みすぎだ」



ミュー「真面目に仕事してるときは恰好良いのに」

アディ「あ?」

ミュー「お前、顔面偏差値高いのに、何でワタシの前だけ悪友モードなの?たまには恰好良いのも拝ませろよ。目の保養のために」

アディ「お前はヒトの顔をなんだと思ってるんだ?」

ミュー「鑑賞用」

アディ「あのな……」



ミュー「尻尾で感情が丸わかりなエーレンフリート」

アディ「いつもだろ」

ミュー「尻尾と耳って、すごくわかりやすいよね?」

アディ「あいつはそもそも顔面でわかりやすいがな」

ミュー「…確かに。腹芸とか出来ないよね、あいつ」

アディ「そんな器用なこと出来るわけないだろう?」

ミュー「うん」



ミュー「そしてまた摘ままれる可哀想なワタシである」

アディ「お前が自力で馬に乗れないからだろ」

ミュー「お前の馬が大きすぎるんだよ!あと、ワタシはゆっくり帰りたかった!」

アディ「お前がライナー達と一緒に居ても邪魔になるだけだろうが」

ミュー「うがぁああ!反論できないのが悔しい!」



ミュー「っていうか、体重について聞くとか、性別失念とか、お前本当にワタシに対してひどすぎる」

アディ「いいか、ミュー。どこからどう見ても女に見えないお前が悪い」

ミュー「責任転嫁すんなよ!二十歳の乙女だよ、ワタシは!」

アディ「その年齢も詐欺にしか見えんからなぁ」

ミュー「こら!」



ミュー「流石シュテファン。ワタシの癒やし。可愛い。優しい。美味しいご飯作ってくれるのもポイント高い」

アディ「お前どう考えても胃袋掴まれてないか?」

ミュー「シュテファンになら胃袋掴まれてても問題無い。むしろお嫁に欲しい。お持ち帰りしたい」

アディ「うちの料理番だ」

ミュー「ちぇー」



ミュー「炊きたてご飯美味しいし、焼き肉丼も本当に美味しかった……。流石お城の食材。良いモノ使ってるよね……」

アディ「お前の食い意地の凄まじさが強調される部分だな」

ミュー「ご飯は大事なの!」

アディ「それはわかるが、お前の場合何か次元が違うような……」

ミュー「うっさい!」



ミュー「っていうか、当たり前みたいにワタシのご飯取る癖どうにかしろ。未だに改善が見られないんですけど?」

アディ「お前が美味そうに食ってるのが悪い」

ミュー「どんな責任転嫁だよ!おかしいだろ!」

アディ「焼き肉丼も他人丼も美味かったな」

ミュー「美味しかったけど、そうじゃない!」



ミュー「よく考えたら、声かけないでもうちょい堪能しておけば良かった」

アディ「何をだ」

ミュー「観賞用モードのアンタの顔」

アディ「ヲイ」

ミュー「良いじゃんか、ちょっとぐらい!推しとゼロ距離の筈なのにモードが違うからちっとも堪能できないのが普段のワタシだぞ!?」

アディ「……はぁ」



ミュー「改めて考えると、アンタ基本的に内側に入れた相手にアホみたいに甘いよね」

アディ「そうか?障害になるものは斬り捨てるタイプだが」

ミュー「斬り捨てきれてないとこあるだろ」

アディ「…………」

ミュー「目を逸らすな。お前の愚弟の話だよ」

アディ「それは今関係ないだろ」



アディ「というか、お前珍しく色々と小難しく考え込んでたな?」

ミュー「珍しく言うな」

アディ「珍しいだろ。基本的に単細胞のくせに」

ミュー「ワタシのことなんだと思ってんの!?」

アディ「ん?頼りになる参謀だと思っているぞ、親友?」

ミュー「嘘つけや、玩具認定じゃねぇか、その顔!」



ミュー「まぁ、ちゃんと王様やってるアンタは恰好良くて凄いと思ってるよ?」

アディ「妙なモノでも食ったか?」

ミュー「何でお前は、ワタシが真面目に褒めたらそういう反応!?」

アディ「日頃の行いだろ」

ミュー「認識の変更を要求する!」

アディ「無理だな」


以下、口論が続くので割愛!

(終)

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