第4話 帰還命令
「大将閣下、皇帝陛下からの勅命で帰還命令が出されたのであります」
「やっとか」
本当にやっとかだ。
和平会議から約1年半は経っている。
一年もしていれば割譲した地域も大幅に成長した。
経済成長も著しくジョパン語教育も反発もありながら大幅に進んだ。
ジョパン語教育については苦労はしたが何とか説き伏せた。
「で、行くのでありますか?」
「ん?勅命だから行かねばならんだろう?」
「いえ。皇帝陛下の勅命とはいえ前線総司令官がいない間の影響が多く過ぎるため暗黙の了解で軍部は拒否を容認しているのであります」
やべぇなこの国。もう終わってんじゃないの?
どうやらこの国の軍は軍人ファーストを掲げているらしい。
「まぁ行った方がいいだろう」
満潮国に来た道と同じく半島の港で船に乗り本国へと向かった。
道中貴族のころとは違い軍人が護衛としてついてきた。
前線総司令ともなると恨みを買いやすいこともありそういうことにも注意しているそうだ。
無事に本土に着きいろいろと手続きを済ませた。
それから疫病検査やら性病検査を済ませが皇居に行く前に大本営に行くらしい。
まぁ副官から聞くには代々こういう場合はねぎらいらしい。
「ビリヤ大将閣下。前回の戦果。実に素晴らしい物でした。
本土では是非お寛ぎください。護衛は徹底させますので」
この人は軍部のトップである軍務大臣なんだが、さすが軍人ファーストだ。
「えぇぜひ久しぶりの本土を楽しませていただきます。ではまた後程」
そういって軍務省内から離れていく。
さてこのあとはどうするか。
まぁ暇だし早速皇居に行ってみよう。
「そこの者!停まれ!」
なんだ。俺は皇居内に入ろうとしただけだろう。
「なんだね君は。私は皇居に用があってきたんだ。」
「明らかに不審者だ。このものを捕まえろ。」
そう警備の人が言うと護衛官が駆けつけてきた。
「そこの警備!この方を誰だと心得ている?この方は前線総司令官さまだ!」
「っ失礼しました。飛んだ無礼を。」
「かまわん。では行ってくる」
一悶着あったが皇居に前に着き荷物検査を済ませる。
「ではこちらへどうぞ」
と許可が出され謁見が許されている部屋に入る。
「ではしばらくお待ちください」
部屋の内装はあまり凝っていない。にしても簡素すぎる。
応接室だからか?応接室だからこそ豪華にするんじゃないのか?
そう疑問に思いながらソファーに座る。
てっ硬い!何このソファー、スポンジ入ってない!?
もしかして嫌がらせ?
そう思い反対側のソファーも確認してみるとやはり硬い。
もしかして皇帝陛下って貧乏?
俺は皇帝陛下貧乏説を提唱した。
「あぁ遅れてすまんぬな。儂は第11代ジョパング皇国皇帝マルスカルだ。まぁよろしゅう頼むわ。」
えぇーこんなラフなの?
まぁ俺も挨拶でもしよう。
軍務省に行った時もこんなふうに注意された。
「くれぐれも陛下に下手に出ないでください。でないと軍の威信に関わります」
って言われた。
まぁ本当なら元貴族として敬語くらい使いたのだが。
「関東軍満潮国前線基地所属、関東軍総司令並びに復興促進部隊隊長。ビリヤだ」
「ほほう。まぁよい。楽にせい。」
少々突っかかってくるかと思ったがまぁ慣れているのだろうか。
「ビリヤ君には今回の戦争。あっぱれじゃった。死傷者も出さず割譲地の復興。よくやってくれた。」
「えぇ。まぁ有難いでございますな」
言葉に気を付けながらいって居たらなんか変な言葉遣いになったが。
「まぁそこでなぁ。ビリヤ君に褒美をやってもいいかと思ってじゃな?」
なんか嫌な予感がしてきた。
「おい!入ってこい!」
何?急に怒鳴りだして?
「ちょっとお祖父さん?わたしこんなオークなんかと結婚なんてしたくないから!」
えぇ出てきていきなり暴言ですか?
「おい貴様!英雄様になんて言葉遣いだ。あぁ!」
ほんとその通りだ。
誰がこの窮地を脱したとおもっとるんだ?
「なんだ!騒がしいと思ったら大将閣下に無礼とはッ!そこまでして皇族は軍につぶされたいみたいだな?」
護衛官が部屋になだれ込んできた。
それを見て慌てて皇帝陛下は弁解をする。
「いやっ違うのじゃ。そうではないのじゃ。私はただ行き遅れこむs。こいつと英雄様と婚儀を取り付けようとしただけで。」
「まさかこんな無礼を働くとは。」
「軍務大臣!?」
まさかさっきまで軍務省にいた軍務大臣までもが雪崩れ込んできた。
「いやぁ君までここまで来るとは。」
「陛下。わかっていますよね?」
「わかったわかった。前の話は了承しよう。いやしましょう。」
「えぇわかっていただけで良かったです」
完全に空気化しているなあの失礼な女。
「私は絶対!認めませんから!」
「まだ言うか!この小娘!」
「おっとこれは総理に皇室予算の削減を」
「あっちょっと待って。お願いじゃ!まだ説得は!」
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