第2話 不思議な生徒2

 国家戦力級の魔術師三人により、難なく敵艦や戦闘機、戦闘員の撃破は、無事成功した。


 作戦成功から2時間後、


「では、これから上陸作戦へ移行する!これからは、白兵戦になることだろう!だが、恐れるな!お前たちは捨て駒ではない、れっきとした、日本兵だ!だから、死ぬことは許さん!生きて帰って来い!」

『うおぉぉぉお!』

「なぁ、海蛇かいだ、先輩って扇動家としても国家戦力級だと思わないか?」

「ねぇ~、なんか2年前よりも、鬼気迫る感じと言うか、熱血ぽさが強くなっというか」

「お~い、お前たち、何話してたんだ?」

「いや、先輩は、意外に器用貧乏なんだなって思って」

「ブフッ!」

「何笑ってんだ!」

『アハハハハ!』


 今は、笑っているが、この後は、上陸作戦だ。今回は、返り討ちにする側だったから簡単だったが、上陸作戦となると話は変わってくる。今度は、こっちが返り討ちに会う可能性が有る。


「仕方ないか、今回も、俺たちで全滅させるぞ。央血おうけつ連合は、新興国家だから、国家戦力級が居ない、これが今回の戦争で、重要となる情報だ」

「だが、先輩、央血連合は国家戦力級が居なくても、戦闘員の数だけなら、こっちの約5倍これは、俺たちが無事でも、一般戦闘員が、きつくないか?」

「なら、特殊軍の医療系の国家戦力級を呼ぶ?」

「!確かに、その手があったな」

「えぇ~、俺あの女苦手なんすよ~」

「まあ、あの人は単に、ちょっとあれな人だから、任務となると、人がガラッと変わるからな」

「決まりね。じゃあ海軍大将に話を付けてくるわ」


 そう言い、海蛇は、海軍本部へ向かっていった、


「やっぱり無理っすよ~、先輩」

「まあ、分からんでもないな、あの人は、ちょっとドSだからな」

「そうっすよ、俺なんて治療してくださいって言って、確かに怪我は直してくれたんすけど、痛いところばっか触るから、傷は癒えてんのに、痛みは増す一方だったすよ!」

「俺もあの人に何回・・・思い出したくねぇ」

「そうっすよねぇ」

『・・・・・・。』


 二人は、この時悟った、『一般戦闘員の諸君、安らかに』と、


「おーい、鬼嶋先輩!龍崎!」

「龍崎だろ!」

「私敬う人は、自分で決める派の人なの」

「このクソガキが」

「何よ!!」

「言ったな、この小娘が!」

「上等だ!かかって来いやぁ!」

「二人ともストップ!お前たちが喧嘩したら、戦争前に、一般戦闘員が使いものにならなくなっちゃうだろ!」

「ごめんなさい、鬼嶋先輩」

「すまねぇ、先輩」

「で、海蛇、何かあったのか?」

「ああ、来るらしいよ!鳳凰ほうおう静華しずか中佐が」

「ゲッ!」

「まあまあ、あの人がいるんだったら後方は安心だな」

「まあ、そうっすね」


 ■■■


 一方、央血連合


「大将!今、海軍から報告が!師団級の艦隊が、日本海で撃沈するのを確認!一名の国家戦力級の仕業だと予想!」

「クソッ!」

「大将!たった今、空軍からも、報告が!百機送った、戦闘機が全部日本海に撃墜!これも、一名の国家戦力級の攻撃で全機撃墜!」

「なんだと!」


 クソッ!判断を誤ったか!ここまで、日本が強国だとは、三名の国家戦力級の魔術師を持っていると言う噂は本当だったのか!


「大将!報告します!」

「今度はなんだ!」

「報告によると、日本軍が、そろそろ我が国に攻めてくるようです!」

「何!?」


 こうなると、話は別だ。あっちがで攻めてくるんなら、こっちは、で攻めるのみ!


「よし!第一部隊から第十部隊までは、本部近くまで、誘い出せ!それ以外の、部隊は、袋叩きにしてやれ!」

『ハッ!』


 ククク、

 作戦がうまくいったら、日本の国家戦力級の魔術師から、その術式を奪ってやろう!


「待って居ろ、日本!」


 ■■■


 再び、日本:臨時本部


「はいはい、こんばんわ~、陸軍空軍海軍の皆さ~ん」


 鳳凰静華そいつは、とても妖艶な雰囲気を醸し出す女性だ。高身長で、細身スレンダーで、紫がかった黒色のロングの髪の毛、一般人なら意識が飛ぶレベルの魔力。それが、体から自然に漏れ出る魔力だけでここまでの魔力。これが、国家戦略級医療魔術師、でそいつは・・・


「あ、ひっさしぶり~、鬼嶋~」

「あ、ああ、久しぶり」

「なあ、鬼嶋早く鳳凰家に婿入りして来いよ~。そしたら、私を好きにできるんだぞ~」

「あはは、ちょっと結婚とかはまだ考えてないんで」

「あら、残念」


 このように、俺に結婚しないか事あるごとに聞いてくる、


「離れてください!静香先輩!」

「あら、海蛇ちゃん嫉妬?」

「ち、違います!」

「なら、いいでしょ~」

「ッ!」


 こんな、話は目の前でやってほしくないな、そしたら耳元で龍崎が、


「先輩、ご愁傷さまです」

「ああ、ありがとよ」


 後輩に同情されるなんて、


『央血連合が見えてきました!』

「お、そろそろだな」

「そうですね」

「頑張りましょ~、先輩!」

「頑張ってね~、怪我したら、すぐお姉さんの所に来るんだぞ~」

「分かりました」


 さて、ここから本番だな。やっぱり一発目は、相手を焦らせるという意味合いを込めて、派手に行こう、


「海蛇、龍崎、あの作戦で行こう」

『了解』

『術式構築。構築術式:一点ピンポイント爆撃。構築完了。術式行使。並列起動チェイン標準自動エームオート

「行け」


 その言葉をトリガーに、三人は手を前に出し、三人の手の先には、大きな火球が出来上がった、その火球は、央血連合を捉えそのまま真っ直ぐ進み直撃した土地を、更地に帰した。更に、全員が国家戦力級魔術師だからできる技である、並列起動チェインを駆使し、半径20kmの全てを・・・更地に変えた。それは、世界の終わりと形容してもおかしくない力だった。それの攻撃は1時間続いたという。


 ■■■


「た、大将!報告があります!」

「どうした!もしや、もう日本を全滅させたとか言わんだろうな?」

「い、いえ!その逆です!配置させていた、第一部隊から第十部隊までの全部隊の消失を確認!」

「何!?消失とはどう意味だ!逃げたという事か!?」

「違います!相手の爆撃魔術により跡形もなく全滅させられた模様です!」


 何という事だ!私の作戦は完璧だった筈だ!なぜだ、なぜだ・・・それを、可能にしてしまうのが、国家戦力級と言う事か。仕方がないな。


「全軍に告ぐ、直ちに首都へ戻り戦の準備をせよ!そう伝えてくれ」

「わ、分かりました!」


 いくら負けそうでも、これは個人の問題ではない、国全体の問題なのだ。これが、央血連合の大将の最後の決断だった。


「ああ、君にそろそろ会えそうだよ」


 その声だけが、静まり返った部屋で響いた。


 ■■■


「ふう、結構魔力使ったな」

「でも、私たちの全魔力の100分の1ぐらいしか消耗してないですよね?」

「いやいや、100分の1って言っても俺たちの魔力自体規格外なんだから消耗は激しいでしょ」

「まあ、確かにそうっすね」


 ここまで、圧倒的なら相手の兵士とかも心が折れてるんじゃないか?それとも、首都に集まってる?どしらにしても首都に攻めないとな。


「良いか、一般戦闘員の諸君最初の脅威は、消えた!今から相手の居城を攻めるぞ!!覚悟は良いか!!」

『ウオオオォォォ!』

「皆!大佐に続けぇ!」


 やっぱり、空から見た軍隊の行進は見てて気持ちいな、

 この行進は次の日まで続いた。


 ■■■


 朝8時30分:国立魔術高等学校


「ええ、まずは、報告がある。」

「何ですか~あ」

「それはな、今日は、鬼嶋は家の用事で休むようだ。これからもちょくちょく鬼嶋は休むと思うからそのことは頭の片隅でも置いておいてくれ」

『ええ~』

「まあまあ、明日来るようだぞ?」

「明日、大丈夫かって聞いてみよう」

「だね、なんか最近戦争の速報も出たしね」

「大丈夫…だよな?」


 こうして、鬼嶋のいないところで、心配される鬼嶋であった。


 ■■■


 同時刻:臨時拠点


「へっくしゅっ!」

「どうしたんすか?先輩。先輩もモテますね~」

「茶化すな」


 そうして、龍崎の頬に、鬼嶋の強烈ビンタが炸裂!


「ブベラッ!」


 龍崎、空中で意識が飛ぶ!龍崎、地面へ濃厚キス!

 その刹那の瞬間で、起きた衝撃で龍崎、意識戻る!


「ハッ!うぇ!砂入ったうぇ!」

「罰だ」

「すみませんでした」

「よろしい」


 この時、龍崎は、鬼嶋先輩を煽っちゃ駄目だということに気づいた。


「冗談はそこまでにして、首都へ攻めるぞ」

「OK、先輩。俺たち二人だけでも余裕っすよ」

「そうかもな、さあ、始めよう」


 ■■■


 30分後


「見えたぞ、次の敵だ。数はザっと一万ぐらいか」

「降ります?」

「そうするか」


 空中から降りたら、相手の兵士の指揮官らしき奴が、


「ま、魔術師が地上に降りてくるとは!殺してくれって言ってるようなものだ!やってしまえ!」

『ウオオオォォォ』

「殺してくれってわけじゃない、魔力がもったいないだけだ」

「馬鹿どもが」


 二人は、静かに怒りを、体に抑え込み、殺意を身にまとう、これが二人本来の戦い方、


「先輩自分は、右翼からやるんで左翼よろっす」

「OKだ。お前ら、戦争は好きか?」


 俺は、左翼方面に真っ直ぐ進み、重い打撃を、浴びせる、その一撃だけで、相手は伸びた。


「死ね!」


 相手兵は、散弾銃ショットガンを打ってきたが、今の鬼嶋は、言うならば暴走状態生半可なダメージでは、痛みすら感じない。


「今のが攻撃か…舐めてるのか?」

「ヒィ」


 そう誰かが、声を漏らした、誰かは、鬼嶋へ、打撃をするが、腕を折られ、回し蹴りで、後方へぶっ飛ぶ、後ろの奴らにも着実にダメージが蓄積されていくが、鬼嶋は、ノーダメージだ。


 その光景は、まるで鬼神がその場所を進んだかのように、人が死んでいった、あっけなく、


「お前らこの程度で俺たちに喧嘩吹っ掛けたのかワハハハハハハ…馬鹿にしてんのか?」


 鬼嶋の拳に魔力が蓄積され、一気に放出した。それは、ミサイルレベルの爆撃を生み、人が死んだ。


「この分なら、後10分には終わりそうだな」


 ■■■


 10分後


「最後だ。死ね」


 ゴキッ!


 鬼嶋は最後の兵士の首をつかみ力いっぱいに握りつぶした。


「ふう~、終わった~、龍崎は終わったかな?」

「終わったす!先輩!」

「そうか!じゃあ本部に戻るぞ!」

「はい!」

「帰らせるか!」


 ■■■


 時は少しだけ遡る


「お前ら、戦争は好きか?」


 その声が、聞こえた時、俺の仲間は、殺され始めた。一人は、体を貫通され、一人は焼死・・・。


「ば、化け物」


 駄目だ、あんな奴に勝てるわけがない!軍の上層部は、何を考えてんだ!?

 戦場には、仲間の苦悶の声と、化け物咆哮だけが聞こえる。化け物は、一人に牙を剥いた、また一人、また一人と仲間は化け物の牙に掛かる、それを、楽しんでるのか化け物は、高笑いをする。


「あははははは!」

「ヒィ!」

「グハァ!」


 駄目だ、勝てるわけがない、そんな事は、とっくに分かってるでも、足が、体が鉛みたいに思い。だが、これだけは分かる、動いたら死ぬ。化け物は、生きのいい物から、す。


「どうした、どうした!央血連合!お前らの、力はこの程度か!」


 うるせぇ、こっちだって、戦いたくて戦ってんじゃねえよ!神よ、わが祖国の神よ、どうか、どうか私に、私めに・・・力を。


「本部に戻るぞ!」

「はい!」

「帰らせるかぁ!」

「・・・あ?」

「お前らの好きにさせると思うな!」

「あー、先輩、自分がやってきます」

「ああ、頼んだ」

「うぃっす」

「舐めやがって」


 その瞬間、力が湧いた。神は、下さったのだ。敵を打ち滅ぼす力を、

 俺は、即座に相手の懐に潜り込み、


「しまッ・・・」

「術式構築。構築術式:爆破魔術。構築完了。術式行使。滅べ!」

「グハァッ!」

「馬鹿!何をやっている!」

「すんません。先輩。相手をなめてました、少しの間よろしくお願いします」

「クソッ!聞いてないぞ!が居るなんて!」


 ■■■


 クソッ!急に覚醒したのか!?ありえない、まさか今回の戦争でもあいつらが関わっているのか!?じゃなきゃ急に、人が国家戦力級に、進化するなんてありえない。


「・・・またか、お前らは!どこまでもクズだな!」


 それじゃあ、こいつらは、やりたくない戦争を無理やり。俺は、何という事をしてしまったんだ。もう嫌だ、何も考えたくない。もう何も・・・。殺してしまったんだ。戦いたくない相手を、


「何を、ぐずぐずしている!この化け物め!」

「もういいや。何も考えたくない。だから、に任せるよ」


 そういい、鬼嶋は、懐から道化師ピエロの様な、仮面を取り出し、顔に着け、薬を飲んだ。その瞬間、先程の鬼嶋の魔力とは、違った、魔力、雰囲気を纏い、更に濃くなった殺気をまるで物のように、纏い始めた。


「久しぶりだな。さて、次の戦場は、此処か?」


 化け物は、更に凶悪になってしまったんだ。


 第2話終了


あとがき


やっぱり急に文字数上げると、更新間隔開いちゃいます。そんな作者の作品ですが、楽しんでくれたら幸いです。応援よろしくお願いします。では

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