K















「いや、それはダメだね。うん」


 僕は首を縦に振り続けながら、そう言った。


「な、なら諦めて下さい!」


 鈴川さんは顔を真っ赤にしながらそう言った。そういえばこんな顔初めてみたな。


「うん。わかった、諦めよう」

「も、もうこんな変なこと、言わないでくださいね」


 鈴川さんはそう言うと、教室から逃げるように出ていった。ピシャンと扉が閉まる音が教室中に響く。


 さすがに自分が同じようなこと言われると、やっぱり抵抗はあった。つまり、相手も同じような気持ちだってことだ。


 もっと人の気持ちが分かる男になろう。僕はそう思ったのだった。



 でも、少しくらい、揉みたかったな……。


FIN

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