F
















 

 

 憧れのものを目の前にした以上、言葉はいらない。

 

 僕は、その双丘に狙いを定め、突撃した。


「きゃああ!」


 鈴川さんが透き通る声で悲鳴を上げた。だが、僕の手は止まらない。なるほどこれが……。跳ね返るような弾力。それでいて柔らかい。ずっと揉んでいたいくらい素晴らしい触り心地だ。


「な、何してるんですかあ!」

「僕は、この瞬間を待っていたんだ!」


 強く押しても戻ってくる。ふっわふわだ。ああ、最高だ。素晴らしい。今までこんな感触、感じたことがない。


「け、警察呼びますよ!」

「ああ……ってそれはまずい!」


 止めてくれ、という前に鈴川さんはスマホを取り出し、通話を始めていた。恐らく、いや間違いなく相手は警察だろう。


「ちょ……!」

「い、今も触られてるんですっ!」


 なんとか止めようとしても、身体をくねられかわされる。あ、女の子の身体って、こんなに柔らかいんだ。って、そんな呑気に楽しんでる場合じゃない気がしてきたんだけど。


 そして鈴川さんはお願いしますと言って通話を終えると、すぐさま僕から距離を取った。あれ、もしかしなくても、これってヤバい?


 ……どうしよう?



M.この瞬間に情熱を懸ける


N.逃げる

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