第2話 『認知』

目を覚ました。


夢から急に現実に切り替えられたような目覚めでは無く、あくまで意識的に。

あぁ、起きなければ、と。


心地良い胸の高鳴りを感じ、下半身に違和感を覚え、ボクサーパンツを覗いてみる。


そしてそれが夢精であることを理解した。


顔も声も分からない、人であることは確かなそれに、僕は欲情したのだ。

人である確信はどこからやってきたのか、ただ強く、あれは人だ、と思うのだ。




実は、これに似た夢をここ最近多く見ていた。

夢精したのは今回が初めてだった。



「間違いない。」



この訳もわからない、一見救われない夢は、

僕を不思議な気持ちにさせた。


僕はこれに似た気持ちを、感覚を、昔経験している。


恐らく、それらを超えたものだ。

 

今日ので疑問が確信へと変わった。






___僕はあれに恋をしている。




続く

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