第二話

「まさか、知っているわけは」

漆川はクルマの後部座席💺💺で、

腕組みをして唸っていた。

「どうかされたんですか、事務次官」

運転手の加賀が聞いてきた。

「いや、何でもない」

漆川が平静を装った。

「トルネチアとの国交回復はうまく

行きそうですか」

加賀が心配そうな声を出した。

「うむ、どうにかな」

漆川が窓の外に目をやった。

トルネチアというのは近年、核保有国である

ことが判明した中東の産油国で日本🇯🇵や

近隣諸国との関係悪化が懸念されていた。

だが今の漆川にはトルネチアより今朝

送られてきたメール📧の方が遥かに

気になっていた。

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