第2話 大攻勢

「どういうことでありますか?総攻撃を仕掛けるというのは?」


マオリが聞いてくる。


「そのままの意味だ。大本営に電文を」


「了解でありますが大丈夫でしょうか?」


「大丈夫?今更大丈夫も何もない。やるかやられるか。それが早いか遅いかの問題だ」


「そうでありますか...」


納得入ってないようだがまぁ大丈夫だろう。

はぁぁ早く本国に戻りたい。


「では俺より作戦内容を言う。

まず中二民国国境の近くにある鉄道を爆破する。

これは戦争事由にするためだ。それから中二民国にむけて宣戦布告をする。

ここまでで何か質問はあるか?」


「.....」

どうやらいないようだ。


「では続いて攻勢についてだ。

中二民国の攻勢は関東軍第一大隊で行うものとする。

何か質問はあるか?」


「よろしいでありますか?」


「あぁ」


「そんなに少ない数で攻略できるのでありますか?」


「そこは大丈夫だ。もしかしたら中二民国に宣戦布告をした後赤軍が攻めてくるかもしれん」


みんなが黙る。

まぁ総攻撃って言っておいて一大隊しか使わないのも困惑するか。


「では作戦を実行するように」


そして決戦の日。


「鉄道爆破開始。周囲確認よーし。爆破!」


周囲に爆音が木霊する。


「通信兵。電文をうて」


「了解であります」


通信兵が電文を打つ。


「よし我々は国際条規に基づいてこの作戦を実行する。いいか?民間人は殺すな。では作戦実行だ。一人100人は殺せ。命は俺が保証してやる」


中二民国軍は呆気ないものだった。

まともに統率が取れてなく兵も痩せ細っていた。

そして魔法の練度も剣の練度も極めて低い。


そんな中蹂躙していく皇国兵。

此奴らには少し俺が細工を施してある。光属性魔法の治癒と無属性魔法の支援魔法を重ね掛けしている。けがを負えば治癒で回復し攻撃は支援魔法の身体能力と魔力を底上げしている。


着々と侵略が続き首都である北清を陥落させた。

ここまでで約一ヶ月。だがここで奴らが動き出した。


「大将閣下!赤軍が動き出したであります!」


赤軍が宣戦布告をしてきやがった。


「急ぎ中二民国政府に降伏を促せ!」


「了解であります!」


さて赤軍は何師団動かしてくるか。

多分2か月は持ちこたえてくれるだろう。

それまでに降伏を宣言させたい。


若しくは【あれ】を使うか。


ビリヤはここまでいろいろな魔法研究をしてきた。

その中で最も危険である【広範囲残滅魔法】をつかうか。

この際国際条規なんてどうでもいい。こっちは玉砕覚悟で作戦を遂行しているんだ。


「大将閣下!中二民国が降伏を宣言しました!」


「わかった。では急ぎソビエニ連邦国境まで行くぞ。お前はここの統治を任す。治安維持に努めろ」


「了解であります」


さて鉄道で一気に満潮国まで急ぐ。



「総司令官殿。赤軍が迫っているであります!」


「総員退却せよ!これは敗走ではない!今すぐ前線から離れろ!」


「了解であります!」


退却をしていると斥候から。


「赤軍を確認!」


「君を前線から離れろ!」


「了解であります!」


あれが赤軍か?装備が全然整ってない。ていうか魔法兵が全くいない。

なんだ。人数だけじゃないか。では見せよう。俺の力を。


「広範囲残滅魔法【悪魔の呟き】発動」


『広範囲残滅魔法【悪魔の呟き】の発動を確認しました。これより実行します』


赤軍兵がいたところに大きな穴が開いた。


「敵の残滅を確認。これより帰還する」


周りの兵がつぶやく。

「あれが禁忌魔法の力か。」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る