第2話 ③
今日は、ヒメノに会いに行こう。玄関に向かっていたら、タツヤさんに呼び止められてしまった。
「すみませんが、手伝ってもらってもよろしいでしょうか」
「良いですよ」
2人で、お城の電球を変え掃除をした。初めてこの城の中を色々歩いているとやはり広いことが改めてわかった。中でも、気になったのが倉庫には沢山の服や布があった。アイドルの衣装みたいな服もあったので後で使ってみるか。とりあえず、今日の目的である王宮図書館に行こう。
向かってる最中に露天の方が騒がしかった。何をそんなに盛り上がってるんだろうか。気になるから、見てみようと人混みをかき分けると、ヒメノと屈強な男がケンカをしていた。
「この、アマなめてんのか」
「そっちが、先にいちゃもんつけてきたんでしょ」
「ねぇちゃん良いぞ。そのまま倒しちゃえ」
「何があったんですか?」
「ああ、あそこの露天にイチャモンつけた男が姉ちゃんに見破られて。男が逆ギレしたんだ」
「止めないと」
「なんだ、兄ちゃん知らねえのか。あのネェちゃんつぇぞ」
そう言われて、ケンカの方を見ると男の連続パンチを、擦りもせずに避けていた。パンチを、避けてばかりだったけどクロノも動き出した。パンチした右手を受け止めそこから、綺麗に男を投げていた。
「負けを、認めたら。このダサ男」
男は、負けたことがショックなのか逃げていった。
「いつもありがとうね、ヒメちゃん。お礼に、これあげる」
「良いよ、おばあちゃん。ここが、なくなったら、嫌だからね」
周りにいた人たちも、ヒメノに拍手を送っていた。ヒメノさんって、こんなに強いんだな、見た目はきしゃな女の子なのに一体どこにそんな力があるんだろう。そんなことを、思っていたらヒメノは、図書館の方に歩いていた。
「ヒメノさん、待って」
「おや、君は確かカナエ達と来た青斗君だったよね。私に何かようかな」
「はい、少し手伝って欲しいことがあって、探してました」
「そうかい、それだったらとりあえず図書館の休憩室に行こうか」
「はい」
ヒメノさんについていき、図書館の休憩室に行った。図書館の休憩室にも沢山の本があった。でも、図書館に置かれている本より古く所々破けている本が沢山置かれていた。
「好きなところに、座って良いよ」
俺は、入り口近のテーブルに座った。
「何か飲む。といっても、紅茶かコーヒー後はジュースしかないけど」
「じゃあ、紅茶で」
「わかったよ」
ヒメノさんが、紅茶を淹れている間俺は頭の中で話すことを整理していた。落ち着けよ、俺あまり早口で言うなよ。話す、内容を整理し終わったぐらいに。ヒメノさんも、紅茶を淹れ終わっていた。
「それで、私にようって?」
「僕がこれからやることに協力して欲しいんです。お願いします」
「うん、良いよ」
「あ、今なんて」
「だから、良いよって。まあ、君が何するかわからないけど。楽しそうだから、協力してあげる、それで何すんの?」
それから俺は、やりたいことをヒメノさんに話した。ヒメノさんは、終始楽しそうに俺の話を聞いてくれた。
「こんなことをやるんですけど」
「いいね、楽しそう。そういえば、他は誰が協力してんの?」
「今のところは、カナエとミアです」
「懐かしいね、学生時代はほぼ一緒に遊んでたね。この3人でやる感じ?」
「いえ、実はアミノも誘おうかと思ってて、でも難しいのかなって思ったら言えずじまいで」
「まあ、難しいよね。でも、誘えたら学生時代の4人が再集合だね」
「えっ、4人って仲良いんですか。てっきり、カナエとミアの2人と仲がいいのかと思ってました」
「違うよ、4人でよくつるんでたんだ。楽しかったよ、まあその分怒られたりもしたけど」
そっから、ヒメノさんから学生時代の話を聞いた。結構、4人で授業をサボったりもしていたそうだ。でも、一国のお姫様のアミノが意外にそういうことをしていたことが意外だった。最後に、私のことは呼び捨てでいいと言われた。
「じゃあ、またヒメノ」
「うん、それじゃあね青斗」
図書館をでて、城に戻りながら。アミノをどう誘うかを考えていた。今日の話を聞いていたら、あまり一国のお姫様だけど思い切って誘ったら、参加してくれるのではないかと思った。でも、学生だったからということもあるだろうからやっぱ誘うのは難しそうだ。とりあえず、カナエに相談してみよう。
今日も、砂時計を見るとまた落ちていた。
音楽好きの主人公は異世界に召喚されました ソウシ @aoshimazuki
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