第10話 心の支えに

ある日の事。



「あっ!あった!」




私は書店に行き、和英辞書を手に取り購入した。



そして私は、ひとつのメッセージを書いた。




『Don't forget me』





数日後。



「ふうが、散歩行くよ!」

「ワウワウ」



私はふうがを連れていつもと変わらない散歩コースを散歩する。




それから一ヶ月が過ぎ、私は気付けば尋斗への想いが強くなっていた。




ある日の学校帰り。




「あっ!尋……」




声をかけようとした時、尋斗が女子生徒といる所を目撃してしまい私の胸がズキンと痛んだ。




「何、話しているんだろう?」






「悪い……俺…君とは付き合えない…」

「…そうか…」



女の子は去って行き、私は迷ったあげく歩み寄り声をかけた。




「ひーろーとー」


「うわっ!」



振り返る尋斗。



「お前なぁ~」

「ねえねえ、今の子、美人じゃん!告白したの?それともされた?」

「さあな」

「さあなって……聞いてるのに、それあり?」

「あり!」



「………………」



「じゃあ良いや!」


「えっ?」


「帰ろっと!」


「あっ!おいっ!志須霞?」



私は帰り始める。



「志須霞ちゃ~ん」



私達は話題を変え、一緒に帰る事にした。





それから更に一ヶ月が過ぎたある日の事。


私は尋斗の部屋に行く。




「尋斗ーー、入るよ」

「どうぞ」

「ねえ、尋斗、彼女つくらないの?」

「えっ?」

「前の彼女の事……心残り?」


「……それは……」


「心残りなんだ。思い出と一緒に一生生きていくの?」



「………………」



「……ごめん…意地悪な事…言って…思い出は生きている以上、付きものだよね?良いも悪いも…逝った人達は……みーんな思い出だけを残していなくなるから…部屋…戻るね……」



「……志須霞、思い出は思い出に過ぎねーよ。思い出だけて生きていけると思うか?」



私は振り返り、尋斗と視線がぶつかる。



「……尋斗……」



私は尋斗に歩み寄り、隣に腰をおろす。



「でも……次の恋に出逢うまでは思い出と生きるしかないんだ」


「……今度は……私が尋斗の傍にいてあげる……。どんな時でも……私が…尋斗の力になってあげるから……」



「……志須霞……」


「私は……しばらく恋愛出来そうにないし……好きな人が出来れば話は別だけど……」




尋斗が気になるけど、嘘をつく。




グイッと抱き寄せる尋斗。



ドキン



「サンキュー……」







好きな人の力になること


支えになること



それも……



ひとつの……



愛だよね……





ねえ尋斗…



2番目でも良いから



私の事



いつか好きになってくれる……?





「…志須霞…」

「…何?」

「自分の気持ち…素直になって良いから」

「えっ?」




抱きしめた体を離す尋斗。




「無理しなくても良いから」

「…尋斗…?」

「俺達の想いが1つになる時、必ずあるから。いつか…必ず…」

「…そう…だと…良いね?」




私達は再び抱きしめあった。


















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