第9話 [戦闘]
電車を帝王高校前駅で降り、駅を出て真っ直ぐに歩いたらすぐに高校についた。
「おお……かなりでかいな……」
帝王高校はあらゆる部活があり、それ故にその部活それぞれの場所が用意されているらしいので敷地面積が尋常でないほど大きいのだ。
ミッションが一つ達成されたので、ここらあたりを少し探索して、帰りの途中でスーパーマーケットとやらに行って買い物をしよう。
俺は帝王高校を後にし、別の道へと歩き始めた。
少し歩くと、近くに喫茶店があるのが見えた。
入って見たいのは山々だが、またの機会としよう。喫茶店には甘味やコーヒーというものがあるらしいから今度絶対に行こう。
ブラブラとあたりをまた散策していると、何やら男性三人組が女性一人を囲んでいた。
女性は無表情だが、俺には困っているように見えた……というか感じた。
俺は近づき、話を聞くことにした。
「お前ら何をやっているんだ?」
そう聞くと、男たちは振り向き俺を睨みつけながらこう言った。
「あぁん?んだよてめぇ…ぶっ殺されてぇのか?」
「命が惜しければ何も言わずに立ち去ることだ…」
「なんならこいつぶっ飛ばしてこの女に俺らの恐ろしさ思い知らせたらよくね?」
男たちは耳に金属をつけたり、髪が金色だったり、髪型が爆発(笑)していたりなど、日本人にはあまり見られない容姿をしていた。
あの爆発髪(笑)は自分でいいと思っているのか?そうだったら……ダメだ、笑うな俺。
その男たちの狙いは囲んでいる女性らしい。俺を倒して恐ろしさを植え付ける……か。
———相手が悪かったなぁ……。
俺はこの世界に来てから戦闘をしていないからちょっと手加減できないかもしれないな…。
まあこの男たちの行為はあまりよろしくない行動らしい。これもパソコンで見た。
だからこの男たち行為は妨害してもいいのだろう。
「ちょっと顔がいいからって調子乗ってんだろ?だからよぉ…俺たちに利用されろ、このジャージ野郎ッ!!」
耳に金属をつけている男が俺の顔面めがけて殴って来た。
「遅いんだよ……しっかり力を込めて殴らんか……。こんな風になっ!!」
俺は相手の拳を軽々と左に避け、相手の腹に超手加減をして右手で殴った。
「ぐっ……ううぅ!!」
「お、うまくいったな。だが手加減しすぎたか」
相手を爆散させないようにしていたが、力を抜きすぎて気絶はしなかったようだ。
俺は後ろへ下り、指をちょいちょいとして煽ってみた。
「———!!テメェ!!」
「よくもっ……!!」
俺に殴られた男はまた立ち上がり、俺を睨んでいる。
そしてもう二人の男が俺に向かって来ていた。
一人は俺に飛び蹴りをしようとして、俺に向かって足を向けて飛んでいる。
もう一人の男はそれには追いつけていないが、俺の方へ走っている。
「死ねぇええ!!」
「馬鹿が……」
飛び蹴りなどどこに攻撃するか言っているのと同じようなものだというのに。
俺はすぐ目の前まで来た足をガシッと掴み、そのまま俺を中心としてぐるぐると男を振り回した。
「ぐっ………!う、うわぁ!!」
俺は何回転かしたあと、走って来ているもう一人の男に向かって今、回している男を放り投げて思い切り当てた。
「ぐ……や、やべぇ……」
「痛つつつ……」
二人は立ち上がれないらしく、その場に座り込んでいた。
「お前はぁ……ぶっ殺してやる!!」
最初に殴った耳に金属男が俺にまたも走って来た。
「ふんっ!!ふんっ!!ぬぅぅああ!」
男は両手を使い俺を殴ろうと殴って来ているが、後ろに下がりつつ俺は一回も当たることなく避け続けていた。
「なんでっ……なんで当たらねぇん、だよぉ!!」
「それはお前が弱いからであろう?何を当たり前のことを」
「て、テメェ!!調子乗りやがってェェ!!」
男の殴るスピードは上がったものの、やはり当たることなく避け続けていた。
だがそろそろ飽きて来たので終わりにすることにした。
俺は後ろへジャンプし、追って来た男の顎に向かって足を思い切り振り上げ、上へ蹴り飛ばした。
男は見事に空へと舞い、そのまま地面に落ち、気絶した。
「な、なんなんだよてめぇ!!」
「ば、化け物!!覚えてろよぉ!!」
男たちはガクガクとした足で気絶した男を連れてここから立ち去った。
「ふんっ!弱者め……。俺をもう少し楽しませ欲しかったものだ。まあそれが目的ではなかったがな」
そう、俺は人助けが第一目標。第二が戦闘だったからな。
「———大丈夫か?」
俺はその場で見ていた女性に話しかけた。
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