202012ジャパロボ 2

渋谷かな

第1話 ジャパロボ2

「なに!?」

 東京オリンピックの事前パレードは火の海に包まれた。


 ドカーン! バカーン! ズドーン!


「キャアアアアアアー!?」

 逃げ惑う人々。パレード会場は連続する爆発の惨劇に見舞われた。

「なに!? いったい何が起きているの!?」

 まだ高校生の菜々子には何もできなかった。


「あ、あ、マイクのテスト中。」

 その時だった。爆破されたパレードに黒い4機のジャパロボが現れる。タイプ01の重機型の古いジャパロボだった。

「私の名前はローラ! ジャパカイダの隊長だ! テロリストである! 爆発は私たちの仕業だ!」

 テロリストのジャパカイダがテロ行為を行ったと宣言したのだった。

「テロリスト!? そんな!?」

 菜々子はパレードの妨害がテロリストと聞いてショックを受ける。

「既にパレードだけでなく、東京中で同時にテロ行為を行った。名付けて、オペレーション・コロナ!」

 東京同時多発テロであった。

「大変です!? 東京オリンピックの国立競技場が燃えています!?」

「湾岸のオリンピック競技場も全て爆破されています。」

「し、沈んでいます!? 勝どき、豊洲、お台場、有明、東雲の埋め立て地が全て海の中に沈んで行きます!?」

「レインボーブリッジが落ちています!? 破壊されています!?」

「東京スカイツリーが!? 東京タワーが!? 六本木ヒルズが、雷門が!? すべて爆破されています!?」

 臨時ニュースのオンパレードだった。

「何よこれ!? 東京壊滅じゃない!?」

「東京オリンピックの開催が無理じゃない!?」

 菜々子と愛は言葉を失った。


「もちろん、警察や自衛隊のジャパロボ基地も爆破済みだ。どこからも援軍は来ないぜ。各地でジャパカイダのジャパロボが動き出して破壊行動を始める。俺たちも、このパレード通りを無茶苦茶に破壊すればいいだけだ。いくぞ、野郎ども。」

「おお!」

 テロリストの黒いジャパロボたちが動き出した。

 ドカーン!

 次々とバズーカ砲でミサイルを打ち込んでいく。

 バキ!

 鉄の棒でビルを破壊していく。


「や、や、やめろー!」

 菜々子の怒りが頂点に達する。

「堪忍袋の緒が切れたぞ!」

「やめなよ!? 菜々子ちゃん!?」

 愛が止めるのも聞かないで、菜々子はテロリストの前に進んで出る。

「なんだ? まだ動けるジャパロボがあったのか?」

「パレード用の歩行タイプの様ですね。」

「武器も持たないで。おい、軽く遊んでやれ。ダレノガレ。」

「はい。」

 テロリストの黒いジャパカイダ仕様のジャパロボが菜々子に近づく。

「死ねー!」

 鉄の棒で菜々子のジャパロボを襲う。

「とう! 真剣白刃取り!」

 菜々子は鉄の棒を両掌で挟んで受け止めた。

「なに!?」

「そんなもので勝てると思うなよ!」

「ウワアアアアア!?」

 菜々子は相手の腹を蹴り飛ばす。完全にプログラムされた歩行以外の行動をしている。

 ドカーン!

 ジャパカイダのジャパロボをキックの1撃で1機撃破した。

「なに!?」

 テロリストたちは自分たちの目を疑った。

「伊達にジャパロボ教習所を卒業してないぜ! なめるなよ! テロリストども!」

 菜々子、テロリストに宣戦布告する。

 つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

202012ジャパロボ 2 渋谷かな @yahoogle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る