ぬいぐるみ犬探偵「リーバー」②
冷静な口調で
「
考えただけでも、おぞましくて目が回りそうだ。
先輩が話を続けた。
「大好物である魚の、ひどく腐ったにおい……。そんなに
意外にも
そんなボクらの顔をゆっくりと見回したリーバー先輩が、
「わかってくれたようだね……。これは事故じゃない、事件なんだよ」
(さすが先輩ッス!)
心から感動して先輩に熱い
そんなボクに、リーバー先輩は
「じゃあ、
「ハイッ、ス!」
それは、ボクが〝ぬいぐるみ犬探偵リーバー〟の助手になった
新米助手のボクに向かって、先輩が自分を納得させるようにつぶやく。
「探偵の捜査の
くるりと向きを変えた先輩が、また浴槽へと向かった。探偵助手であるボクは、もちろん、そのあとに続く。
「ん? ちょっとここを見てみろ、コーハイ」
現場を荒らさないよう浴室の隅を
そこには、ぽたぽたと水がこぼれたような
「先輩、これは動物の足跡のようッスね!」
「ああ、そうだ。そして、恐らくは殺ぬいぐるみ犯が残した足跡に違いない」
ボクは緊張でドキドキ胸むねが脈打つのを感じながら、その足跡に見入った。
ところがそのときだった。
リーバー先輩が、思いもよらぬことを口走ったのだ。
「……。コーハイ、オマエの前足をこの足跡に
「はぁ? どういうことッスか。この足跡がボクのものだとでも?」
「いいから、とにかくやってみろ」
しかたないッスね――。
ボクはブツブツと
(えっ? うそでしょ? 信じられない……)
ボクは黒くてまん丸い、自分の目を疑った。
だって、おかしなことに――本当におかしなことに――その足跡がボクの前足に、それも肉球の形や大きさまですべてがぴったりと合ってしまったのだから!
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