解決!なんでも鑑定士

 仕事の事務所移転に伴い、私は備品の整理をすることにした。買い取り業者に来てもらい査定をしてもらったところ総額で5万6千円となった。もっと価値があると私は思っていたので落胆した。そこで別の業者にも査定を頼んでみることにした。

「これは、お宝の山ネ!」

 やって来たのはチョウさんという中国人だった。

「これは江戸時代初期に使われていたSONYのノートPCネ。これは楊貴妃ようきひが愛用していたBOSEのスピーカー! な、なんとこれは…日本がアメリカに宣戦布告をした時に旧日本海軍が使っていたFAX複合機あるヨ! とっても歴史的価値の高いものネ。それにこの時計、おお! これは紀元前3500年頃にシュメール人が作ったものに間違いないあるネ!」

「お、おいくらに?」

 私は興奮を抑えきれずそわそわとしながら尋ねた。張さんは険しい顔つきで電卓を弾いた。

「んん!…しめて2万8千円ネ!」

「安い!!」

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