第18話 秘密の納屋

ある時、美海と郁美がお姉さんの家に行くと、お姉さんは納屋の整理をしていた。

以前、郁美の先生が置いて行った荷物を納屋の入り口に運び、それの分類が完了したので適所に運んでいた。

荷物がとても重そうだったので二人は、手伝いを申し出でた。

納屋に入り二人はびっくりしたの。外から見えるよりも中がずっと広かったからだ。

平屋のにはずなのに、登り下りの階段があり、奥行きは荷物があって最後まで見えないが、体育館よりも広そうだった。


「いらっしゃい、新入りさん。」


二人がキョロキョロして辺りを見渡すが、誰も見当たらない。


「ここだよ、ここ。下を見ろ。」


下を見るとネズミが腕を組んで立っていた。


「おいらはここの倉庫番をして100年。お使えしている中では一番の古株。由緒正しいネズミだ。」


「こんにちは。」


二人がびっくりしながら挨拶をする。


「びっくりした?ここの倉庫番のイークさんよ。なんでも知っているから頼りにしてね。」


美海が郁美の顔を見ると、困った顔をしていた。郁美も美海と同じ気持ちだとわかってホッとした。


「ささ、じゃあさっそく荷物を運んでくれ。」


固まっている二人をよそに、イークが話を薦めた。


「まぁ、今回の荷物は全部安全なものだから、奥の棚の中でいいぜ。」


二人は言われるがまま、荷物を全て運んだ。

運び終わった後、郁美はイークに気になっていた事を聞いた。


「安全なものって事は危険なものも置いてあるの?」


イークは、少し考える素振りをした後、指を顎に当てて格好をつけて答えた。


「聞きたいか?実はな、個々にあるものはほとんどが使い方を間違えると危ない物ばかりなんだ。」


ネズミが格好をつけて話している姿を見て、美海はクスリと笑ってしまった。


「例えばだ、そこにある服を見てみろ。」


ペストが指を指した先には、青い服を着たマネキンが置いてあった。

マネキンが来ている服は、全身タイツで出来ていおり、赤いマントが肩についていた。胸の部分にはSと大きく書かれていた。


「これのどこが危険なの?ただの変な服だよ?」


ペストは再びニヤリと笑った。


「これはな、『英雄の全身タイツ』だ。どう危険なのか本当に聞きたいか?」


二人はつばを飲みながらうなずいた。


「これはな、世界に危機が起こった時に、どこからともなく英雄が現れて、危機をなんとかしてくれるんだ。」


説明が簡潔過ぎて、二人はよくわからない顔をした。


「それのどこが危険なの?」


「ただ英雄を呼び出すだけならいいんだが、その前に危機も呼び寄せてしまうのさ。俺が見てきた限り、今まで呼び寄せた危機は、巨大隕石の衝突が2回。大怪獣の襲来が1回。ミサイルの誤射が1回。宇宙人の襲来が2回だ。」


「そんな事が起こったの聞いた事ないよ。ないよね?」


郁美が美海に同意を求める。


「私も聞いたことない。」


「それはな、事件が解決した後、起こった事が全てなかった事になっているからだ。起こっていない事は知りようがないだろ。論より証拠だ。お嬢ちゃん試しに、マネキンの前で悲鳴を上げてみな。」


指を刺された美海は、渋々マネキンの前に行き悲鳴を上げた。

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