第四話
「外務省事務次官の漆川だな」
男が突然聞いてきた。
漆川は虚をつかれた。
漆川が男の方を向くと、男はいきなり
漆川の脇腹の辺りにスタンガン
を当ててきた。
「グッ」
漆川は呻き声を上げて、そのまま
気を失った。
気がつくと漆川は公園の中にいた。
縄で木に後ろ手に縛られていた。
首からは(売国奴)と書かれた
プレートをぶら下げられている。
(しまった)
漆川は心の中で大きく舌打ちした。
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