第11話 我が家のカレー
カレーは、ラーメンと並ぶ国民食だ。
本格的なカレーから変わり種まで、いろいろなカレーを提供する店があちこちにあるだけでなく、家庭でも作られている。そして、家庭毎にいろいろな味付けだったり、隠し味があったりする。戦後になって、固形のカレールゥが登場したことが大きいよね。
ご多分に漏れず、我が家でもカレーは頻繁に作っていた。妻の小麦アレルギーが判明する前までは。
残念なことに、市販のカレールゥには小麦が使われているのだ。だから、カレーを作りたくなったら、小麦粉を使っていない米粉のカレーにするか、本格的なスパイスカレーの店に行くしかなかった。なので、カレーを作る頻度はぐっと下がってしまった。
それでも「カレーが食べたい」ってキモチ、ときおりムクムクと湧き上がってくるわけで。私ひとりなら、外食って手もあるけれど。
「ズルい」
「そうですね(棒)」
なんてことになる。さて、どうしたものかと思っていたら、小麦を使っていないカレールゥが販売されたのだった。S&Bの本挽きカレー。ひと箱に三袋入っていて、一袋二人前。夫婦にちょうどいい! まさに、我が家の救世主(大げさ)。
このカレー、鍋じゃなくてフライパンで作る点もよい。まず、タマネギ一個をみじん切りにして炒める。薄切りだとタマネギが白から透明になることで、火が通ったと分かるけれど、みじん切りだとわかりにくい。なので、焦げないように茶色くなるまで炒めることにしている。
タマネギの次は肉だ。牛、豚、鶏といろいろな肉を試してみたけれど、一番良かったのは挽肉だった。今日は、牛豚粗挽き挽肉を使って見る。ちなみに次点は、湯通しした豚コマ肉だ。豚しゃぶした肉をのっけたら、これが結構良かったのだ。
タマネギをフライパンの隅に寄せ、挽肉を投入する。本当は、一旦タマネギを皿に避けておく方がいいんだけれど、洗い物が増えるからねぇ。肉が赤いうちは、できるだけタマネギに触れないようにしてっと。
肉に火が通ったら、ここで野菜を入れる。ナスとかズッキーニとか……でも、今日はマッシュルームだけにしておこう。ぜんぶの具材に火が通ったら、一旦火を止めて水を三百cc入れる。これ、パッケージに書いてある分量なんだけど、できあがりは結構シャバシャバになる。私は好きなんだけど、妻はもっと水分が少ない方が好み。ただ、このカレーで妻好みの欧風カレーみたいな感じは難しいので、今後の課題だな。
水を入れたら、ルゥを入れてよくかき混ぜる。混ざったところで、再び火を付ける。中火でとろとろ、ゆっくりとかき混ぜる。焦がさないように。しばらくするととろみが出てくるから不思議。
とろみが出てくれば、ほぼ完成。隠し味で味を調えよう。米粉カレーの時には定番だったクミンシードは不評だったので入れていない。同じく、チャツネの代わりに入れていたマンゴージャムもナシだ。その代わり、マーマレードを一さじとケチャップ、中濃ソース、そしてチョコレートを入れる。
最後に、小さく切ってレンチンしたジャガイモを加えて、少し混ぜたら完成だ。炊きたてのご飯に掛けてできあがり。
福神漬けと一緒に、食卓へ並べる。
「やったー! カレーだー」
「今日は、金曜日だからねぇ」
そう、最近の我が家では、金曜日の夕食はこのカレーにしている。調理も後片付けも簡単だから、というのは妻には内緒だ。
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