第5話
「ノブちゃん……またお願い出来るかい?」
探偵の富田林がまた声を掛けてくる……。
俺がウンとも言わないのに続けて話し始める。 きっと俺は断らないと思っているのだろう。
っていうか……人手不足?
また大悪党に違いなかった。
「………という訳で、宜しく頼む、詳細は携帯に送っておいたから…。」
俺は無言で頷く……。 ライフルを入れたギターケースを肩に担いで 探偵事務所を後にする。
少し驚いたのは…… ターゲットが豪華客船に乗っていて…… クルーズ船から それを狙うというものだった。
お互いの船が波によって揺れる……。
「距離は300メートルまで近づく事が出来る」と、 手引きしてくれるクルーズ船の船長は言う。 俺は銃座を使用する……。
スナイパーの必須アイテムだ。
この仕事の為に特別な大型スコープと ヒットさせる為のお互いの位置関係を 瞬時に計算するコンピュータシステムを使用する。
勘に頼る一昔前のスナイパーとは大きく様変わりしている。
システムに引き金を任せれば良い……。
罪悪感ともオサラバだ。
目を積むっていても当たる……とはこの事だな。 スコープでヒットした処までは確認した!
致命傷を与えられたかどうかは判らないが、 連射で5~6発は撃ち込んだからダメージは十分だろう。
俺が船長に合図するとクルーザーが進行方向を徐々に変えてスピードを上げて行った。
また富田林が用意したホテルに滞在する。
ベッドに寝転んでいると…携帯に
『連続成功おめでとう。 ターゲットは依頼主の願い通りになった。 ボーナスも入れとくな。』 と入ってきた。
ふと…… 《こんな中学生…居ないよな》と思った。
………… 完結 …………
イジメは死刑! 俺は殺し屋だからな! 遠野 彬 @miyakeakio5
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