第二章 聖女と黒騎士編『因果を越えて』
第1話 PrologueとEpisode
気がつけば1人、私は此処にいた。
直径は300メートルはあるだろうか?私を中心に広がるクレーターの中に立っていた。
まるで私が空から隕石の様に降ってきたかの様ではないか?そうは考えたが私の身体には一切の傷もない。普通の人間が衝撃に耐えられるかを問われたら不可能な話だろう。
でも状況的に私は空から落ちて来たのかな……?そう考えてしまった。
クレーターから抜け出すと茜に染まる地平線の先がかろうじて朱く揺らめいていたのが観えた。陽がもうじき暮れるのだろう。
木の葉舞い、肌を刺す空気が季節を物語る。
此処はどこだろう?街道の様な、半ば獣道の様でもある。
私が以前いた場所ではないことだけは理解した。
私は日本という国で暮らしていた筈だ。
私の住んでいた場所が近ければ多少、人里離れても電線、変電所、アスファルト舗装された道など、多少の文明を感じさせるものはあるだろう。そもそも田舎ではあったけど――
でも此処にはそれすら見当たらず、寧ろ傍には見た事もない文字が書かれてある古い看板が無造作に倒れていた。
見上げると空は茜から紺に染まり、空が宙に代わる。
檸檬の様に輝く月は浮かび、少しだけ周りが碧くぼやけている。黄昏時の月は見た事はあるけどこの煌き方は初めてみた。
――此処はどこなのだろう?
――そもそも…私は………誰?
名前は確か……綾、アヤ、あやなんとか……――なんだっけ?霞がかった様に自分の名前が思い浮かばない。
あれ?待って!?まじで!?これって、そう狼狽えて落ち着きを取り戻したところで漸く結論に辿り着く。
――記憶喪失じゃん?
知識はある自分の考えている言語が日本語なのも多分わかる、でも記憶や思い出といった類のソレがない。
なにかもやっとしているような。
私は何かをしなければいけなかった気がする。
なんだっけ?
愛おしくとても大事な人がいて、その人を導く為に私は………なんの為に?まあ今はいいか……そう考え状況を確認することにした。
この着ている服は?なにこれ?
ファンタジー?な白いローブ?に紅いコルセットスカートに白いシャツかな?
ローブ以外はまあ……普通かな。よくみるとローブ可愛いかも……というかコスプレ?――私はコスプレイヤーだった!?
まあ、でも新しいデザインのコートと言えば、そう見えなくもないかもしれない程度だ。まあ人に見られても多分大丈夫だろう。
それにしてもこれからどうしよ。
このまま立ち尽くしても仕方ない。
傍に倒れていた看板、もし倒れていなければその方角を指し示したであろう矢印が描かれていた。その方角を目指して私はあるき出した。
それにしても
「お腹空いたよ〜。チョコレート……ポテチ、ピザ、生姜焼き定食、カレー……」
お菓子や好きなお料理のことを考えると余計お腹が空いた気がする。
もう歩くしかない、看板があったのだから人はいる筈だ。
辺りは暗くなり街灯もないし少し怖かった。でも月明かりが道を照らしてくれる。
時々、月を見上げて歩く。
それだけでも不安は紛れ、どこか足取りは軽くなっていた。
「あの子にも見せたかったな〜」
あの子?だれだっけ?まあいっか、と不思議と気になった事が気にならなくなる
空腹を思い出す度に少し辛い……助けて、そう悲観しているとどこからともなく音がする。
これは馬が走る音だろうか、徐々に近づいてくる様だ。
――ということは?人がいるんじゃん!?やった!!
SOS!SOS!
だいぶ田舎なのかな?それとも海外なのかな?海外でも馬を乗るのかは知らない、けど人がいるのだろう。まさか野生の馬ってオチは回避してほしいフラグだ。
「あの〜!!すいませ〜ん!!すいませ〜ん!!!!お願い!!とまって〜!!!」
我ながら大きい声で叫んだと思う。
馬の足音も間隔が遅くなってきた。
きっと気づいてくれたのだろう。
ひとまず乗せてくれないだろうか、それか食べ物だけでもいいから、空腹と疲労からそんな気持ちだけがはやっていた。
馬が3頭、私の前で止まってくれた。
「あ、あの!」
「……」
返答がない、日本語通じないのだろうか?英語で大丈夫かな?そんなことを考え家にあった教科書で得た知識を捻出する。
そもそも私は学生だったのだろうか?
「さんくすふぉ〜…え〜と、すとっぴんぐばい…え〜と… いっつ…べりーたいみんぐ!!」
「お頭〜、女の様ですぜ〜へへへ」
日本語!?話せるなら最初から反応してほしい……発音悪い英語が恥ずかしい。
「オカシラ?あ、お菓子等?お菓子?」
「お、お菓子……?」
見た目が日本人ぽくないなあとは思いつつ言葉が通じるならいっか、と楽観的に考えていた。そもそも記憶喪失で遭難中なのだ。
それにしてもバイリンガルなのだろうか?
「お腹空いちゃって……食べ物もなくて」
助けて欲しい一心、いや一身でお腹に当ててお腹ペコペコ〜具合を表現した。
「腹空かしてんのか?」
「とっても……、あの、その、厚かましいのは承知なんですが、何か分けていただけないですか?」
「お嬢ちゃんは、俺らがどんなヤツらにみえるんだ?」
「止まってって言ったら止まってくれたし、親切な人?」
普通、知らない人がいてもだいたいは止まってくれないだろう。ヒッチハイクして旅してる人の動画観てたからわかるのだ。
止まってくれたなら親切すぎでしょ〜!
「俺らが親切な人?お頭どうする?」
「まあ腹減ったし飯にするか……今日はここで野営だ。商品は傷つけない様にな。」
商品?行商かなにかを営んでいるのだろうか。
日本語話してるし貿易商?馬にのって日本で?車で高速道路走るんじゃない?まあいっか……
「野営って、キャンプですか?お世話になりますから、私手伝います!働かざる者食うべからず!ですからね!」
「おお、耳が痛え、働いているっちゃいるんだがなワハハハ!まあ今日くらいはお饗ししてやるよ!いっぱい食え!」
「そうだぞ!今日くらいはな!ははは!」
優しい人達だなあ〜!
よ〜し!枯れ木を集めるぞ〜!
水を汲んでくるぞ〜!
テントを組み立てるぞ〜!
おじさん教えてくれるの?ありがとう!
よ〜し!料理だ〜!
あれ料理ってどうするんだっけ?
記憶の欠落?知識の欠落?
わからんからおじさん達に料理は任せよう!!適材適所である。
「おじさん達、ありがとうございます!とっても親切な人が通りかかってくれて良かった〜。お腹すいて死ぬかと思った〜。というかお腹ペコペコ〜!」
「ハハ!なんて気持ち良くわらいやがる……あれ?なんか心臓がいてーな」
「なーにいってんだハハハ。さあこれ食え」
これはシチューなんだろうな〜って思って見てた。本当に美味しそうなクリーミーな匂いがやばくてヨダレが口の中たまっちゃっていた。
いただきまーす!!
「美味しい!おじさん美味しい!すご〜い!これお店出せるじゃん!?おいし〜い!!」
「よかったな!おかしら……いや、おじさん!」
「お、お前もおじさんじゃね〜かよ!!」
「頭が照れた〜!!」
「でも本当に美味しいですよ!」
「まあ頭は料理人だったんだよ。」
「……だった?」
頭さん、この行商?の頭領なんだろうね。
この人は料理人だったらしいけど色々あって辞めちゃったらしい。
リストラ?閉店?事情はわからないけど社会は世知辛い!!
「でも、宿とかでこれが出てくるなら流行りそうな気もしますけどね。」
「宿か〜、どっか辺境か田舎街でそれをやるのも悪かねーかもな。」
「アルバイト募集してたらやりますよ!」
「お、お嬢ちゃんなら看板娘間違いないな!店が繁盛しちまう!」
「ハハハ!それほどでも〜……あるかなあ〜!嘘です!冗談です!へへへ」
「ハハハ!お嬢ちゃんおもしれーな!」
「俺らの子供も嬢ちゃんくらいかなあ」
「お前、それいうなよ〜」
「まあ、俺らの子供と同じくらいの子だよなあ、う!心臓が痛い……」
おじさんくらいの歳だと子供もいるだろうし行商がんばんないとね!?
「……まあ、街につくまでは面倒みるし、送ってやるよ。」
「お頭?あれ?まさか?まさか?」
「うるせー!お前らも似た感じだろ!?」
「あ、バレた〜?」
「うん、なんつうかな俺も心臓が痛え……」
「そうだよな……」
「俺もだ……」
「俺ら、向いてないのかもな、この仕事」
大丈夫かな?心臓痛いの?
「おじさん達大丈夫?身体の調子が悪いならすぐ寝た方がいいよ?片付けは私やるから。」
「お、いいのか?でもまあ俺らもやるから手伝ってくれるだけでいいぜ。」
「じゃあ終わったらおじさん達の肩を叩いたりもみほぐししてあげる!私、得意だから!」
「だ、大丈夫か?お嬢ちゃん華奢だけど」
「うん!任せて!」
確か、私は肩叩いたりもみほぐすのが得意だった様な気がする。手順もコツも知識として知ってるし。
誰かに教わった気がする。髪が黒い子だった気がする。
鍋や皿を洗ってからおじさん達を座らせて私は後ろに回った。
「1人ずつほぐしていくからね〜」
1人目はガイナスさん!この行商の頭領さん!
「お嬢ちゃんにほぐせるかなあ?バッキバキだぞ〜」
「へへ〜、そう言ってられなくなりますよ〜。」
「ほう、受けて立ってやる、あ!いでででででで!ああ、いだだだだ、お嬢ちゃん!その体のどこにこんな力あるんだ!」
「最初は痛いかもですけど我慢してくださいね〜、直によくなるんで〜」
私は人並の力しかないけど、人体力学と人体の構造を把握していればこのくらいなんてことないのである。
護身の為に教わって良かった!月詠式柔術!主にストレッチにしか使ってなかった気はするが月詠とはなんだろう?駅前のスクールだろうか?きっと良い先生がいたのだろう。
「いでででででで………ん?あれ?痛くねえ、お嬢ちゃん力加減変えたか?」
「変えてないですよ!おじさんの肩と背筋だいぶ凝ってたんですけど柔らかくなってきたしほぐれたんだと思います!」
すごい肩凝ってたね。
「お、ほ〜……このまま寝ちまいそうだ。今日は酒とかいらね〜や。」
「おい頭、早く変わってくれよ」
「ちょっとまて……もう少しだ」
「はい!カシラのおじさんはここまで〜!」
「そ、そんな……」
「次は俺だ……!へへ、よろしくな!い!?いだだだだ!いだだだだ!」
とまあ次のおじさんのクロノおじさんとピエールおじさんにも施術した。
おじさん達すっごい喜んでたし私も嬉しい。
その後はおじさん達は変わり代わり見張りをするらしくピエールおじさん以外は、すぐ寝てしまった。
私に専用のテントも立ててくれてやっぱりおじさん達優しいなあ!おじさん達の子供と同じくらいみたいだし娘みたいに思われてそうだよハハハ。
私は朝まで寝れる権利を貰えたしピエールおじさんと少しお話してから寝よう思い歓談をし始めた。
「そういえば嬢ちゃん、名前聞いてなかったな、いや聞くつもりも最初はなかったんだけどな色々と方針が変わっちまった。」
「方針?職場の方針?まあ社会に出ていれば色々あるし、それに私も名乗らずすみません。なんというか……自分の名前がわからないんですよね。」
「は?名前がわからねえ?」
ピエールおじさんに私が気がつけば街道に立っていて、知識以外の記憶がほぼ喪失していることを伝えた。クレーターの真ん中にいたことは言わなかった。
「そっか、お嬢ちゃん大変だったな……通ったのが俺らで良かったよ。これから大丈夫か?」
「本当に助かりました!まあ街までいけばなんとかなるんじゃないかなあ……ははは」
なんとかなってほしい。
「まあ色んなやついるから気をつけないとな、街まで送ってやるから、また肩叩いてくれな……」
「うん!肩叩く〜!」
「はは、娘を思い出すな」
あ、お仕事で娘さんに会えてないんだろうな。主観だし実際どうなのかはわからない。
「娘さんは私と同じくらい?」
「そうだなあ、今年で13だから概ね同じくらいか」
私、そんな若い歳じゃない気がするけど、でも
「そっか〜!街まで私はおじさん達の娘ですね〜へへへ」
「は〜、嫁に出したくね〜娘だな!ははは!」
「ははは!」
なんて談話を楽しんでいた。
「でも名前がないと今後不自由するだろ。」
「そうですね〜、名前は薄っすらと確か……あ、あ、ア〜「おい!」ニ゛ゃ゛!?」
「もう!ガイナスおじさんビックリしたじゃん!!」
舌噛んじゃったよ
「ははは悪い、交代だ。ピエールは寝てくれ」
「お〜そうか!じゃあな!アーニャ、お前もそろそろ寝た方がいいぞ」
「アーニャっていうのか、そろそろ寝た方がいいな。寝ないと背が伸びないぞ?」
小さいってことか〜!?おぉん?
それに綾なんとかって言おうとしたらびっくりして舌噛んでニャ!って言っちゃって名前がアーニャになってしまった。
名前全部思い出せないし、アーニャって名前もなんか可愛いかもしれないし、そういう事にしよう。
「うん!おやすみ!おじさん達!」
「おう、沢山寝ろよ!背が伸びねえぞ!」
うるさいぞ
でもおじさん達超優しいなあ!
1人の時はどうなることかと思ったけど街まで宜しくね!!
◇
朝までぐっすり寝させて貰った私は、朝もおじさんの肩を叩いたり揉みほぐした。
朝食までご馳走になったし、これくらいしかできないしね。
ガイナスおじさんは膝も悪いらしく多少マシになるかなと思い少しだけストレッチ指導をした。膝とから腰の間の筋肉がだいぶ張ってる。
ほぐしている途中に何故かおじさんの体内を循環している光の様な揺らめき?流れ?が視えた。
意識してみると私にもおじさん達全員に見えた。
私はこれを知っている。
この光の様なものは「フラッピングエーテル」と言われ魔力や生命維持にかかせないものだ。
ガイナスおじさんの膝に向けてフラッピングエーテルの流れが悪そうなので流れがよくなる様に揉みほぐした。
膝のフラッピングエーテルは他のところと同じ流れになったし、治ったんじゃないかな?
「おじさんどう?」
「……こりゃすげえな。ちゃんと曲がるし伸ばせるぞ……お嬢ちゃんは魔法使いなのか?回復魔法か?」
「えへへへ、内緒です!というか記憶ないからわかんないです……」
「あ、わりい……そうだったな」
朝ごはんの時に記憶喪失であることはおじさん達には話した。でもフラッピングエーテルの事は知っているから魔法使いだったのかな?
このローブとか……まさか私、日本で魔法少女やってました!?とかではないよね?流石にそんなわけないだろう。
「俺も腰が……」
「俺は踝が……」
出発時間過ぎちゃうけど大丈夫?
「わりいんだが、こいつらもやってくれねえか?」
「うん!」
クロノおじさんの腰はガイナスおじさんと同じ要領で出来た。
ピエールおじさんのは一度捻挫したのかな?伸びたであろう足首の靱帯あたりフラッピングエーテルの流れをまず良くして。
ふむ、どうしよう……伸びた靱帯が縮んでくれたらなあ。
痛いの痛いの滅びてしまえ!なんて念じさすってみたら淡く、青く光り伸びた靱帯は縮み元の長さに戻った。
「アーニャすごいな!さっき光ってたけどやっぱり魔法使いなんだな!?王都の宮廷魔術師か……いや教会の聖女なんじゃね〜か?ローブも白いし」
そんな、それほどでもあるかなあ〜。
でも王都?宮廷魔術師?教会?聖女?そんな国、現代にある……?わけ、ないだろう。
そんな気はしてた、ピエールおじさんが昨日話してくれた世界情勢もピンとこない国名ばっかりだったのだ。
でも、私は来るべくしてこの世界に来た気がする。なんとなくだけど……そんな気がする。
「聖女様だったら俺達、誘拐したとかみられね?」
「あ、でも、大丈夫じゃね?」
あれ?聖女様ではないのだろうけど、おじさん達見た目は厳ついから誤解されちゃう?ガイナスおじさんとピエールおじさんが少し心配そうだ。
あ、私、見捨てられちゃう!?
「あ、あ、あ!もしヤバくなったら私が釈明する!それに一緒に堂々としてれば護衛とかって勝手に思うでしょ?」
ガイナスおじさんのお料理食べられなくなっちゃう!!
「まあ、こんな感じの冒険者パーティもあるか?お嬢ちゃんヤバくなったら頼むぜ!」
「ガッテンです!」
「ははは、ガッテンとかいう聖女様か!おもしれー!」
聖女様ではないと思うけどね
「お嬢ちゃん、そうだお嬢ちゃんは治安のいいとこに行った方がいい。」
ガイナスおじさんが言う。
「治安がいいとこ?」
なんで?
「そうだなあ1番近いのだとシュテュルプナーゲル公爵領だな」
「お頭!あそこは……!」
「そうですぜあそこは頭にとって……」
「うるせ!お嬢ちゃんが聖女様かはわからねえけどお嬢ちゃんを王都に連れていけるか?わかるだろ?」
「あ、まあそうだな。頭の言うとおりだ。もしアーニャが聖女様で俺の娘って考えたら…王都はダメだな。公爵領なら信用できる」
「そうだろ?聖女様の脱走はよく聞く話だろ?」
ん?聖女様ってブラックな仕事なのかな?まあ聖女じゃないけど……。だから公爵領にいけと?
「え……と、その公爵領に連れて行ってくれるの?」
「そうだな。嬢ちゃんはそれがいい。それにツテがあるしな。」
「頭、そうか腹を決めたんだな?もう頭とは呼ばねえ。ガイナス、お嬢ちゃんを無事公爵領に連れてくぞ。」
「ガイナス、俺らは今日から解散だな。冒険者としてお嬢ちゃんを護衛だ。」
え?行商やめちゃうの?私の為に?
「え?お仕事やめて大丈夫?私を送るだけなのに?」
私はそんなに厚かましくはなれない。
「これも立派な仕事だ。な〜に、また公爵領で料理の仕事でもはじめっかな?許してくれたらだけど……」
仕事ならいいのかな?それに許してもらう?まあこの辺聞くのはやめておこう。
「じゃあ……おじさん達、公爵領まで宜しくお願いします」
誠心誠意、頭を下げた。
「聖女様に頭下げられちまったから行くしかねーな!」
「ガイナス、いま腹決まったのかハハハ」
「まあな」
「そうだよなあ、公爵領だもんな、公爵領地は……」
おじさん達曰く、公爵領は公爵が統治していて一応、王国領地ではあるけど辺境であり実質、自治国みたい。ほぼ独立した国家の様なもので王国も手出しが出来ないほど力を持っているらしい。
治安の良さは折り紙付きであるとのこと。
都は王都より活気があるらしいけど、王都みたことないから比べられないね。
「じゃあ公爵領まで嬢ちゃんの護衛だ!引き締めていくぞ!」
「「おう!」」
「お〜!」
私もおじさん達と一緒に拳を掲げて気合を入れた。
おじさん達と私の異世界冒険譚が始まっちゃう〜〜!?
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