君想い
結月夜紫
プロローグ
ずっと好きだった男の子がいた
サラサラとした綺麗な黒髪の優しい男の子だった
私達はいつも一緒にいた
好きだと言い合っていた
大人になったら結婚しようだなんて子供らしい約束なんてしていたっけ
でも、私達は離れ離れになってしまった
父親の仕事で私が転校する事になったのだ
「本当は行きたくないよ……。ずっと直生君といたいよ…!」
そう言ってぐずる私を優しく抱きしめて彼はこう言う
「俺、藍莉ちゃんの事忘れない…!だから、だから藍莉ちゃんも俺の事忘れないで…」
瞳に涙を溜めながら彼は指切りした
「直生君…」
「約束だよ!俺、ずっと藍莉ちゃんの事好きで待ってるから…!」
彼の瞳に溜まっていた涙がこぼれ落ちる
その言葉と彼のその姿はきっとずっと忘れないだろう
10年が経ち、高校は彼と過ごしてきた街にある学校を選んだ
入学してまた君に会えたのに
私は君との約束をずっと守っていたのに
君は私を忘れてしまったんだね
それが悲しくて
辛くて
ねぇ、思い出して欲しいなんて我儘は言わないから
君への気持ちを忘れるまでは好きでいさせてください
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます