第4話

「農業に失敗した??!!俺が???!!」


 驚きを隠せない表情の綱編だった。当然である。彼は日本にいた頃様々なゲームのをプレイして魔王やら悪の皇帝などを倒して世界を救ったことがあるのだ。そんな自分がたかだか農業如きをしくじる事があってたまるものか。


『まぁ農業初心者にはよくある事じゃ。気にせずとも好いぞ。儂も小娘の頃はそうじゃったからのう。例えばじゃ』


 オコメヒメは綱編に光輝く一振りのクワを見せた。


『これは神技のクワ。邪悪な存在を肥料に変え、塩分のある土地を実り良き農地に変えてくれる農具じゃ』


「お約束のチートアイテムだな!くれよ!!」


 綱編は両手をオコメヒメの方に出した。


『儂はこれをお主に与えるつもりであったのじゃが。綱編。<その先に存在するであろう未来の秋で>お主は死んでおる』


「な、なに??!!」


『儂がお主にこれを授けたところで貴様が餓死する運命は変えられんということじゃ。そこでじゃ』


 オコメヒメはネットでアニメを視聴し始めた。ただしオープニングだけ。


『みずのほしに~~♪』


『これはZガンダムじゃ』


「なぜそんな古い物を?」


『ざ~ん~こ~く~な~♪』


『これはエヴァンゲリオンじゃな』


「たぶん世界一有名なアニソンだろこれ」


『いっしゅんがいちびょうがいとおしい~~♪』


『これがFGOじゃな』


「デリヘル偉人バトルだろ」


『もえあが~~るガレキのうえにうたっている~~♪』


「デルタのヒロインは三雲さんだろ?」


『まぁ公式も半分認めておるしな』


『ちゃらうあちゃうら~♪ちゃらうあ~♪』


「どうして悪役サイドの銀髪をメインにしなかったんだろうな?」


『素人目に失敗するブスを10突するゲーム造ってどうするつもりだったのじゃろうな?』


「お前一体何が言いたいんだ?」


『つまり、メインヒロインは必ずホムンクルスでなければならないということなのじゃっ!!!』


「な、なんだってーーーーーっっつ!!!!!!!!」


 発覚する衝撃の事実。


「確かにそうだ!全員メインヒロインはホムンクルス若しくはそれに準じた存在!しかしオコメヒメ!魔法少女まどか★マギカのヒロインはあくまで魔法少女!ホムンクルスではないぞ!!」


『ほむほむだからやっぱりホムンクルスなのじゃっ!!』


「そうかっ!やっぱりヒロインはホムンクルスだったのかああああああ!!!」


 綱編は説得されてしまった。


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