第2話
やはり、私は深く悩んでいるのだな。彼女の言葉で、自分が大きく悩んでいることに気が付いた。自分の事は、自分よりも彼女のほうがわかっているのではないだろうか。
「君は亭主関白という言葉を知っているか」
「えぇ、知っていますよ」
「……どうおもうか?」
「亭主関白についてですか?」
「あぁ、そうだ。ストレートでいい、正直に言ってほしい」
彼女は私よりも二世代くらい下だ。私よりもずっと若い。だからこそ、彼女の意見を聞いてみたいのだ。
「そうですね……私は優しさも仕事の腕もないのに、部下に仕事を押し付ける職場の偉い人を想像します」
「パワハラか?」
「はい、私はですが……」
「そうか」
「私は亭主関白の世界を経験したことがございませんので……」
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