Akashic Records - 02

通信記録 - 01

【位置指定:MjEwMzA2MTEwMjMy】

「――――やっと繋がった!? そっちは大丈夫か!」

「悪い。通信できる状況じゃなかった。とりあえず追手のアンドロイド野郎は撒いた。流石に天使の発生区域までは来なかったらしい。」

「そうか……、ならひとまず安心だな。対象は確保したか。」

「あぁ。そこは抜かりない。後はこの地獄から脱出するだけだ。」


(浅い溜息。)


「……了解。晃、脱出経路の指示を頼む。」

「少し待ってください。今情報系統が完全にシャットダウンしているので、計算に時間が掛ります。」

「分かった。とりあえず西に向かって歩いてみるが良いな。」

「良いでしょう。とりあえず天使の接近に気を付けて第四区域の近辺まで来ていただければ助かります。」


(通信の混線。)

(僅かなノイズ。)


「ブラザー? 一人で動いても大丈夫なの?」

「大丈夫だよ。天使が近付いてきたら逃げるさ。」

「でも……、どこか安全な所に隠れてた方がいいんじゃない?」

「んなこと言ったって、ここに安全な場所なんて無いだろ。なら少しでも近付いた方がましだ。」

「それはそうかもしれないけど――――」


(大きなノイズ。)


「何だ――⁉」

「応答しろ、響‼」

「こっちは大丈夫だ。何があった?」

「分かりません。ただ――、に電波状況――、してます。もし――――」

「おい、どうした晃――――、って切れたか。こりゃ、早く離れたほうが良いな……⁉」


(爆発音。)

(コンクリートに何かが叩きつけられる音。)


「何なんだ――――」


(足音。)

(息を呑む音。)


「……これは、人か? 何でこんなとこに。いや、それより――――⁉」


(金属を擦り合わせたような不快音。)

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