3 櫻子達4人は、颯翔らの企みから芹菜を救い出す
芹菜は、櫻子の親身の忠告に心が動いていた。中学の時に颯翔に身体を奪われ、嫌な思いをして別れた事も思い出していた。蓮司と別れようと決心して、会いに出掛けていた。ところが、蓮司はそれを受け入れず、芹菜がトイレに立った隙にスマホを取り上げた。
「スマホを返して欲しかったら、約束通りに明日、俺の家に来いよ!」
夜遅くなって帰ったが、母親は飲み会があるからと留守だった。誰にも相談できず、明日の事を不安に思いながら眠りに就いた。
櫻子たち4人は、自分たちには何もできない事にいら立ちながら、ファミレスに集まっていた。芹菜から電話があったのは、1時間後の事だった。皆が心配しているから直ぐに来るようにと伝えた。
「皆、ごめんなさい!私の事で心配掛けて。」
芹菜はうなだれて、元気なく謝り、そして経緯を説明した。
スマホを取られて、誰にも連絡ができなかった事、蓮司に連れられて家に行った事を話し出すと、芹菜は泣き出していた。4人は彼女を慰めて、続きを聞いた。
彼の部屋には他に3人の男子がいて、その中に颯翔がいて驚いた。
「芹菜、久し振り」と言われ、怖くなって帰ろうとすると抑え付けられた。必死になって暴れたが、口を塞がれ手足を拘束された。もう駄目だとあきらめ掛けた所に、男の人3人が入って来て助けてくれた。それで、スマホを取り返して、家を飛び出した。という事だった。
「櫻子の言う通りだった。私は学習しないね。皆にも助けられた。もう男はうんざり。こんな私でも、まだ友だちでいいのかな?」
4人は大きくうなずいていた。この事件で、5人の結束も深まった。
後日芹菜に乱暴しようとした4人は、退学処分を受けた。花純の父の勧めで警察に訴えたが、未成年であり、未遂という事で彼らは処分保留となった。広岡琢海は現場にいなかったという事で、おとがめはなかった。
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