第7話
「ふう。やっと、確認が終わった」
レイが疲れた口調で呟く。レイは今度は俺とセイジに向けるように言葉を続けた。
「これは、直すのに思っていたよりも時間がかかりそうだよ。今日用意してない部品も交換が必要だった」
「おいマジかよ」
セイジが残念そうに言った。どうやら、早く済むかと思っていたらしい。俺も少し残念だったが仕方ないと思ったので、
「仕方ない。全力で直して、こいつを飛ばすんだ」
と二人と自分を勢いづけた。
「そうだな。よしやるか」
セイジが気合を入れる仕草をする。
「やろう」
レイもそれに応じた。こうして、俺たちの船を直す作業がはじまった。この日はその後一時間ほど更に時間をかけて交換や修理が必要な部品をリストアップして船を出た。
俺たちはそれからというもの、土日に集まって船のある森まで行って修理をする日々が二ヶ月ほど続いて気がつけば、季節は冬になっていて学校は冬休みになっていた。
「雪が降ってきたな」
「そうだな」
この近辺では冬になるとよく雪が降る。船の外で休憩をしていたセイジと俺は空から降ってきた結晶たちを見て呟いた。
「おーい、二人。準備ができたよ!」
そこにレイが大声を出しながらやってきた。そう今日、遂に船の修理が終わろうとしていた。どうやら、レイが最後の部品を取り付ける準備を整えたようだ。
「お、いよいよか」
セイジが立ち上がって嬉しそうに言う。俺もセイジに続いて立ち上がった。
「よしやりますか」
俺はストレッチもどきをしながらそう言った。そして、俺たちは船内へと戻っていった。機関室へと三人で入っていく。床には交換用の部品が置いてある。これを取り付ければ、いよいよこの船は息を吹き返す。
「じゃあ、いくよ」
レイが促す。俺とセイジは頷いた。そして、レイは慎重に確認をしながら部品を取り付けた。部品が収まるところに収まり二ヶ月続いたこの船の修理が遂に終わった。
「できた! 」
「終わった」
「やっとか」
俺たちは思わず、ハイタッチをして船の修理が終わったことを喜びあった。
「さて、じゃあいつ出発しようか? 」
達成感からか無言が少し続いた後、俺が二人に聞いた。二人はすぐに、
「今日の夜とか? 」
「いいな。俺も今夜でいいぜ」
と言ってくれたのでその流れでこの日の夜に船で宇宙へと飛び立つことを決めた。
そして、俺たちは宇宙へと旅立つ荷造りをするために一度、それぞれの自宅へと帰ることにした。船を出ると雪はまだ降り続いていて、地面は少しだけ白になっていた。
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