物語の主人公になれないことを鬱々と思い悩む高校生「村上文太」と、いかにもきらきらしい猫被り優等生の「清水月下」。まるで正反対に見えて、しかし仲の良い二人が、拾った「殺人予告メモ」の真相を探ってゆくという、青春ドラマ×謎解き短編です。
清水君の軽妙でいかにも探偵っぽい言動と、探偵助手っぽいポジションの悩み多き主人公、というバディが、いい味を出しております。
深刻そうで闇深そうな「殺人予告」の背景には、一体どんな事情が潜んでいるのか?
推理やギミックというより、高校生らしい心模様に焦点が絞られているので、出てくる人物それぞれが魅力的で可愛いです。それほど難しい謎でもありませんので、真相を予測しながら登場キャラの掛け合いを楽しめるでしょう。
さくっと読める約一万字、ぜひご一読ください。