第3話

「俺は増原信夫、武蔵野中学の1年です。 探偵さんのお名前は……?」


「ああ……富田林(とんだばやし)弘太郎……29才、 探偵だ☆ 

それで、作戦だが……増原くんの話から、 その不良グループのリーダーを二度と立ち直れないように半殺しにする為には…… ボコボコにして裸にして全校生徒の前に晒し者にするっていうのは…どうだ?」


「仮にも一人の少女が大勢の前で辱しめられて、強姦されたんですよ。 しかも俺と結ばれる筈の彼女を……!」


「そうかあ……そうだよな……。本来なら死刑に相当する……。っていうか、それ自体性犯罪だよな。それだけでも訴えられる……。」


「はい……ですが、彼女の気持ちを考えると……

本人が訴えを起こすと決めてかからないと、取り調べも、裁判も出来ないですし…… 不良グループが弁護士を立てて、同意の上だの御託を並べ出すと、彼女の精神的負担は計り知れません。」


「やっぱり一思いに殺してやったほうが……?」


「はい、彼女の事を思えば、本当に殺してやりたいです。」


「そこを半殺しで済ませると言うんだから…… どうしたものだろう……。」


「先ずは自分の犯した罪の重さを思い知るべきですね……それから社会的制裁……経済的な制裁……

親にも知って貰わないといけないし……

彼女が犯されて味わった以上の内外の痛みを味わって貰わないと……。」


「殺したほうが早くねえ……?」


「確かに……。」


増原信夫と富田林弘太郎(本名かどうか不明だが)は夜遅くまで、不良グループのリーダー : 阿久野夏霧(あくの かぎり)を潰す計画を立てていった。


………………………………


探偵の富田林弘太郎と増原信夫の打ち合わせた内容は……以下のとおりだ。


警官に扮した富田林が不良リーダー : 阿久野の家へ行き、任意同行を求める。 かけられた罪状は少年への傷害罪及び少女への強姦罪。


両親にもちゃんと説明し、阿久野夏霧本人に誘導尋問して、両親の前で全ての罪を認めさせる。


証拠となる映像(人のネットワークと技術を駆使して制作)およびグループのメンバーを同行させて証言をさせる。


先方の少女は訴えると言っているとして、その場合は裁判例で4~5年の実刑!(年少者の場合は少年院)と伝える。


数限りないイジメ暴力そして恋人をレイプされたショックによって精神障害を負った増原信夫 本人の証言。


それで無くても短気な阿久野の父親に対して、少女と増原の両親から3000万の慰謝料の請求を裁判所に申し立てている事を伝える。


これで頭に血が上っている阿久野の父親から半殺しにされる事は間違いない!


学校に対しては静香とは言わずに阿久野が、ある少女を面前でレイプした事を暴露! そこでも不良メンバーに証言をさせる。(静香の名を伏せて) 学校のホームページにもレイプ事件の事を記載して本人の謝罪文を掲載する。


以上の事を前日に全て準備して、富田林の友達の本物の警官にも、当日同行してもらうようにする。

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