その壱・裏 『記録者の選別』

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 その壱・裏


 『記録者の選別』



 説話


  福寿の靴箱のある一定の場

 所に、新入生の男子生徒が宛

 がわれると選別を示す手紙が

 届く。

  それは、入学式のその日か

 ら49日間続く。

  その手紙は、記録者に選ば

 れた事を示している。

  49日が過ぎるまでに、記

 録者は藍色の本を見付けなく

 てはならない。

  見つけられなければ、周囲

 の大切な人が死ぬ。

  そして、それは49日毎に

 繰り返される。





 要因


  二十八年前。

  福寿に入学したある女子生

 徒がいた。彼女は入学前から

 想いを寄せていた相手に、同

 じ学校に合格したら告白しよ

 うと考えていた。努力の甲斐

 あり、彼女は見事合格。入学

 式の日、靴箱に手紙を入れ想

 いを伝えた。

  しかし、入学式の帰り、彼

 女は事故に遭い、告白の返答

 を聞くことも、念願の高校生

 活も送れずに帰らぬ人となっ

 た。

  その無念の想いが福寿の七

 不思議に呪いをかけた。  

  


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