第7話👘大和撫子はちょいエロい💗

 しゅんしゅんと鉄瓶からは湯気がたっている。


 左手に袱紗ふくさを持ち、教えられた所作しょさで、煎茶道のお点前を披露する。

 静寂の中、衣擦きぬずれの音だけが静かな茶室で息をする、


 童子どうじにより菓子が運ばれ、細やかな動きでそれぞれの器に配られていく。


 玉露の甘みのなかの優しい渋み、それを引き立たせるお干菓子や練り切り。


 何よりも美しく、日本人独特のびの美学。





 ◇

「はぁー疲れた」

 帯を解きながら、その日の自分のお点前に採点をつける。


 お湯の温度は最適だったのか──高価な玉露や煎茶は少しでも温度を間違えると甘味は消えて渋みとなる。

 それは、肌身で覚えないと身につくものでもない、凛としたあの空気感を楽しむ為に私は煎茶道を学ぶ、もちろん師範になる気は全くない、あの緊張感こそが私の至福の時であり、その緊張から解き放たれ帯を解くこの瞬間こそが何よりも待ち望んだもので、それこそは自然なエクスタシーだと思う。


 薄い桃色の長襦袢姿で鏡の前に立ってみる。


 少し汗ばんだ肌をそっと撫でる、左足から足袋を脱ぎ足先を伸ばしたり縮めたりしながら、その場に横になる。

 もちろん長襦袢の下には肌襦袢だけで、ブラジャー代わりの晒しだけで、下穿きは履いていない。


 肌を隠していることこそが、一番隠微いんびで心地よい。

この一瞬の為に私は茶の道を学ぶのかもしれない。


~💕おしまい💕~



(本文500字ちょい)

 ※数年間、某煎茶道を学んでいましたが、文章のようなエロい気持ちになったことは一切ございませんが、でも着物とか浴衣姿は色気がありますよね。

 帯をクルクル外す男子の夢のような憧れ動作、あいるさん対応できますよ。

(着付け可能です(´∀`*)ウフフ)


※童子→お点前の補助をする人、私はこの係の時にお干菓子をポロリと落としたことがある、慌てて袂に隠しましたとさ。

てへぺろ(´>ω∂`)☆

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