第15話 [サッカー部キャプテンに圧勝]
「色々と気になるが…とりあえずサッカーしに行くか?」
「うむ、そうだな」
俺はようやく解放されたのでグラウンドへ向かうことにした。
サッカーをし終えたらそのまま帰るつもりなのでバッグを手に取り、教室を出ることに。
「………」
俺をジッと見つめ、アホ毛は動いていない。
———……どうやらついてくるらしいな……。
教室を出て、下駄箱へ向かっているのだが先ほどのやりとりが気になってついてくる者やサッカー部キャプテンとの勝負ががついてきており、大行進のようになっていた。
その行進に便乗してついてくる人もいた。
大行列を率いてグラウンドまで向かった。
〜〜
「よしっ!それじゃあ強也が俺からボールを取られずにシュートを決めたら一点。その次は俺からボールを取れたら二点。二点先取ってことで。俺を超えられるかな?」
舐められたものだ……。だが油断大敵だな。
「では俺から行くぞ」
ボールの上に足を置いていたが、それを退けて始めることにした。
約二メートル先には朔。それを抜けて先のゴールへとシュートすれば勝ち…か。
ぬるいな。
「それじゃあ行くぞー、よーいドン!」
朔の合図に合わせ俺はボールを軽く蹴り、前へと向かった。今回は魔法を一切使わず、己の技量だけで挑む。
朔は俺の前に立ち塞がり、俺のボールを取ろうとして来た。
朔が俺のボールを取ろうとし、足を少し広げたそこを狙い、足の隙間にピッタリ合うようにボールを蹴った。
すると見事に通り抜け、朔の後ろへとボールが飛んでいった。
「は!?朔の守りを超えただと!?」
「あいつサッカー部のキャプテンだぞ!?」
「最神って一体ナニモンだったんだよ……」
「か……カッコいい!」
「運動神経良すぎだろ…」
「んなっ!?」
「悪いな、ガラ空きだ」
俺はボールへ向かい走り、追いつくとそのボールをゴールに向かって思い切り蹴った。
「ま、初めてにしては上出来かもしれんな」
「きょ…強也…君がそんなに強かったなんて知らなかったよ……だけど次はそうはいかないよ!」
まずは一点。次は俺が朔からボールを奪えばいい話だ。
「それじゃあ…本気でいかせてもらうよ…!」
「くくく……かかってこい。俺が奪い取ってやる…!」
「よーい……スタート!」
またも朔の合図から始まった。
朔はゆっくり、少しずつ俺に近づいて来ていた。
そして俺と朔との距離が一メートルぐらいになると、朔は右へとボールを蹴った……が、そのボールはすぐに止められ、左へ行こうとしていた。
俺の動体視力はかなりいい方なので、そういった動きなども全てわかる。
俺はボールを軽く蹴り、朔の後ろへと転がっていった。
俺はすぐにボールへと向かい、それを奪い取ることに成功。
「俺の勝ちだ」
「は……ははっ、完敗だよ」
朔はそれだけ言うとその場に座り込んでしまった。
「「「「「うおおおお!!!」」」」」
するとこの勝負を見ていた奴らが一斉に声を上げていた。
「キャプテンに勝ったぞォ!!」
「強っ!本当になんなんだ……」
「こっち向いて〜!キャー!!」
朝ごはんを食べていないからもう帰るか。
俺は置いていたバッグを手に取り、そのままこの場を後にした。
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