2 高3の春、真莉愛の事件をきっかけに5人が生徒会に集う

 1週間後、5人は頭を突き合わせて、高梨華を陥れる計画を練っていた。芹菜の調べた話所では、気に入らない子への嫌がらせや恐喝まがいの事は日常であるらしい。だが、その尻尾をつかむのは難しく、もっと身近な悪さを訴えようという事になった。それが、校内での喫煙の現場を押さえるというもので、喫煙場所は体育館裏の元焼却炉の辺りだと、櫻子の聞き込みで特定された。

 杏は信頼している生徒会の顧問に事情を話し、サッカー部の先生に伝えてもらった。先生は職員室で待機していて、連絡が入った所で現場を押さえるという事になった。サッカー部としても、不祥事は見逃せないという事らしい。

放課後の部活動が終わる時間に、芹菜と櫻子が焼却炉跡を張り込んでいた。真莉愛からそっちに向かったという連絡を受け、緊張して待ち構えた。そして、職員室に待機している杏と花純にも連絡を入れた。しばらくして現れたのは、高梨華とサッカー部の1年男子の4人だった。逃げられたら阻止しようと身構えていたが、煙草に火を点けた所に、生徒指導部を含めて3人の先生が駆け付けた。

 生徒4人は連れて行かれ、後日自宅謹慎となった。サッカー部はしばらくの間活動禁止となり、華を含めて4人の1年生は退部した。真莉愛は顧問から事情を聴かれ、部に戻るように言われたが断っていた。そうして、真莉愛は生徒会の活動に参加し、芹菜も部活のかたわら参加する事になった。

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