ぬいぐるみ犬探偵「リーバー」①
先輩の
その後、しばらくぬいぐるみの面々による
「探偵って……。そんなこと、先輩にできるんスか?」
「ぬいぐるみ犬をなめてもらっては
「はあ? ボクが助手ッスか? そんなのできるわけ――」
耳を疑うたがったボクがそう言いかけたとき、いつもは
「ちょっとリーバー、今何て言った? 殺ぬいぐるみ事件って、これは
ピンクの
「これは殺ぬいぐるみ事件だ。間違いない」
足についてしまった水を風呂場マットで
その自信あふれた顔つきに、ボクはつい、意地悪な気持ちになる。
「先輩、どうしてそんなことが言えるんです?
先輩は「そんなこともわからないのか」的な目でボクに
「においだよ」
「におい!?」
ボクとミミとメメの三匹が、同時に叫んだ。
そのあとややしばらくして、カメがゆっくりと首を
「
「けれど、おかしくないか? この浴室のにおいは、魚は魚でも明らかに『腐った魚』のにおいだ。
(確かに、そのとおりッス)
ボクら(カメ以外)は、思わず息をのんだ。
言われてみれば、ここに来たとき感じたにおいは確かに腐った魚のものだった。風呂に浮いていたサンマは、ぴかぴかと新鮮そうに光っていたにもかかわらず!
ボクは
「それに、もうひとつ不自然なことがある。なぜこんなところにサンマがいるんだ? 人間の
「リーバー、確かにアンタの言うとおりだわ……。でも、だとしたら、なぜお風呂場で腐った魚のにおいがしたのかしら?」
「ミミ、これはあくまでも今のところの
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