第8話


 私はやっとまた行きたい場所へと来ることが出来た。


 また友達に会うことが出来たのだ。友達は喜んでこう言った。


「元気だった!?また観戦できて嬉しい!」


 私に会えて、友達が喜んでくれることが嬉しかった。それだけで幸せになることが出来た。私の努力など、友達は知らなくとも、ただただ楽しいこの時間だけが私の人生の生きる意味になっていったのだ。


 話し方も関わり方も私は下手なのに、服装もメイクもしっかりしていないのに、それでも仲良くしてくれる仲間が次々に増えていった。


 気が付けば、沢山の人と野球を見ることが増えた。誰かとみる景色はなんでも眩しく美しかった。


 そして、心の鉛は溶けて私と協力し合うようになった。


 いろんな人を敵だと決めつけ、否定していた心の鉛は、柔らかく穏やかに変わったのだ。


 真実は、突き進まないとわからないのだ。


 鉛が決めつけていた人生を、私は自分で知りに行き、決めることが出来るようになったのだ。

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心の鉛 白咲夢彩 @mia_mia

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