第1章 コウスケの話

第6話 死んだあの日を振り返る

 紹介が遅れたけど俺はコウスケだ。

地獄でも天国でも死んだときの年齢のままずっと過ごすことになるので、今も昔も35。

ちなみに撮影役を任せたアキラは23。俺が言えた口ではないが、若くして死ぬなんて一番悲しい話じゃないかな。それと、PV撮影のときに「痛みが長引く死に方をした」とか言ってたけど、あれ嘘だからね?

 恥ずかしい話、実家暮らしだった俺はその日もまた日雇いで、工事現場に向かっていた。7月の炎天下の中、無理はしないようにしようとは思っていたけど、やっぱり夏の暑さは強烈なものだね。工具を持ったまま、土の地面に倒れちゃった。…これで終わりじゃないよ?熱中症で倒れて視界がボヤけていると

顔の真上で、ロープに繋がれた赤い鉄柱が揺らめいているのが見えた。その鉄柱の赤さたるや、まるで俺がのちに流す血を暗示しているかのように…かっこつけすぎかな?

痛いかどうかはよく分からなかったが、落ちてきた鉄柱で俺の顔面が潰されたらしい。即死だったそうだ。死に方が俺にとっては不様だったんだ。せめて死に方を語るときくらいは「鉄柱の暗示」がどうとか言いたいわな?

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笑顔の絶えない地獄です ヒナタジャンクション @Hinata-Junction

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