第3話 瓶の中のメッセージ
「志須霞、ちょっと良いか?」
「どうぞ」
カチャ
部屋のドアが開き部屋に入って来る尋斗。
「何?恋の悩み相談?」
「いや、そうじゃなくて」
「じゃあ何?」
「お前って昔からそんな性格?」
「えっ?」
「いや…見た目こう大人しく真面目そうな感じじゃん?そうしたらサバサバしてる感じでハッキリと言う感じ?」
「だから最初に言ったじゃん!」
「いやいや、それにしても変わり過ぎだから」
「変わり過ぎは言い過ぎじゃない?」
「そんぐらいの変わりようだから」
「失礼な奴」
クスクス笑う尋斗。
そして、ふと何かに気付き歩み寄る尋斗。
「なあ…これ…」
「えっ?何?」
尋斗に視線を向けるとメッセージ入の瓶を手に持っている尋斗の姿。
「あーそれ、ふうがが拾って来たの。あっ!そうだ!尋斗、翻訳して。所々消えてるんだけど読めなくないと思うんだけど、和加菜、あっ!私の親友の子からは分からないって言われちゃって…私よりは出来る子なんだけど……」
「それは間違いなくお前よりは出来るだろう?」
「そうなんだよね~。ねえ、そんな事より翻訳して」
尋斗は瓶の中から取り出した。
「…I'll never…forget you. I LOVE YOU…」
ドキン
私の胸が静かにゆっくりと跳ねた。
「…君の事は忘れない……愛してる…」
ドキン
胸が大きく跳ね涙がこぼれそうになった。
「これ位、辞書で……」
尋斗は振り返り言葉を詰まらせた。
「…志須霞…?」
「…ご…ごめん…す、凄いね…?同じ意味なのに英語だとまた違う感じに聞こえる…所々、消えているのに良く分かったね」
「何となくだし」
「何となくでも凄いよ。切ない感じだよね…愛し合ってたのかな?」
「知るかよ!」
瓶のメッセージをしまい元の位置に戻した。
「まあお前には無理な話だろうな?」
「えっ?」
「語学力ねーし!会話続かねーだろうな」
「酷っ!」
「じゃあお前は会話する自信あんのかよ!」
「む、無理!だけど、国際結婚しないなら問題ないじゃん!」
私達は騒ぐのだった。
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