第2話 新潟弁で昔話「桃太郎」を語ってみた !
昔々、あるどこへじさとばさがいたが~てや。
じさは山へ芝刈りに、ばさは川に洗濯しに行ってたが~てや。
あるどき、ばさが洗濯してたれや川ん上からでっこい桃がどんぷらっかどんぷらっかと流れて来たがど。
「あきゃ!こればっかしゃ !! …でっこい桃だねっか、おらちん持って帰ってじさと食わねばなんねぇて ! 」
ばさはそう言うて桃を家さ持って帰ったがど。
ほうして山からじさが戻って来たすけ、ばさが桃を割ってみたれや、中から男っ子が出て来たが~と。
「あきゃ、おごっだんや!桃からや~こが生まれたんや !! 」
桃から生まれたんだん、「桃太郎」と名前を付けて、それからじさばさ二人でその子を育てたがどや。
桃太郎はすくすくでっこなって、少年になったどき、じさばさに言うたがど。
「佐渡ヶ島に鬼が居て、なじだかわせらかいておごとのんが~と ! …だ~すけ俺がくらすけてくるんや !! 」
じさばさは桃太郎が突然そっげんこと言うんだんたまげたども、へえこの子もそっげ年になったが~なと思って、行かせることにしたが~て。
「おぉ、ごーぎどごーぎど!…ほうせや気ぃ付けて行くが~ぞ、途中腹へったれやおごとのんだん、笹団子持っていけんや ! 」
…そういがで桃太郎はばさからもらった笹団子を腰にぶら下げて佐渡ヶ島に向かったが~さ。
そうしたれや途中で犬が来てそ~、
「んなや~、何だかうまげんが持ってるねっか ! 」
そう言うすけ桃太郎は、
「俺は佐渡ヶ島に鬼退治に行くがどや!…んなも来るけや笹団子くっざ」
と誘ったれや、犬も供することになったが~さ。
「笹団子くっずならオレも供するて~!」
したれやそれを見てキジと猿も笹団子もろうて桃太郎に付いて行くことになったが。
…そういがで桃太郎一行が佐渡ヶ島に渡ったれや、鬼どもは盗んだ財宝の前で酒盛りして騒いでたてや。
「なら、やぶちでわせらかいて騒いでるんだねんや!ほんににくげんなりで悪い鬼だねっか!俺がくらすけてくっざ」
桃太郎が言うたれや鬼も怒って、
「何でい、んなや~!金目んもん置いて帰れて~、しゃぐぞ!」
とあたけて戦いが始まったが~さ。
ほうして桃太郎の剣と供の活躍で鬼を退治して、一行は財宝をもろうて家に帰ったが~さ。
犬も猿もキジもじさばさもほんに喜んだてがどや。
鬼退治した桃太郎はその後、出世して侍になってそ~、数が百まで数えらっずようになったれや、こっだ悪代官退治するようんなったがど。
み~つ数える間に百人の敵も斬る、おっかん侍になったてがで、じさばさに人気者んが~ぞばか。
そういがでめでたしめでたし!
終わりど。
新潟弁でどんなんかやってみた❗ 森緒 源 @mojikun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。新潟弁でどんなんかやってみた❗の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます