第12話 そんなに食べたら絶対太るよ
「んー美味ひい!おいひーよー。こんなケーキ作ってくれるなんて綾子はいい子ね!アーニアは絶対作ってくれないわよ!」
アヤは私のミルクレープがお気に召したらしい。
素で喜んでいるみたいたし、まあ、嬉しくないこともないかな?
アーニアとは仲が悪いんだろうか?話を聞くと恋バナばっかしている仲っぽいんだけど。
話に出てくる「お兄ちゃん」とやらはさぞモテモテなんだろうけど、まあ大変だね。
私には関係ない話だ。
アーニアが私と同一人物なら「あの人」のことはどう思っているんだろう?
長い時間が解決してくれたのかな?
アーニア長生きっぽいし。
まあ今はミルクレープだよねー。
「んーもっちもちでおいしー。さっすがは私!」
1日1回はミルクレープを作っているよ。
アヤがミルクレープミルクレープうるさいからね。
そのうち飽きるでしょ。
生クリーム、代替えとなる植物性油脂を使ったホイップそういった材料はこの世界でも開発されショートケーキなども甘味として存在する。
もちろんパンケーキも存在する。
けどクレープとミルクレープといったものは今までなかったらしい。
私もクレープは小さいころから食べたけど高校生になってからとある喫茶店に入りミルクレープを初めて食べた。
その時は感動して個人的な甘味大革命だったことは覚えている。
それからミルクレープを作ったりしたもんだよ。
他にもいろいろ美味しい甘味はあるけどアヤには内緒にしておこう。
そんなこんなで空の旅も既に3日目。
アヤの治める「ミルキーロード」ぷふふっ!おっと失礼ぶふふ!そこを出発して主にショートケーキやパンケーキ、ミルクレープを作ったり、普通の料理のレシピをツムギちゃんに伝授しながら過ごしている。
ツムギちゃんも途中から自動運行に切り替え飛空艇の中でみんなとのんびりしている。
あと4日ほどでリーシャちゃんのいる村に到着する予定だ。
なんかフラグかなにかで途中に魔モノ、いわゆる龍型のモンスターに襲われガクブルしていた私だがアヤとツムギちゃんがなんとかしてくれるのでもう私も慣れてしまった。
本当にもう怖くなんてないんだからね!
いや~、でもドラゴンに噛まれたトラウマは意外にもそこまでなかったんだけど飛空艇の10倍くらいデカいドラゴンが来た時はまじでパンツ取り換えちゃったよ…。
いっておくけど漏らしてません。
ちょっとだけだよ。
そんな情けない姿をアヤにみられ「この世界で生きていくには綾子は弱すぎるね」と言われた。
あれだよ!ほんとにちょっとちびっただけなんだから!
アヤ曰く、結社やその傘下組織の人間はガーデンやそもそもの能力で強いけど一般人には結社のレイラインシステムによってステータスが与えられているから強すぎない限りは多少の魔モノなら倒せてしまうそうなんだけど、私は敵に出会った瞬間にワンパンで死んでしまうらしい。
かといって何故か私はステータスが適用されないらしく世界最弱もいいとこと言われた。
でもね、引きこもりだったしすぐに強くなれるわけないじゃんか。
でも、危機はさすがにケーキの対価としてアヤに魔科学講座をひらいてもらいまず魔科学を人体を通して魔法のようなものを行使するにあたり基礎中の基礎知識を教えてもらった。
もうドラゴンに噛まれたくないしね...。あの血の気が引く感覚はもう味わいたくないし。
アヤから教わったことを説明すると、
全ての魔科学においていつの日にか教わったフラッピングエーテルは必須となる。
フラッピングエーテル、すなわち魔力を用い魔法の様なもの、もう魔法でいいよね?それを行使する。
フラッピングエーテルは全宇宙に存在する素粒子で目にも見えないものすごーく小さな物質だ。
それが人間の思考を読み取りその力を具現化する。
魔法を実現するには生物に備わる根本的な仕組みを理解しなければいけない。
生物には肉体と精神体と魂の核があり、その3つはどれを切り離してもその人を形作ることは出来ないし3つとも揃って「生きている」と言える。
肉体、それらを内包する入れ物。
精神体、記憶や人格としてその人がその人として形作っているもの。
魂核はその人がその人である証。文字通り魂である。
魂核があることで精神体は機能し物事を考え肉体を動かす。
生物が脳をから電気信号を受け体を動かすことを魔科学に考えるとそういうことになる。
フラッピングエーテルは素粒子としてこの全ての生物の体に染み込みこんでいて、精神体いわゆる脳からの信号を受け超常的な事象を顕現することが出来る。
これらは全て物理学として扱われている。
まずは自身でフラッピングエーテルを操作できる様にならなければ魔科学≒魔法は使えない。
「ふーん、でも私いた切り降ろされた枝?ってところだとフラッピングエーテルってないって前に聞いたけど。」
「そうねーフラッピングエーテルがないというよりは活動していないという方が正解かな?だから向こうの世界からやってきた貴女やレイちゃんの体にも染み込んでいて、こちらの世界に来たと同時に活動しているはずよ。たしか向こうの世界でも解明が出来ていない膨大な素粒子があったはずよ。」
なんだっけ?ダークマターとかヒッグス粒子とかかな?あれ?アヤ向こうの世界とかわかるんだね。
アーニアに聞いたのかな?
「ふーん、そっかーじゃあ私も使えるのかな?魔法みたいなの」
魔法使いたい!こうも弱っちいんじゃまたちびっちゃうし魔法はね、オタクにとってはロマンじゃん?
「きっとすぐに使えるわよ。貴女もレイちゃんも特殊だしね。なんたって…いや、なんでもないわ。」
もしかして私、選ばれた人間的な?ま、いっか。
見た目はファンタジーだけど魔法の蓋をあけると物理学やら科学やらで説明するらしい。
実際、異世界ファンタジーの魔法は案外そういうものなのかもしれない。
物理学や科学やらの上にそれを応用した術式、いわばプログラム言語のようなものも確立しているし進んだ科学は魔法と区別がつかない、または逆も然りといったところなのだろう。
話を聞いていて正直、頭が痛い。魔法が使える様になるなんて無理なのでは?
「でもフラッピングエーテルの操作、いわゆる魔力操作を感覚でつかめるようになれば早いわよ。私と手を繋いでみて。」
お、おう…。アヤが似た容姿をしているとは言え他人と手を繋ぐのは緊張する…。
「強制的に貴女の魔力を操作するわよ。」
そんなこと出来るの?お…?
「なんかむずむずというかぽかぽかして頭がじゅわーっとするかも。」
「これは貴女の体にある魔力に対して極めて簡単な治癒操作をしたの。どう?気持ちいいでしょ?」
うん、めちゃくちゃ気持ちいい
「すごい、これどうやるの?」
「人によって魔導率ってものがあって、魔力をいかに早く伝導させられるかって基準値があって大体の人はステータスを使わないと10年くらいかかるかな…?でも貴女や私は魔導率が桁違いだからちょっとコツを覚えればすぐに出来るわよ。」
やっぱ私すごいんじゃん?
それからアヤからのレクチャーでなんとか自分でもムズムズするような感覚は覚えたので目的地につくまではそれをマスターしてみようと思う。
数十分でここまで出来るのって、私やっぱすごいんじゃん?
「まあそれはそうね、貴女は特殊なの。まあ、そのうちアーニアと合流できたら説明するわ。」
そういえばアーニアって多分私の体に入っているのよね。私の体――生きてるよね...?
アヤにも聞いたけど私とアーニアは体と魂核が同じである故に精神体だけ入れ替えられたことが考えられるらしい。
理論的にも可能だけどそれはアーニアと私だからこそできる話で、例えば私とアヤは体や魂核が似てはいるもののそれは出来ないらしい。
逆に考えるとアーニアと私は同一人物であるの証明ともなってしまう。
まあ、でもそれで助かったのは事実。
あったらまず謝ろう。
今は魔力操作を覚えなきゃね
これも誠意になるはずだ?
「それはそうと綾子、ミルクレープ以外にも本当は美味しいもの作れるんじゃないの?」
う、勘のいい子は嫌いだよ!
本当に甘いもの好きだねこの子。
太るよ?
「綾子様、もし他にもケーキのレシピがあれば私からも是非お願いします。沢山レシピあることでアヤ様も大人しくなりますので。」
うー、ツムギちゃんにそう言われるとなあ。うーんいろいろあるんだけどね。どうすっかなあ。
「チョコがあればなあ〜」
「チョコっていった!?」
あれ?食いついた?この世界にあるの?ないのかな?
一応説明しとこ
「黒くて甘くも程よい苦みがあって、心が落ち着くものだよ。」
チョコレートは本当に心が和むよね。
冷蔵庫や調味料保管棚を物色する。
お?これは?黒いような白いような粉末があった。
「これはココアですね。」
「ツ、ツムギちゃん!?カカオがあるの?」
「はい、ここにはありませんがカカオは市場にたまに入ってきますね。ココアはそれを原料とした飲みもの元になりますね。最近は仕入れていないみたいですから見かけませんでしたけど。」
やったー!ってことはチョコレート作れるじゃん?私カカオから作れるよ!でも、ないのか。
まあチョコレートを作れるという事実だけで私はこの世界に希望を見いだせることができる。
今はチョコは無理としてもココアの粉末があればなにか作れるかな?
「では、今からクリームたっぷり大人の味、ティラミスを作ります。」
大人ではないのでわからないけど多分あれは大人の味だ。
カステラは強力粉と卵と砂糖かみりん、オーブンがあれば簡単につくれるしね。
まずは生地をクッキングシートを敷いて入れ物に流し込んでオーブンで180℃くらいで焼いておく。
で、生クリームを泡立てる。
まあどちらかというとホイップだけどね。
「まだ?ねえ綾子、あとどのぐらいで食べれる?」
近いしうっとおしい、邪魔……
「ほら、生クリームだよ。これ舐めて待っててね。」
「わー、綾子!ありがとう!」
よしこれで大人しくなった。
生クリームは八分立てくらいになったかな?カステラも焼けたので取り出し少し休める。
沢山焼いたし、少しだけ切って味見してみるか。
熱々のカステラもなかなか美味しいんだよね。
あ、生クリーム乗せてみるかあ。
あーおいしそう~パク。んーおいしー!!あ、ツムギちゃんもどうぞ。
「これは美味しいですね。みりんをケーキに使えるんですね。初めてしりました。」
「この生地やいただけのカステラだけでも全然美味しいからおすすめだよ。」
「さらにここからケーキにするんですね!一気に沢山のレシピを知ったみたいでお得ですね!」
っと後ろから気配が…――わかってるよ。
今にも泣きそうだ。
「アヤもほら、味見してね。」
アヤはぱーっと笑顔で飛びついた。
流石はミルキーロード(笑)を統治しているだけはある。
甘味が大好きなんだな。
「なにこれ!生地がいつものケーキと違う!カステラ!?すごい美味ひい!」
「まあそれ食べてて、ティラミスは少しカステラ生地冷やして休めないとね。」
生クリームの油脂が分離しちゃうからね。でも久々に作ったけどカステラ美味いな。これは手が進む。あーうまい。
あー、ティラミスは明日にするか。
「ごめん、ティラミスは生地冷やさないといけないし明日ね。今日はカステラに生クリーム軽く添えてこれで食べよう。」
「うん!いいよ!これおいしい!」
「では紅茶を用意しますね。」
とまあ、今日はカステラと紅茶を楽しみながらも魔力操作の練習をしていたんだけどツムギちゃんの表情が少し変わり始めた。
どうしたの?
「綾子様、私の姉妹から連絡がありまして概ねのことは把握しましたがアーニア様は意識を取り戻し無事だそうです。レイ様共に待っているとのことでした。」
よ、よかったー。
私の体無事でよかったー。
ごめんねアーニア、私、貴女の体で少しちびっちゃったよ。
ちゃんと洗ったから。
というかツムギちゃん姉妹いるのね。
みんな亜神なの?いわゆるデミゴッド?
「え?あ、あと、レイ様も二人?」
レイちゃんが二人?
まあ私も2人いるんだからレイちゃんも2人いるんだろうね。
私はもう驚かない。
「月詠令ねー、ってことはレイちゃん片方の精神体が目覚めたのねきっと。レイラインシステムも稼働しているし。」
もう驚かないぞ。
片方って?って考えてたらまたドラゴンがあらわれた。
「ど、どどどどドラゴンだ」
やっぱり怖いよ。
『姉さん?やっぱり姉さんだよね?』
飛空艇の窓からそれは覗いていた。
飛空艇の50倍ほどはある漆黒の体躯は羽ばたきこちらを見ていた。
ちなみにマクロの宙を飛びそうなクォーター級の大きさだよ!
怖い〜
ん?姉さん?って言った?
『ちょっとまって、いまからそっち行くね。ってアヤちゃんどこか開けて〜』
「やっぱりリナか〜、ツムギちゃん開けられる?」
「はい、大丈夫です。」
アヤの知り合いかな?ってことはアーニアの妹ってところかな?
びっくりさせやがって…――ちびりそうだったじゃんか!
――ちびってないもん!!
ドラゴンのリナは飛空艇の後ろに回り込む。
入れるの?どうすんの?
しばし待ってるとドラゴンは現れず女の子達が4人来た。
あれ?レイちゃん?
「綾子〜!久しぶり〜!会いたかったぞー!」
レイちゃんに抱き付かれた。スンスン、いい匂い。
「レイちゃん?エレナやセレナは?」
「え?結社本部にいるんじゃないかな?私も実際に会ってみたいなあ〜。んー綾子ー、約3000年ぶりだね!ってルーンとしてたくさん話はしてたけどね!……て、あれ?綾子、私のこと覚えてるの?」
「3000年?私とレイちゃん離れてからそんな経ってないよ?」
話が噛み合っていないぞ?
「月詠令、いやレイちゃん、その子はアーニアではない綾子よ?」
「アヤだ!久しぶりだね!アーニアもなにも私は綾子ってしか呼んだこと、あ、もしかして?」
「そのもしかしてよ。」
「若い綾子?」
「うん17歳だよ……身体はアーニアのだけど…」
「ん?17?16じゃなくて?まあ、お兄ちゃんとそんな話はしてたけどやっぱりか〜、ってことは若い私もいるなこりゃ。」
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「つまり、貴女は私の知ってるレイちゃんじゃなくアーニアの方の私と一緒にいたレイちゃんってことね?」
「そうだよー、でもまあ私は中身が半分かな?」
「半分?」
「まあ半分は精神体だけでレイラインシステムで擬似女神やってるよー。きっとお兄ちゃんをストーキングしてるよ。ハハハハハハ!」
お兄ちゃんが誰かわからないけどレイちゃんみたいな可愛い子にならストーキングならされてもいいなって私は思う。
しかしこのレイちゃん、私が知るレイちゃんより明るいな。
なんというか容赦がない感じ?
「じゃあ、私が知ってる綾子は17歳の綾子と入れ替わってるってことね?私も入れ替わってみたいな。」
私が2人いるんじゃレイちゃんも2人いるよね。
そもそもなんで2人いるの?
アーニアや私の知るレイちゃんは今、結社本部いる。
A-87地区エイバナの村ではなくそこへ航路も換えていま向かっている。
そこへ行けば同じ人間が二組もいることになるね。
で、他の3人は?
リナって子が飛びぬけて強そうな感じを出していてとにかくかわいい。
さっきのドラゴンが彼女らしい。
ドラゴン?ってことはノアの親戚とかかな?
「よろしく若い方の姉さん」
シロ、銀髪でいかにもどこかのご令嬢、な見た目なんだけど喋り方が武人で古風。
「アーニア様、いつか我と模擬戦をしてほしいのだ。」
あとはアンネリーゼちゃん。
とにかくもごもごしてなにを言っているのかわからないけど私的にはものすごく好感をもてる。
「あの、その、こんど、いやなんでも、ないです」
こんど?
「ところでさアヤ3000年もみないうちに太ったね~。これからお兄ちゃんに会いにいくのに大丈夫?」
こっちのレイちゃんが容赦なくぶっこんだ。
うん、顔がふっくらしたと思う。
「やっぱり?」
こっちをみるな!泣くな!
「そりゃ毎日ケーキバクバクあんだけ食べるんだもの」
固まってしまった。
「お兄ちゃんさっきまで一緒にいたけど寄るところあるとかで別行動なっちゃったけどさ、よかったねー。」
「アヤさー、これから少しケーキやお菓子の量減らすか痩せるまでケーキやめよっか?お兄ちゃんって人が誰か私にはわからないけどさ、太った顔見られたくないんでしょ?」
アヤがわなわな震えだした。
絶望と葛藤が交互に表情に現れしまいには唸りだした。
いや、気持ちは全てわかってあげられないけどそこまで?
少しの間を置いた後、
「綾子、決めた!私、ダイエットする!お菓子も向こうに着くまで食べない!」
「そっかーわかったー。がんばってね!でも私今日みんなにクレープとか作るよー。」
ほら、親睦も兼ねてさ。それをアヤの里で学んだんだから。
アヤには悪いけどさ。
「うぅぅぅ、もう!運動するわよ!だからクレープは食べる!でもそれ以上に運動するわ!」
意志が弱い。
「貴女にとってお兄ちゃんはその程度だったの?アヤ!」
レイちゃんが煽る。
「痩せれば!いいの!絶対痩せるからクレープは食べるの!」
そっか、この子そこまでクレープ好きなんだ……――でもなんというかね、まあ好きにしなよ…。
というかこの人達って結構長生きして見聞広めたりしているんじゃないの?
――というわけでクレープをみんなに作ったけどやっぱり大好評にしかならない。
そんなにこの世界は甘味が少ないの?
「綾子さー、お兄ちゃんに会ってみたい?」
「お兄ちゃんって人はなんかモテモテの人ってイメージだなあ。」
チャラそうな感じはしなさそうだけど競争率激しそうだね~。私には関係ないけど。
「まあモテモテだよねお兄ちゃん。」
「うん、あの人はモテモテね。痩せなきゃー!」
「でも兄さんは8000年の間に誰とも関係はもってないでしょ?」
「姉さんとは戸籍上は一緒になって苗字も一緒だけどそれはまた大昔に長生きを隠す為になんか色々した名残でしょ?確か。姉さんと兄さん8000年も一緒にいるのにどうしてあのままなんだろうね。」
レイちゃんがちょっと面白くなさそうな顔をした。
って、え!?アーニア戸籍上は結婚してるの?
「へーふーん、アーニアいや、"こっちの私"が興味を持って好いているなら気にならなくはないかもねー」
ほんの少しだけね。
「綾子会ったら絶対に飛びつくと思うよー。ま、会うまでのお楽しみにね!」
いやいや、絶対ないから。確かにお兄ちゃんがどんななのかは気になるけど、私は…。
とまあこんな感じで1週間ほどお菓子やケーキを食べたり、レイちゃんに魔科学の事や魔導の操作を教えてもらうなどして過ごしていた。
そしてアヤもなんとお菓子は食べながらもダイエットに成功していた。
乙女の底力を垣間見た。
というかみんなお兄ちゃんって人を好きなのに数千年単位でなんにもないんでしょ?お兄ちゃんって人割とひどくない?
クズなのでは?
そう考えたらイラっとしたこともあったのだけどまあ所詮は他人の恋路だ。
そんなことを考えているうちに結社本部へ到着した。
ずっと思ってたけど結社ってなんだ
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