第1話 ②
その少女の、見た目は茶髪で青紫色の瞳をしていた。多分、この人が街を歩いていると周りの人は立ち止まって見惚れるほど綺麗な少女だった。
「えっと、言葉通じてる?」
あれ、もしかして異世界の人って私たちと同じ言語じゃ無いのかな。そもそも、暮らす世界が違うから話せなかったりして。またやってしまった、こんなことなら本とか読んで儀式のあれこれを調べておけばよかった。私ってたまに、勢いだけでやっちゃうからな。
「あの、ここはどこですか?」
「えっと、ここはノーバー王国ですけど」
ノーバー国ってどこだ。俺の知っている、外国の名前には一回も聞いたことがなかった。
あれ、私会話できてない。メイドたちを見ると、驚いた顔をしている。
「私の言葉わかるの?」
「分かりますよ、今だって何回か話してましたよね。それで、ノーバー国ってどこ?」
「えっと、ノーバー国はキリマ山脈から東に位置する国だけど」
なんだ、キリマ山脈って。俺の知っているのは、キリマンジェロという山しか知らない。もっと、詳しく聞いてみよう。
「あの、ここ本当にど」
「そういえば、君にまだ何も説明してなかったね。君は、私の召喚で呼ばれた異世界人だから」
「待って、召喚ってなに。俺の住んで世界でもないし国でもないのか」
「そう、君が住んでた国や世界じゃないの。そして、私の名前は、アミノ・ヌーベル。よろしくね」
「俺は川口青斗、えっとよろしく」
いや、なにサラリと自己紹介してんだよ。俺よもっと今自分が置かれている状況をこの子から聞くんだ。
「それで、俺はすぐ帰れるんだよね」
「いや、帰れないよ。君の役目が終わったら帰れるよ」
「その役目ってなに」
すると、一人のおじいちゃんが砂時計を持って近づいてきた。
「これからは、私くしタツヤがご説明しましょう。ことの発端は」
この、タツヤさんという執事の話によると。
俺が、召喚された国は年々人口が減少していてこのままではこの国が亡くなってしまう。そこで、王女様は異世界から人を召喚してこの国を盛り上げてもらおうと考えたらしい。
その、召喚で呼ばれたのが俺だったという話だった。
「なるほど、この国を盛り上げて欲しいから俺を召喚したんですね」
「そうでございます。そこで、川口様にこの国盛り上げて欲しい所存です」
「だいたいは、分かりましたけど。その手に持っている砂時計は何か関係があるんですか」
「もちろんあります。この、砂時計は川口様がやりたいことが決まり、物事が進むにつれ砂が全部落ちた時は元の世界に帰れると思います」
「本当ですか。それなら、頑張って見ます」
「それは、ありがとうございます」
こんなこと言ったけど、俺実はあがり症なんだよなどうしよう。まあ、なにも分からずにやるよりも目標を立ててやる方が捗るからいいか。
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