第6話

 船を発見してから二週間後の土曜の朝、俺たちはあの場所へと向かった。今度は近所のホームセンターで借りてきたリアカーにジャンクショップや船の部品屋で買ってきた船の修理に必要そうな部品たちを積み、それを引っ張りながら歩いていた。


「これ、結構重いな…… 」


 リアカーを引っ張っているセイジが言った。


「しょうがないよ、最初に見たときに必要そうだった部品は全て揃えて持ってきたから重くなって当然だよ」


 レイが反論した。彼もまた、図面や端末をリュックサックや手提げバックにぎっしり詰めていたので大変そうだった。すると、レイとセイジが声を合わせて


「ワタル、お前もなんか持ってくれ」

 

 と言ってきたので、俺は急いでレイが持っていた手提げバッグをもらった。持ってみると予想していたよりもかなり重かった。


「こんなに重かったのかよ」


 俺がそう言うと、二人は激しく頷いた。



 そうしているうちに、目的の場所へと到着した。発見してから二週間は経っていたが、船は相変わらずそこで、今度は俺たちを待っていたかのように存在している。


「なあ、これを動かすんだよな? 」


 セイジが言った。


「そうだよ」


 レイがセイジに返しを入れた。


「どんなことが起きるだろうな」


 俺が一言更に言った。俺たちはまるで、覚悟を決めるかのように喋っていた。


 俺たちの計画はあまりにも荒唐無稽だった。宇宙船を直して、この田舎町を出る、それ以外は決まっていない。でも杜撰すぎるこの道を歩みはじめた、引き返せるかもわからなかったのに。


 レイが装置を弄ってスロープを展開し、俺たちは船内へと入って、すぐに運んできた荷物を船内に移した。その後、ラウンジで作戦会議を始めた。はじめにレイから、話を始めた。


「ひとまず、僕たちが最優先でやるべきは機関室に行って、実際に飛べるように直すことだと思う」


「それで良いぜ」


「俺も賛成」


 俺とセイジが同意する。レイは更に話を進めた。


「では、このまま機関室へと行こう。どこが壊れているかを念入りに確認するところから始めよう」


「じゃあ、いよいよだな」

 

 セイジが言った。


「行こう」

 

 俺が少し大きい声で言った。すると、二人は


「おう」


 と言って、俺たちは必要な道具を持って機関室へと向かった。


 機関室へと入った。機械に強いレイの指示で、俺とセイジが部品を外してレイがそれを一つずつチェックすることにした。どれが動いて、どれが壊れているのかを調べるために。俺はこの手の機械を弄ったことが無かったので、部品を外すだけでも苦戦した。対してセイジは、一度機械を弄ったことがあると本人から聞いていただけあって、手際よく外していた。外した部品はすぐにレイがチェックした。俺たちはこの作業を二時間程続けた結果、チェックが終わった。

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