第22話 ぼっちの成り上がり
俺は朝日を受けて家を出た。
高校に入学してから、未だ時間は経っていたい。だが、俺の生活はガラリと変わった。
一応、ぼっちだなんて思わなくていいくらいには友達はできた気がする。まあ、そこまで友達を作ったとは言っても海星の知り合いの多さと比べれば雀の涙程度でしかないのだが。
家を出て、近くのコンビニへ向かう。そこには、真白の姿があった。
「ごめん、結構待ってたか?」
「ううん。今来たとこだよ」
言葉短く交わして、学校へ向かう。
最近真白と一緒に登校しているのだが、毎日そこまで話すことも無く何となく一緒にいるみたいになっている。
もちろん、別に話さない訳では無いが遊佐川といる時と比べれば沈黙が幾分か目立つ。
まあ、それも仕方がないだろう。元々俺達は会話が得意な方ではないからな。
「一郎くん、今日の1時間目ってなんだったっけ」
「1時間目は体育だな。しかもその後数学。毎回寝そうになるんだよなぁ」
「そうだね。あ、でも寝てていいよ」
「なんでだよ。駄目だろ」
前もそんなやり取りをした。勉強会一緒にすれぼ大丈夫だよとか、まあ確かに真白は勉強ができる方だけど。だからといって飲んだという話だ。授業中に寝ちゃダメなのには変わりはない。
なんか、ボケ方が俺に似て来てる気がする。これは悪影響だよなー。
「今日で付き合い初めて1週間だね」
「そうだな。意外と持ってるな」
「1週間でそれはネガティブ過ぎない?」
いや、それこそ江ノ島言ったあとなんてほっとんど話さなかったからさ。空中分解がオチなのかとばかり。
まあでも、今となればその距離感もなんだかんだ1週間それなりにやってる理由なのかもしれない。
いや、1週間でそれなりと言えるのかはよく分からんけど。
「あ、そういえば最近少し暖かくなってきたよね。海を泳ぐのはまだ早いけど、プールとかなら遊べるんじゃない?」
「それってあれだろ? ジムとかついてるとここのプールだろ? 俺らはアスリートでもダイエット中でもないんだぞ」
「あ、あはは」
その反応を見るに、マジでそこに行くつもりだったのかよ。
「はぁ……。相変わらず真白はなんか……アレだよな」
「アレ……なに? アレって何かな」
「いや、そんなことは置いといて」
「待ってよ! 置いとかないでよ! 気になるからぁ!」
そんなこと言ったって直接ポンコツだとかアンポンタンだとかアホアホだとか言えるわけないだろ。もちろん言うつもりなんて全くないから。
まあ、なんだかんだ真白とは仲良くやっていけそうだとは言っておこう。
まだまだ高校生活は始まったばかりだが、賑やかになりそうで良かった。
まあ、なんてったってスクールカーストトップだしリア充だからな。ガハハハハ。
「……変なこと考えてるでしょ」
「まあな」
~ボッチの成り上がり~ 目指せスクールカーストトップ いちぞう @baseballtyuunibyou
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