ペンギンの溺死③
「ぐはっ、体が重いッス!」
ボクたち
浴室へと続く
先輩は勇気を
「クンクン……。これは魚のにおいだぞ。もしかして、アイツ――」
先輩は
と同時に辺りに響いた、先輩の声。
「ギンだ! ギンが、お風呂でおぼれてる!」
ひゃあぁ!
ウサギのミミとヒツジのメメの悲鳴が、同時にあがった。
ボクは悲鳴をこらえて、とっさに中の様子を確かめようと首を浴室の中に突っ込んだ。確かに、
「ダメだ。来るなコーハイ! もしかしたらこれは、
多くの水分を吸ってしまったとはいえ、さすがは身の軽い子犬のぬいぐるみだ。
ひょこひょこと
「ギンと、ぴかぴかのサンマがお湯に
先輩は、浴槽の中に浮かぶ、水分を
いつそうなったのかはわからないが、サンマの
浴室の
青色のペンギンのぬいぐるみは、体中の綿が水分でぶくぶくにふくらんだ
「ぬいぐるみとはいえ、ペンギンが溺死するなんて……」
ショックを隠し切れないウサギのミミが、ぼそり、とつぶやいた。
緑色のカメは、
ギンの横で、彼と同様、溺死してしまったかのように横たわる一匹のサンマに目を向ける。
どうやらこの魚は、
なるべく浴室の隅を歩くようにして、先輩がこちらに
みんなの前にたどり着いた先輩。
すぐに口を開くと、決意を
「これより『ぬいぐるみ
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