第4話 幼馴染がいたとしても、現実は普通顔。

《現実》

「瑠璃さん。領土に商人来たんですか、何か条件ありましたか?」


「わかんないんだよね。関さんの言う通りにしていたら村に来たよ、村はかなり大っきくなったよー」


うるさいメガネと瑠璃。俺の席周辺で話すな


「そう言えば、太一君はガチャで誰が出たの」


「僕は、雷同だよ。三国志の蜀武将」

微妙だな太一(メガネ)、ご愁傷様。


「瑠璃さんは最初の野盗をどう倒したのですか?」


「何か罠はったりして倒したよ。関さんの無双が見れると思ったのに」


「雷同は単騎で向かっていって倒してました、頭の良い関平か、能力値が思っているのと違うのかな、若しくは女性キャラは知的なのかもしれない」

女性キャラは知的? 違うぞ、ムースカからは智の匂いがしない。


机にうつ伏せになっているシロウの腕がツンツンとされる。

寝たふりをやめて顔を上げると、教室に入ってくる真司と皐月の姿。


「あの二人付き合ってるのかな?」

瑠璃に耳元で言われた。


「さあな」

皐月は幼馴染だが、恋愛関係はよく解らんし、真司ともその手の話はしない。真司はモテない俺を気遣っているのだろうが余計なお世話だ。


「まあ、美男美女でお似合いだけど、瑠璃が真司の横にいても、同じ感想かもな」


「馬鹿・・」

そう言うと瑠璃はシロウの席から離れた。


「志郎、また先に学校来てる、何で!」

サラサラの長い髪が朝日にツヤツヤだ。なんだよ皐月、真司と学校通う時は朝から気合入ってんな。


「何でって、お前が真司と学校行く事になったって言ってただろ」


「志郎も一緒でいいのに」


「嫌だよ、イチャイチャする二人と俺。何の拷問だよ」


「真司とイチャイチャなんかしないよ。明日からは志郎も一緒だからね、それと私もあのゲーム始めてるからね。私にも教えてよ」


◇《ゲーム》


「さてと、シロウ殿。私は商人でしてな、できる事は商売です。しかしシロウ殿の村はまだ私と取引出来る段階ではありません」

濃い顔、ハリウッドスターかよ。現実にいたらルビントゥキーは濃いって言う意味の形容詞になりそうだ。


「しかし、他ならぬムースカ様の紹介ですからな、私の部下であるルパーノがこの村に立ち寄る様に致します。では」


言いたい事を言うとルビントゥキーは消えた。ウン?消えたぞ。

「シロウ、馬鹿面だな。今のは映像通信だ。いや待て、肩に手を置くなー」



商人の伝手は得られた。でもその利を得れていない。だから畑の次は名産所なのか、関平は有能だな。


「村長、この村の名産は何でしょうか?若しくは地方の名産でも良いのですか」


「村には名産と呼べるものは無いのですが、地方で言うと鉄工石が取れると聞いた事があります」


「何処で取れるのでしょうか」


「それは、、解りません。試しにあそこを掘ってみるのは如何でしょうか?」

村長が指した先には丘があり、岩肌が剥き出しになっている。



「ムースカ、ひょっとしてお前、ここに鉄鉱石あるか解らないか?」

岩肌の前に移動してムースカに聞いてみた。


「ハハッ、こんな所に鉱石なんでないぞ、、、いや、ちょっと待て、頭突きする前に私の話をもう少し聞け! 目の付け所は悪くないのだ。鉄鉱石はないがここは掘った方が良いぞ」


「何でだよ」


「ここには宝物がある」

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