第1話 ③

「ありがとうございます。最初は失敗したか持って思ったけど君がきてくれたから私は嬉しいよ」

「あのさ、俺のこと君じゃなくて青斗って呼んで欲しい」

「分かりました、青斗。じゃあ、私のことはアミノでいいですよ」

 それから俺は執事のタツヤさんに、部屋に案内された。

「この部屋をご自由にお使いください。困ったことがあったら、このベルを鳴らしてください。私か誰かが来ますので」

「ありがとう」

 俺は、布団に直行した。時間的には、1時間立つか立たないかぐらいで、この世界と自分が呼ばれたことを説明してもらったけど。まだ、実感が湧かなかった。こんな時に、友達から借りたラノベの主人公はほとんど悩まずに、すぐやることを決めていたけど俺には無理だな。

 そもそも、俺はあがり症だから人前にはあまり立ちたくないな。人前に立たなくても、やれることは、あるけどなにをしたら受けるんだろうか。俺は音楽が好きだけど、楽器は弾けないし曲も作れないからなどうしよう、まあ明日考えればいいか。

・・・

 朝になった、あまりぐっすりとは眠れなかった。そういえば、スマホって何処だ。ポケットに手を突っ込んでも、中は空っぽだった。後、俺の教科書とか色々入っていたバックもなかった。今思えば、あの子と話している時もバックを持っていなかったかもしれない。もしかして、俺の自転車と一緒に道路に落ちてんのかな雨降ってたら、バックとスマホお釈迦だな。俺のゲームデータパーかよ。

 そんなことを考えていると.扉がノックされた。入ってきたのはタツヤさんだった.

「朝ごはんの支度ができたのですか、食べますか?」

 丁度、腹も減っていたので朝ごはんをいただくことにした。食堂に案内されると、アミノさんここで働いている人たちがご飯を食べていた。

「俺の王族のイメージって、豪華な部屋でご飯食べてるような気がするけど。アミノさんはみんなと食べるんですね」

「そうですね、川口様のイメージは合っていますが。私くしどもの姫さまはお優しいので、前国王と王妃様が亡くなってからこのようになりましたね」

 俺と、同い年ぐらいなのにしっかりしてるんだな、俺だったら落ち込んで引きこもらかもしれない。そんな話を聞いたら、この国を盛り上げて国に沢山の人がくるようにしないとな。

「おはようございます、青斗。昨日はよく眠れましたか?」

「うん、寝れたよ。あのさ、昨日俺が召喚された場所に俺のバックなかった?」

「いや、ありませんでしたよ。確か、異世界からのものは持ち込めなかったはずだったような、それがどうかしたんですか?」

「まあ、濡れたらダメなものが入ってたから気になって」

 これは、本当にお釈迦になっている可能性があるな。

「今日はなにをするんですか?」

「えっと、とりあえず服が欲しいのとこの国を見てみたいと思うから、誰か案内して欲しいなって」

「そうですね。いきなりですけど、青斗って何歳ですか?」

「えっと、17歳だけど」

「それなら、同い年の子が丁度いるからその子に頼むわね。1時間後に、玄関にいてくれたらいいわ」

「ありがとう」

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