画像流失～そのささやかな復讐～

エピローグ

【俳優なつお、行方不明！復帰計画白紙による逃避行か？！】

　三面のトップと扱いはあまり大きくなかった。

　僕とあきくんのパートナー宣言を一面に取り上げたゴシップ新聞のわりに。

　 一応微々たる責任感みたいなことをかんじているのかな？

「よかったじゃない？これで実はあの時ふゆやが暴露したなんて売り込む奴いなくなったんだから、でも意外、雲隠れしたまんま行方不明なんてね、時期見て暴露返し記者会見で復帰位やりそうな玉だと思っていたわ」

「そこまでは割りきれないです……なつお君は無事なんでしょうか？というか結局僕本人が暴露したって気づいてなかったみたいですけど、繋がってる女いすぎて」

「あら？そうなの？……まぁ、どうせなつおは事務所から逃げてもどっかの女のヒモにでもなってるんじゃないかしら？そんなこと気にしないで今日も仕事が詰まってるんだから、なつおのことなんか犬に噛まれたと思って、しっかり仕事してあきはる君と焼肉でも行ってきなさいよ。明日はオフなんだし～あきはる君も今日早上がりなんでしょ」

「はい、でもするとしたら家焼肉かな？あきくん、僕の出てるバラエティー一緒に見れるときはリアルタイムしたがるから」

「新婚はこれだから…ま、なんかちょっと結婚もいいのかな～なんてあんた達見てると思うのよね、あたしも婚活しようかしら、この歳じゃ遅いかな？」

「弱気なんてマネージャーらしくないですよ、東京ならいくつだってたくさんチャンスありますよ、それよりマネージャーは焦って変なのつかまないでくださいね！あと僕としては仕事の理解があることが一番ですね。マネージャーにやめられたら困るので」

「ま、そこははずせないわね、安心して、今更放り投げたりしないわよ」

　マネージャーとは共犯だこの先も僕が俳優ふゆやであり続けるための。

「さぁ、今日も演じきってきなさい！」

「はい」

スポットライトは僕のためにある、僕はいつだって『俳優』なのだから。