水の王の蒼2
渋谷かな
第1話 水2
「ウワアアアアア!? 溺れる!?」
水月蒼は水の中に沈んで行く。
(ダメだ!? 俺は死んでしまうのか!?)
蒼は呼吸ができなくて意識が薄れていく。
(お願い! この世界を救って! 水の王よ!)
どこからか少女の声が聞こえてきて蒼の意識は無くなり、水の底へ消えていく。
「はあ!? はあはあはあ!? ・・・・・・夢か!? また同じ夢だ!?」
いつも蒼は水に沈んで行く悪夢を見る。
「あの声はいったい!?」
そして夢の中で聞こえてきた少女の声に聞き覚えがあるような気がしていた。
「やべえ!? 遅刻だ!?」
目覚めた蒼は朝の支度を整えて学校に向かう。
「私は、蒼が好きなの! 私と付き合ってください! まさかカワイイ私をフラふらないわよね!」
ある日、姫に蒼は告白される。
「悪い。俺は朧とも友達で、あいつがおまえのことを好きだと知っているから、姫、おまえとは付き合えない。」
「そ、そんな!? このカワイイ私がフラれるなんてあり得ない!?」
姫の自尊心は傷ついた。
「今の三人のままでいよう。」
蒼は姫のことが好きだが友達思いの良い奴で、朧が姫のことを好きなので、姫とは自分は付き合えないと、姫の告白を断るのだった。
「意気地なし! 蒼のバカ!」
実は蒼も姫が好きで、そのことに姫は気づいている。
「それなら私が頂こう!」
仮面を被った黒い男が現れる。
「キャアアアアアアー! 助けて! 蒼!」
「姫!?」
姫が仮面の男に引き寄せられ抱き寄せられる。
「おまえは何者だ!? 姫を返せ!」
「僕は魔王デビルロードだ。」
現れたのは仮面の魔王だった。
「この女は俺の嫁になるのだ!」
「なに!?」
いきなりの魔王の姫との結婚宣言。
「嫌よ! なんであなたなんかの花嫁にならないといけないのよ!?」
「ならなければ、あいつは今ここで殺す。それでもいいのか?」
「え?」
蒼を殺すと言われてジタバタとした抵抗をやめる姫。
「それでいい。話が早くて助かるよ。」
満足そうな表情の魔王は姫を連れて帰ろうとする。
「待て! 姫を返せ!」
「おまえの相手など兵士で十分だ。いけ! デビル・ソルジャー!」
「ガオー!」
魔王は魔王軍の配下の悪魔の兵士を呼び出す。
「さらばだ。蒼。」
そう言い残すと魔王は姫と共に去って行った。
「姫ー!」
蒼の言葉は宙に虚しく響く。
「ガオー!」
失意の蒼にデビル・ソルジャーが近づいて剣を振り上げる。
「ヒイイイイー!? こんな化け物とどうやって戦えばいいんだよ!?」
蒼に戦う術はなく殺されるのは時間の問題だった。
(戦えますよ。)
その時、少女の声が聞こえてくる。
「え?」
(あなたは水の王なのですから。)
絶体絶命の蒼の前に水の妖精が現れる。
つづく。
水の王の蒼2 渋谷かな @yahoogle
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