第19話 あれから5年

 この世界に来てから5年が経った。 私は22歳になった。

 

 早くね?


「22歳かー……――」


 ――20歳くらいまでは歳を重ねる度に喜んでいた。

 だって、大人なるのが楽しみだったから。

 日本にいれば大学卒業して、就職してとかなってたのかな?

 あ、私、休学してたしそれはないわ。


 タラレバを考えても仕方ない。


 でもね?22歳か、結婚してる子は結婚して子供産んだりして永久就職したりしてるんだろうなあ――って、そんな歳だよ?

 こんな私でもそんなありふれた事を考え憂鬱になったりもする。

 あと5年がくらいすれば三十路手前だよ?

 あと10年たてば32歳?

 ハァッ?やってられっか!!

 

 最近、アーニアのフリしてノル君に抱きついたりノル君両腕シートベルトをしてるのがバレて、アーニアからノル君に近付くの禁止令を言い渡されたし。

 アーニアはアーニアで両腕シートベルトを覚えてしだしたり、私の実績だぞ!

 あと、ノル君にアーニア呼びをやめさせていつのまに綾子って呼ばせてるし!

 ややこしいから私がいなくなるまでやめてくれ!

 ノル君と長いこと一緒にいたらしいけど全然進展ないらしいし――なにやってんだよ!


 ぶっちゃけると、アーニアとは仲良く出来てはいない。ノル君会議は1回したけど、なにかもやもやするしそれ以降は結社の業務的な話以外は実際あまりしていない。

 進展ないんだー、くらいの事しか知らん!


 そもそも私はこれからこの世界を出ていくことについてほとんど教えてもらってない!

 そんなイチャついてないで早く教えろよ!くそ!!


「もうやってられっか……!!」


 仕事で1000年くらいの眠りから覚めた古龍(魔モノ)を八つ当たりの様に倒したけどモヤモヤしたこの気持ちは晴れない。

 ノル君成分が圧倒的に足りないのだ。

 古龍を倒せるようになっても、アーニアが邪魔をする!くそ!


 ああ……――、ノル君!ノル君!ノル君!


 私の中でなにかが弾けた。

 結社食堂の仕事はもうリリスちゃんやツムギちゃんが気まぐれメニュー作れるし、私は1ヶ月に1回作るくらいだし、もういいよね。なんか作る気にもなれない……――


 ――1ヶ月くらい引き篭もろう。


 絶賛、嫉妬というか僻んだ思考に支配され、理性とのバランス崩壊中である。

 アーニアが目覚めた後は自室を貰ってそこで生活してる。

 キッチンもあるし、覚えた空間魔法みたいなやつ『アイテムボックス』的なのに色々食物もたくさん入れたし引き篭もるにはちょうど良い。

 引き篭もって1週間くらいもすれば流石に飽きた……――でもアーニアが……アーニアが……ううぅぅ……


 ……――もちろん、私自身がいま自分勝手に、わがままに、行動しているのは理解しているよ。

 でも、引くに引けないし絶賛、メンヘラ発動中である。


 意地でも籠城してやる。


 引き篭もって2週間かな?ごはん作ってレイラインシステムのSNSに投稿しようー!って思って写真撮ろうと思ってたらね……――ドアが勢いよく壊され吹っ飛んだ。私のごはんも一緒に。


 ドアを壊したのはもちろん…アーニアだ。


「嘘だろ……」

 そう言わずにはいられなかった。

 理論上、1000メガトンの攻撃にも耐えられる魔科学防壁術式を構築し部屋に練り込んで籠城してたんだよ!?1テラだよ?

 頭の中にあるアーニアの残留した知識とエレナ式魔科学理論を掛け合わせてアレンジしたとっておきだよ……!?


「くそ!敗れかぶれだー!くらえ!超凄いパンチ」


「はあー……」


 結果、惨敗も惨敗。

 瞬殺された。

 デコピンみたいな動作で壁に叩きつけられた上に、なにか視えないもので拘束された。


 これでも私、凄い強くなったんだけどなー。


「まさか……、もうあんな防壁術式まで作れるなんてね……まあ私の記憶も残留してるし、まあ出来ないこともないか。でも8000年生きてる私がこの程度の防壁破れないとでも思ったの?しかもパンチは私がオリジナルだし。」


 はあ?


「今、なんて?」


「この程度の防壁「ちがう!その前……!何年生きてるとか!」」


「え、なに?8000年生きてる?のとこ?」


「それ!」


 はああああああ!?


 8000年生きてる?はあああああ?


「8000年も生きて、ノル君とも8000年一緒にいるわけでしょ?」

「そうだけど……」

「なんで8000年一緒にいてようやく両腕シートベルトなわけ?」

「う……」


 あー、わかっちゃったよ、わたし。

 長いこと生きて進展ないまま着かず離れずでポッと出の私が|アーニア(わたし)のノル君にちょっかいを出したんだ。

 私だったらブチ切れちゃって何しちゃうかわかないなあ!

 まあ、アーニアはまだ優しいのかな。


「だから怒ってたんだ……」


「うん。両腕シートベルトとか私もしてもらったことないのに!そりゃあ大人気ないなって思ったけど同じ私ならわかるでしょ!?」


 物凄く共感した。

 でもそれはそれ、これはこれ。

 別にノル君のことでなら私に怒っても仕方ない。

 だって私もポッと出の子がノル君にちょっかい出してきたら普通に怒ると思うし。


 アレ?私って結構やばくね?この思想…。

 まあいっか。


 でもさ、でもさ、8000年経ってようやく両腕シートベルトって


「あのさ、手を繋いで歩いたりとか、その、ちょっとでもエ、エエエ、エチチーーのとか?そういうのはないわけ?」


「――ない!あ、疲れた時に手を繋いでとかはあるよ!」


 まじか……


 そりゃあ、17年ちょっと生きただけの私が両腕シートベルトとかしてたら怒るわな。


 脈ないのかな……?


 私とは違う状態や条件でこっちの世界にきて、私とは違うとはいえそこまで私と差があるとは思えない。

 私も夢と思ってたからああいうことが出来たわけで……――まあ積極性に欠けるんだよね、私もアーニアも。


「まあ、でも両腕シートベルトは私がアーニアのフリしたことをきっかけに出来たことなんだから、感謝して欲しい!!」


 どの口が言うんじゃ!!なんて思わないでほしいしこれは本当にそうだぞ。

 まあアーニアのフリしないと私も出来ないんだけど。

 いろんな偶然や考えが思惑がうまく重なり出来た奇跡の積極性。

 これは感謝されるべきである。


 8000年も生きてようやくそこか。

 私は8000歳まで生き抜いたとして、どうなっているんだろう?


「というわけで、私はまた当分引き籠ります。」

「はあ?それはそれ、これはこれ、サボった分しっかりやってよ!!」


 え?やっぱり?

 まあ私だもんね、そういう考え方よね。


「やだー!やだー!面白くないー!アーニアがイチャついてるの見ると面白くないー!私、なにもしたくないー!」


 本当にこればっかりはワガママとわかっていてもどうしようもない感情だ。


「はあ?私は引き籠った経験がないからそこまで気持ちはわからないけど、そこまで?あのさ、いまこの惑星はほぼ平和な世界だけど、いまのままじゃここまでの時代になるまで生き抜けないよ!!いいの?それでも。貴女のノル君、いや貴女がこれから行く世界にいる貴女と時間を共有したノル君が苦しむかもしれないんだよ?」


 そっか、いまこの世界にいるノル君は私と時間を共有したノル君ではない。

 アーニアと時間を共有したノル君ってこと。

 それはわかっていたことだ。

 でもノル君はノル君なんだよ。

 

 あれ?まって?

 じゃあ8000年くらい前の世界に行くってこと?


「じゃあ、そろそろ教えてよ。なにもわからないから……、なにを考えどうすればいいの?」


「え、ああ、そうだね、わかった、じゃあアヤとレイちゃんも呼ぶから。そこで話ましょう。本当はもう少しこの世界や魔科学について知識をつけてもらってからにしようと思ったけど、今の貴女じゃ早く話した方がよさそうだね。」


 そうだ!早く教えてくれ!


 ん?あれ?両腕シートベルトの話は?

 

 なんかあれ?ちょっとだけ釈然としない。

 けど、まあこれから行く世界にいるノル君の為じゃ仕方ないね!!



----------



「ノル君は『あの綾子が、あの綾子』が…って妙に気にするし!このワタシに甘々な発言ばっかりするの……――!」


「はあ」


「でも、ワタシのことは私のことでもあるし蔑ろには出来ないし、でも面白くはなくてさ〜。」


 アヤ、レイちゃん(2人)、私やアーニアを含めた5人かと思っていたが何故かナッちゃん、ノア、シロさん?も呼ばれ計8人でノル君会議(?)は始まった。

 本来は私とレイちゃんがこの世界を出ていく事について、アーニアが説明してくれる会の筈だった。

 なのにアーニアが突拍子もなく私に対して愚痴りだした為にノル君会議となった。


 アヤとこちレイちゃん(こちらの世界のレイちゃん)以外は皆困惑し、ナッちゃんに限っては口を開けてポカーンとしている。


 そりゃそうだ。


 招集させられたあげく、なにが悲しくて上司の愚痴を聞かされなくてはならないのだ。

 しかも私に対しての愚痴だぞ。


(でもこの世界のノル君は私に甘々なんだね!)


 だから私は内心ニヤニヤしていた。

 ニヤニヤ抑えながらも真顔を維持しようと頑張っていた。


「綾子、顔が気持ち悪いわよ。ニヤニヤするか真顔かどっちかの方がいいわよ。」


 なんでわかったのー?

 アヤはこういうところが鋭い。


「なんでわかったのー?みたいな顔してるけどバレバレよ。多分みんなにもね。まあどちらも綾子なんだし基本的には同じよね。」


 みんなを見ると笑っていた。

 こちレイちゃんに限っては腹を抱えている。


 むう失礼な。


 しかし、1人だけ腹を抱えてプルプルしているわけでもなく肩を震わせ、昏い顔がをしている者が1人。

 アーニアだ。


「ノル君が甘々とか言うんじゃなかった……――ワタシが調子に乗っちゃう……!」


 めちゃめちゃ調子に乗りそうだった!

 このまま波に乗ってやる!


「綾子ー!まあノルさんおにいちゃんの事はおいてといて、このメンバーを呼んだってことはその話をするんでしょ?」


 こちレイちゃんが話をもどした。


「ああそうだった!つい……!」


 私の部屋のドアが無残にも木っ端微塵になっている事についてアーニアが説明していたのだが――気がつけばノル君が私に甘々、の話になっていったのだ。へへへ


 アーニアが落ちた着いたところで説明が始まった。早くやれ!


「えーとね、私やレイちゃんもこの世界にやってくる前に同じことを言われたのだけどね。貴女達にはこの世界から別の世界、といってもこの世界から8000年ほど前の世界に行って貰います。ちなみに、戻っては来れない。これは宇宙の理に基づいた決定事項だから、これをしないとツムギちゃんやその他の『強制力』といった亜神に枝を切り落とされるかもしれない。だから、申し訳ないけど貴女達には苦労をかけることになる…。」


 アーニアはそう告げ、私とレイちゃん、と!?

 ナッちゃんとノアとシロさんに指を指していった。

 人に指を指しちゃいけません!ママに教わらなかったのか!?


「こらぁ、指を指すんじゃなくしっかり名前を呼んでお願いしなさい。」


 アヤがアーニアを叱った。と言うよりは諭した。


「あ、うん、そうね、若いワタシやレイちゃんはもう知っての通りだけど、ノア、ナッちゃん、シロ、若いワタシやレイちゃんと一緒に8000年前に行ってください。お願いします!中々、言い出せないまま時間経っちゃったんだけど、遅くなって……ごめん!」


 アーニアが頭を下げてお願いしている。

 中々、教えてくれないなあとは思ってたんだけどそれが本当の理由か。

 言いづらい事だとは思い納得した。

 アヤもこちレイちゃんも私からも、と言い同じく頭を下げ始めた。


 私やレイちゃんはともかく、生まれ育った世界を出ていけと言われたらどうなんだろ、戻って来れないし。


「いいですかニャ?」


 ナッちゃんが右手をあげたずねる。


「どうぞ、ナッちゃん」


「なるほどニャと思いましたニャ。最近、私が夜な夜な食べ物を冷蔵庫や食糧庫から漁っている、と噂されていたニャ。見に覚えもない在らぬ余罪をうわさされ困っていたんですが……そういうことですかニャ?」


 アーニアが頷く。


 どういうこと?


「ニャら、私は行きますニャ。綾子様のご飯にありつける機会が今より増えそうだニャ。」


 私は知ってる――

 ナッちゃん、食堂で『綾子の気まぐれメニュー』食べる為だけに2時間前から張り込んで並んでいるよね?

 仕事しろ!


「私の時は結構渋ってたのにな、ナッちゃんよろしくね。」

 そうアーニアはナッちゃんにお礼を告げた。


「我も問題ない!ここの皆は我と戦ってくれない!」


「レイちゃんが行くなら私も行く!」


 みんなアッサリしすぎじゃない?いいの?戻って来れないんでしょ?

 まあ、考え方や価値観の違いかな?


 アーニアが『何故この世界や私やレイちゃんが出ていくのか?』について説明しようとしたところで


『綾子、そろそろいいかニャ?』


 ナッちゃんの声でそう聴こえた。


(え、なに?ナッちゃん?)


 隣にナッちゃんの方をみると首を左右に振っている。

 ちなみにレイちゃんは左隣に座っている。


「も〜、話が進まないでしょ、いいや、出てきて、ナッちゃん。」


 そうアーニアが言うと……――私の膝にナッちゃんが座っていた。


「私とこの世界にきたナッちゃんだよ。ちなみにシロもいる。」

 え?ノアは?

 でも、それはまた説明してくれるでしょ。

 

 それよりも

 隣にもナッちゃん膝の上にもナッちゃん。


 ナッちゃんが2人ー!!!

 間髪入れず膝の上のナッちゃんを撫でた。

 

 ナッちゃん、見た目エレナやセレナくらい幼く可愛いのだ。

 その上に猫の神獣で猫耳がある。

 でもナッちゃんはどこか私に遠慮がちというか線を引いてる感じがあったので私もおいそれと撫でたり出来なかったのだ。

 

 私は今、猛烈にキュンっとしている…!

 ノアはレイちゃんにとられちゃったし。


 決めた!美味しいもので餌付けしよう!


 ふと、隣のナッちゃんをみると細い目をしながら真顔で膝の上のナッちゃんをみている。

 いや睨んでいる?


「見に覚えのない食堂料金の請求。見に覚えのない噂の出どころ。これでハッキリしたニャ。それで?なにか言うことはないのですかニャ?あとハンバーガーも……あれは絶対に許せないニャ……」


 ナッちゃん、怒ってるの?


「ニャ、ニャハハハ、やっばいニャ。そうだったの忘れてたニャ。でもまあお金は振り込んでおくし許してニャ。でもハンバーガーは私がお願いしたニャ……。」


 あ、あの時のナッちゃんはこのナッちゃんなのかな?


「………」

 隣のナッちゃん、無言で圧力をかける。


「う、ああそうニャ!綾子がこの隣の私の為にスペシャルハンバーガーを作ってくれニャ!お願いニャ!」


 私の胸にうずくまり上目遣いでお願いをしてくる。


「うう」

 可愛いな。


「スペシャルハンバーガー!良いニャ……!それなら許すニャ!」


 細目で睨み続けていた隣のナッちゃん。

 目にハイライトがもどり、頬は熱を燈すように朱く、興奮しているようだ。


 片方はうるうると、片方はキラキラと2人のナッちゃんに見つめられた。

 

「仕方ないなあスペシャルナッちゃんバーガー作ってあげるから……」

「「やったニャー!」」

 ナッちゃん同士で両手を対面で握りブンブン左右に振ってる。


 あれ?私に得無くない?

 いやナッちゃんと仲良くなれるなら得か?

 ものは考え様だ。


「綾子、私が魔科学で知っていること代わりに教えるから許してニャ。この世界で最年長の私が教えるんだから間違いないニャ。綾子、猫耳コンバート覚えるとノルさん多分喜ぶニャ……!こっちの綾子には内緒ニャ。」


 膝上のナッちゃんがボソッと伝えてきた。

 最年長?あ!ナッちゃんの年齢+8000年か!

 

 猫耳?ノル君が喜ぶ?師匠!!


「わかりました……!師匠!ご指導よろしくね!」


 耳打ちし伝えた。

 あれ?なんか忘れてる気がする……ま、スペシャルバーガー作るかぁ!

 

 と意気込んで立とうとしたら。


「あのさ、話続けていい?」


 あ!


「ごめんニャ」


 ごめん、アーニア


 ナッちゃんにハンバーガーを作ってあげることばっかり考えていて本題を忘れていた。しかも私がお願いしていた事なのに。


 アーニアのジト目が怖い。


「ま、まあ綾子もそんな睨むニャよ〜。こっちの綾子も悪いけどハンバーガーお願いしたのも私だし。ま、まあ、綾子だってそうとこあるじゃん?あ、あ〜ごめんニャ。」


 ナッちゃん(推定1万歳)がフォローしてくれたが、アーニアは大きく溜息をついた。


「まあ、私は大人だし?そのくらいで怒ったりしないし?まあ若い私と張り合うほど子供じゃないし?多めにみてあげるよ」


 私とノルくんで張り貼ってる癖に〜!


「それじゃあ、始めるね」



--------------



 アーニアから聞いた話はこうだ。


 私やレイちゃんはゲームのチュートリアルの様な感じでこの世界に立ち寄った。本来行くべきはここから8000年ほど前の世界。

 しかし、私と時間を共有したノルくんがいる世界であって、今いるこの世界とは別で分岐した世界になる。

 いわゆる並行世界である。

 あと15〜20年もすればその世界への門が開く。

 正確な時期はこの世界の創造主の匙加減。

 ちなみにそれらの並行世界が束ね合い一つの枝を織りなしているらしい。


 そこへ行けば、私の知るノルくんがいる。

 というかこの世界って創造主がいるんだね。

 その創造主とやらが私をどうしたいのかがさっぱりわからん。

 私、創造主にみられてるの?加護とかそういうものくれたりしないの?

 

 それになんで、私の知るノルくんとは別々に…言っては悪いけどこんな回りくどいことをするのか?

 アヤ曰く、創造主の女神が行き当たりばったりで事を進めた結果、安定したのがこのやり方らしい。

 幾つもの世界に私やノルくんはいて、色んな世界があるらしい

 けどまあ大体似たような感じになるみたい。

 ノルくんは困ってるみたいだから私やレイちゃんみんなで助けてあげてだって。

 創造主云々は自分でなんなのか探って、ってことを言われた。


 ノルくんが居なくなったのも、創造主のせい?なんてことはないよね?


 あれ?このチュートリアルみたいにこの世界経由しないとハード過ぎない?そんな私もいたの!?


 あと創造主って女神なんだね、くんくん。匂うなあ。

 ノルくん案件の匂いがするなあ…。

 なんにもわからないけど直感的にそうであると感じてしまった。


 ノルくん女神様も落としちゃったっ!?そんなわけないか 


 色々とつっこみたいところがあるんだけどね、まあいいや。


 それよりも!なによりも!(私の)ノルくん元気にやってるかなあ?早く会いたいな!


 あと8000年前にはステータスがなかったらしい。

 この世界の今の時代はレイラインシステム付加システムによって神の加護の如く、この惑星に住む人々にステータスを与えている。

 いわば侵略者によって惑星を穢され魔モノが蔓延る世界となってしまった為に、人々が身を守る自衛手段として構築したものらしい。

 結社といっても全人類を守りきれるものでもないので、ノルくんやアーニアで構築したものらしい。

 最初はいきなり強いステータスをみんなに与えたりしたらしいけど努力もしてないのに「俺強い」みたいなバカがアホをやらかす事案だらけになってレベルアップ制にしたみたい。

 まあ人間多少は苦しんでがんばらないとダメ。


 私は引きこもりみたいな身体の状態からは脱したけどがんばったもんね!

 結社じゃ1番弱いけど!!

 模擬戦闘しても誰にも勝てねー!


 あとアヤについては詳しく教えてくれなかった。

 けどノルくん案件の匂いがぷんぷん匂うんだよなあ〜。

 「魂的な親戚」みたいな一言で終わって結局、アヤがなんなのかはわからん。


 私のママっぽいし。

 けどママの顔いまいち思い出せないしママは確かもっと私に似てたしね。

 アヤは私に似てはいるけどなんか遺伝子的に違うしよく似た兄弟とか従姉妹とかそんか雰囲気。

 親戚いないから人から聞いた話を加味してそう思っただけなんだけどね。


 親戚どころか父親もいないんだけどさ。


 ママになんで父親がいないのか聞くと

「綾子は魔法の様なもので私が生み出したのよ。そもそも私は処女なの。強いていうならパパはノルくんかしら?なんちゃって……あ、綾子、そんな怒っちゃ嫌ぁ!」

 らしいし。

 

 まああまり突っ込んではいけない話なんだと当時は思ったよ。

 ノルくんがパパ発言は無視出来なかったけど。


 話が脱線しすぎたわ。


 この世界にいるうちは、色んなこと学んでノルくんの役に立てる様にならないとなあ。


 さてナッちゃん達にハンバーガー作るかあ!

 って作ってたら全員分作らされた。

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