リーバー先輩の推理①
口をきゅっとつぐんで厳しい表情の先輩の前に、集まったぬいぐるみたち。
リーバー先輩から向かって右側にボク。その
「では、
先輩のいきなりの犯人――いや、犯ぬいぐるみ当て
そしてすぐさま、ためらいもなく肉球のついた右前足を
元々丸くて大きいミミの
「犯ぬいぐるみは、あんた……ミミだよな?」
「……ワタシが犯ぬいぐるみですって? はぁ? 意味がわからないんですけど」
しかし、先輩も負けてはいなかった。
この家の最古参ぬいぐるみの
「事件は、昨日にまでさかのぼる」
と、そのふわふわで長いしっぽをピンと立てながら、ボクら一同の顔を見回したのだ。
「昨日、コーハイは部屋で散歩しているときになぜか急につまずいて、前のめりに倒れてしまった。そうだな?」
「そうッス。
「そのとき、何か足の
「はい、そのとおりッス」
先輩はボクの言葉に満足そうにうなずくと、その耳をパタパタと波立たせた。
「それは、こう考えると説明がつく――つまりコーハイは、
粘土? 足型?
ボクは昨日の出来事を思い出しながら、ウサギのミミの様子をうかがった。
確かに昨日――ボクがつまずいて振り返ったとき、ミミは粘土遊びをしていた! ボクは強い疑いのこもった
思わず鼻息が荒くなった、ボク。
リーバー先輩は、そんなボクに「落ち着け」と小さな声でなだめると言った。
「コーハイが踏んづけ、肉球と足の
ふわもこな茶色い
「これが冷凍室の底の方に付着していたよ。……昨日、ミミが遊んでいた紙粘土がな」
それを聞いたミミの表情が一瞬こわばったのを、ボクは
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