第30話 無限袋と取引
「お〜やってるな」
機関銃の訓練を終えて戻ってきた俺は、部屋のバルコニーからコーヒーを片手にダークエルフ街区の端に作った広い練兵場を眺めていた。練兵場には多くのダークエルフに囲まれながら、鉄のゴーレム《アイアンゴーレム》を作ってドヤ顔をしているクロースと、黒髪の竜人であるカコウという男と青龍戟で打ち合っているシュンランの姿があった。
カコウはシュンランの父親が師事したという、黒竜種の見た目50代くらいの筋骨隆々の男だ。竜王の取り計らいによって連れてこられた彼は、シュンランに戟の扱いを教えてくれている。カコウはその年齢を感じさせないほど非常に強く、レベル20を超えて竜化したその辺の竜人よりも身体能力が高くなったシュンランでも歯が立たないほどだ。カコウは歳をとって竜化するのはキツくなったと言っていたが、あれで竜化したらいったいどれほどの強さになるというのか。さすがは竜王の元親衛隊長なだけはある。
「あ、クロースがへばった」
シュンランとカコウの模擬戦を見ていると、視界の端でゴーレムを操作していたクロースが膝から崩れ落ちるのが見えた。ゴーレムの操作だけでああなるとは思えないから、恐らく精霊魔法も放とうとして魔力切れになったのだろう。
スーリオンでさえ作ることができないアイアンゴーレムを作った上に精霊魔法まで発動しようすれば、いくらレベル16になったとはいえさすがに魔力不足になるだろう。
「クロースは相変わらずだな」
俺は周囲で見ていた女性のダークエルフたちが、慌てたようにクロースを近くの家へと運び込む姿を見ながら笑みを浮かべた。
きっとクロースのことだから、新しく来たダークエルフたちを前に良いところを見せようとしたんだろうな。
新しく合流した600人に及ぶダークエルフたちは、ハルラス族長とスーリオンをトップに今のところ上手くやっている。戦える者たちはスーリオンの下で警備や森の北へと続く道の拡張工事を行い、戦えない者たちは拡張した蒸留所で酒造りと燻製作り。そして手先が器用な者には自転車を改良して、リヤカー作りと自転車のタイヤのゴムの加工をさせている。
若い女性たちにはフジワラの街のマンションの管理や、ギルドの隣に建てた酒場でカルラの下で軽食や酒の提供をお願いしている。そう、ダークエルフという従業員のアテができたので、ギルドの中にあった酒場を撤去して酒場専用に1棟増築したんだ。
ハンターたちは広くなった酒場と、全員がグラマーな美女であるダークエルフの店員が増えて大喜びだった。中にはこの街に来たばかりなのか手を出そうという者も少なからずいたが、その全てが彼女たちの精霊魔法の餌食となったのは言うまでもないだろう。
まあDランク程度のハンターが敵う相手じゃないよな。Cランクだって複数のダークエルフの女性を相手にして勝てるはずもない。そのうえシスターローラや竜王のお付きの竜人族の戦士が誰かしら酒場にいるんだ。めでたくダークエルフの店員に手を出そうとしたハンターたちは、ボコボコにされたあげく酒場から叩き出されたというわけだ。
そんなことを考えていると、ダークエルフ街区から壁を隔てて隣にある病院の中庭にリーゼロットの姿を見つけた。
今日もサーシャとラティのお見舞いに行っていたはずだが、一人で中庭で何をしてるんだ?
そう思っているとリーゼロットはおもむろに空を見上げ、そして手を伸ばした。するとその手に向かってどこからともなく小さな紙が飛んできて、彼女の手の中に収まった。
ああ、精霊の手紙か。
精霊の手紙とは、風精霊を使った手紙の配達のことをいう。重量は限られているようだが、風精霊によって手紙を遠くまで運ぶことができるらしい。リーゼロットは定期的に王都にいるエルフと精霊の手紙を使ってやり取りをしていると言っていた。まあ王都へ直接手紙を持った精霊を向かわせるほどの魔力は無いみたいなので、南街の王国軍の駐屯所にいるエルフを介してのようだが。
その手紙を受け取ったのだろう。リーゼロットは手のひらサイズの小さな手紙に目を通し、しばらく固まったあとに手紙を握りつぶすような動作をして病院内に駆けて行った。その顔は何やら怒っているような焦っているような。そんな表情に見えた。
なんだ? 何かあったのか?
なんとなく嫌な予感を感じていると、病院の中からリーゼロットが出てきた。そして病院横よりオーナー倉庫に繋がる裏口からこっち側に向かってくる途中、バルコニーにいる俺と目があった。
するとリーゼロットはチュニックのスカートの前後を手で押さえながら、その場で精霊魔法を使って俺のいるバルコニーまで飛んできた。
「おわっ! お、おい! 敷地内で飛ぶなって言っただろ。しかもそんな短いスカート姿で飛んで、ダークエルフやハンターたちに見られても知らないぞ」
「ちゃんと見えないように押さえていたから大丈夫よ。それより急いで伝えないといけないことがあるの」
「あー、さっきの手紙か? 王都で何かあったのか?」
帝国がいよいよ動いたとか? いや、ここと真聖光教のことが教会に知られたという線もあるか。
「帝国が食糧や武器防具を買い集めているらしいわ。それも大量に」
「……そうか。狙いはここか?」
機関銃の訓練から帰る途中に襲撃してきた者たちを撃退してからは、まったく動きがなくなった。とはいっても怪しそうな帝国人のハンターは増えている。そのことからそろそろ帝国が動くのでは無いかと考えていた。
「多分ね。でもまたあの好色皇子が第二王女を狙って国境の砦に攻め込むという線もあるわ。王国は引き続き帝国に潜入している者や、商人から情報を集めて教えてくれるって」
「国境か……でも最近のスパイの動きじゃその線は薄そうだな。まあ情報助かった。こっちも準備を進めておく」
「かなりの量の食糧を集めているというのが気になるわ。もし帝国が大軍でここを攻め取るつもりだとしたらどうするの? リョウが頼めば王国軍を帝国と南街の間にある緩衝地帯に派遣することもできるわよ?」
「そのためには俺が勇者だって公表しなきゃ貴族たちは反対するだろ?」
その後は勇者なんだから滅びの森から魔物を一掃してくれの大合唱だ。
「それは……そうかもしれないわね。でもそれならエルフだけでも戦うわ」
「勘弁してくれ。俺のせいでエルフと帝国が戦争するなんて望んでない。大丈夫だ。たとえ万の軍が来ても撃退できる。なんといってもここには機関銃があるからな」
「でも……もしも万の軍勢に包囲されて一斉に攻め込まれたら、いくら機関銃でも対応できないんじゃない? 帝国には雷のギフト持ちがたくさんいるのよ? いくら機関銃が強力でも射手は生身よ? 雷撃を撃ち込まれたら沈黙させられるわ」
「大丈夫だ。敵が大軍なら機関銃の数を増やすし、雷のギフト対策も万全だ」
帝国が敵になると思った時から、雷のギフトへの対抗手段も考えていた。そのための準備も当然してある。
「雷のギフトに対抗って、まさかリョウが特攻するとかじゃないでしょうね?」
「そんなことはしないさ。今度射撃訓練の時にでも見せるよ」
「そう、リョウがそこまで自信があるなら楽しみにしてるわ」
「ああ、完璧にとはいかないが、ダークエルフたちの犠牲は出ないと思う」
ミレイアの雷撃による実験も済んでいる。アレがあれば砲塔の隙間から雷撃を喰らっても即死にはならないはずだ。
「それともう一つ。無限袋の件なんだけど……」
「アムロド長老から返事がきたのか? どうだった?」
以前に王国宰相でありエルフの長老でもあるアムロド侯爵が、王妃と一緒に無限袋を持ってきた時にエルフ族の皆に俺のことを話して無限袋を渡すと言っていた。それが前勇者の願いだからと。
しかしあの日以降、長老から無限袋に関する話は未だに無い。別に急かすつもりはなかったんだが、もしかしたら無限袋の中にユニコーンの角が入っているかもしれない思い、リーゼロットに長老に無限袋の件がどうなっているか確認してもらっていた。
残念ながら前に無限袋の中を見た時は、見たこともない素材の名前が大量に羅列されていてユニコーンの角があったのか覚えていない。しかし古代龍の素材があったんだ。もしかしたらあるかもしれないと、そう思ったんだ。
万が一原状回復のギフトでラティの病気を治せなかった時の保険のためにも、是非無限袋は手に入れておきたい。
「それが……言いにくいのだけど、水精霊の湖の長老たちが無限袋をリョウに渡すことに反対というか、条件を突きつけていて揉めてるらしいのよ」
「水精霊の湖のエルフの長老たちが?」
水精霊の湖のエルフというのは、滅びの森に呑み込まれた『精霊の森』の中にある湖の周辺に住んでいたエルフの一族のことだ。その名の通り水精霊の湖のエルフは水の精霊使いだ。
エルフだけ風の精霊と水の精霊を扱う部族に分かれているので、水精霊の湖のエルフと風精霊の森のエルフという具合に呼び名が違っている。彼らは王国に亡命してからは、精霊が比較的多く住んでいる森に囲まれた湖で生活をしているらしい。ただ、争いこそないが水精霊の湖のエルフと風精霊の森のエルフは仲があはり良くないと聞いている。
精霊の森にいる時は森の木々を育てるために必要な、水の精霊を使うエルフたちの方が立場が若干上だったらしい。しかし人族の国に身を寄せてからは、国からは風の精霊を扱うエルフの方が重宝されているというのが原因のようだ。
風の精霊は汎用性が高い。戦闘時は高い攻撃力をもって敵を倒し、偵察や伝令でも大活躍だ。それに比べ水の精霊は周囲に水場があれば高い戦闘力を持つが、水場がなければそれほどでもない。それ以外では大気中の水分から水を生み出せるので、軍事行動では後方支援に回ることが多いそうだ。
水を生み出せるということで、開墾や水不足に陥った村を救ったりして内政面では活躍しているのだが、帝国という仮想敵のいる王国としてはどうしても風精霊の使い手を重宝してしまう。そのため風精霊の森のエルフの多くが国の中枢で役職を得ており、エルフ全体をまとめる長老も風精霊の森のエルフが選ばれる。
ちなみにエルフに長老は多くいるらしいが、それらの長老は『風精霊の森のエルフの長老』や、『水精霊の湖のエルフの長老』と呼ばれる。その長老たちの中からエルフ全体の長老が選ばれ、その者が『エルフの長老』と名乗っている。アムロド長老のことだな。
精霊の森にいた時は優位な立場をとっていた水精霊の湖のエルフたちからしてみれば不満が出るのは当然だろう。頭では国の中枢にいる者が種族の長になる方がエルフ族全体のためとはわかっていても、過去のことを知る者たち。特に長老たちは面白くはない。
そういった理由で何百年もの間、風精霊の森のエルフたちとの間に確執があるらしい。人口は風精霊の森のエルフが4千人強で、水精霊の森のエルフは3千人強くらいなのだが、宮廷魔術師はというと風の精霊使いが圧倒的に多いらしい。確かに面白くはないんだろうな。
そんな彼らが勇者と同じ存在である俺に条件を出すとなるとだ。まあ予想はつく。
「そうなの。水精霊の湖の長老たちは、リョウに精霊の森の奪還を約束して欲しいって。それなら無限袋を渡すと言っているのよ」
「やっぱりそうか」
「え? もしかして予想してた?」
「まあ条件があると聞いた時にそうじゃないかってね」
精霊の森を奪還できれば、水の精霊を使う自分たちは風精霊の森のエルフの上に立てる。いや、彼らからしてみれば元ある関係に戻るだけとういところか。現状に不満を抱えている時に勇者が現れたんだ。これを利用しない手はないよな。
「ごめんなさいリョウ。まさか無限袋を取引材料に使うとは思ってなかったわ。勇者ロン・ウーは、また自分のように女神に召喚された者が現れたら無限袋を渡して欲しいと言って去っていったわ。でも水精霊の湖の長老たちは、それは新たな勇者に無限袋を渡すことで友好関係を結び、精霊の森を取り戻してもらうためなんだって。それが勇者ロン・ウーの求めたことなのだと。そう主張してるのよ」
「ん? 勇者って精霊の森は取り戻してくれなかったんだよな? ならなんで次の勇者に取り戻させようなんて思うんだ?」
確か魔国と帝国と王国が人魔戦争で疲弊しすぎて森の奥まで進軍できなかったとかなんとか聞いたが、エルフだけでも連れて行けなかったんだろうか?
「確かに勇者ロン・ウーは精霊の森を取り戻せなかった。いえ、取り戻しても人魔戦争で大きく数を減らしたエルフでは、精霊の森を維持ができないから取り戻さなかったというのが真実ね。ダークエルフも敵になってたし。勇者は最後までダークエルフとの和解や、エルフの数を増やして妻であるエルフの戦妃のために精霊の森を取り戻そうとした。けどうまくいかなかった。繁栄の秘薬なんかも作ったりしたんだけどね。そういった勇者の行動から、水精霊の湖の長老たちは無限袋を取引材料に使ってもいいと思ったんじゃないかしら」
「勇者の持っていた神器を渡すから、勇者のやり残したことも引き継いでくれというわけか……うーん、わかった。いつになるとは約束できないが、俺がこの世界にいる間に精霊の森を取り戻すことを約束するよ」
まあうちのダークエルフたちのために、いずれ精霊の森は取り戻すのに協力しようとは思っていたしな。話を聞いた限りでは精霊の森がある場所は、Bランクの魔物のエリアだ。問題は精霊喰いとか呼ばれているAランクの竜がいるらしいが、別に今すぐ取り戻してくれと言われているわけじゃない。それならレベルアップをしていけばいずれ奪還できるだろう。
「いいの!? 精霊の森よ? 精霊の森へ向かう途中には飛竜の住処である山があるし、精霊の森には『精霊喰い』と呼ばれるSランクに近い竜が棲んでるのよ?」
「……いつとは約束できないけどいずれな」
精霊喰いってSランクに近い竜だったのか……といっても今さら尻込みはできない。大丈夫だ。レベルアップすればいけるはずだ。そうだよ、俺だけじゃなくてシュンランとミレイアに、少し不安だけどクロースだっているんだ。きっと倒せる。
それにどうせSランクの竜とはいずれ戦うつもりだった。シュンランと初めて一つになったあの日。彼女の両親の仇であるSランクの火竜を一緒に倒すことを約束したしな。まあシュンラン自身は両親は戦士として戦って負けたのだから火竜には恨みはないと言っていたが、両親を殺した竜だ。そんなわけがない。だから俺は一緒に戦うと約束したんだ。
Sランクに近い竜ならその前哨戦にぴったりじゃないか。
「わかったわ。リョウがそういうなら長老に伝えるわ。リョウ……勇者から渡すように言われていた神器なのに、こんな取引をするような形になってごめんなさい」
「リーゼロットが気にすることじゃないさ。ただ、こっちからも一つ条件を出させてもらってもいいかな」
水精霊の湖のエルフの気持ちはわかるが、甘く見られて追加で条件とか出されるのも嫌だしな。
「必ず呑ませるからなんでも言って」
「簡単なことだ。実は俺はもともとダークエルフのために精霊の森を取り戻そうと考えていたんだ。だから精霊の森を取り戻したあと、再びダークエルフを迫害することは許さない。それだけだ」
ダークエルフは精霊の森から出た後、エルフによる迫害を受けたと言う過去がある。そのうえダークエルフはデーモン族からも迫害を受けた影響で、今ではエルフより数が少ない。そんなダークエルフたちに対しエルフが、精霊の森に帰った後に迫害しないと言う保証はない。
「そうだったの……ええ、わかったわ。長老全員に精霊に誓わせるわ。もし誓わなかったら、勇者がエルフを滅ぼしにくるとでも言っておくわ」
「おいおい、俺はそんなことしないぞ? せいぜい精霊の森にエルフを立ち入らせないくらいだ」
「いいのよ。勇者の足元を見る老害なんて脅すくらいが丁度いいのよ。ほんと腹が立つわ」
「うん、まあほどほどにな」
よほど水精霊の湖の長老たちのしたことに腹を立てていたのか、眉間に皺を寄せて怒っているリーゼロットを刺激しないようにそう口にするのが精一杯だった。
まあこれで無限袋が手に入る。そこにユニコーンの角があれば、ラティの病気は確実に治る。真聖光教の今後のことを考えると、できれば原状回復のギフトで治って欲しいんだけどな。こればかりはやってみないとわからない。
そんなことを考えていると、突然腕に柔らかな感触を感じた。ふと隣を見ると、リーゼロットが腕を絡めていた。
「ふふっ、同じエルフのしたことだし、私がリョウにお詫びしないといけないわね」
「い、いやリーゼロットは悪くないんだから別に詫びなんて……」
いつのまにか胸元のボタンを外し、俺の腕に胸を押し付けてきたリーゼロットの白い、小さいが確かに存在する胸の谷間に視線を奪われながら辛うじてそう口にすると、リーゼロットはより強く胸を押しつけてきた。
くっ、小さい。だが小さいからこそ押し潰された胸の先端がもう少しで見え……
「ううん、私がしたいの。ね? このままリョウの部屋に行きましょ」
「ちょ、ま、待てって。落ち着こう、な?」
俺は頬を若干赤らめつつも、グイグイと腕を引っ張るリーゼロットに落ち着くように言うが、リーゼロットはまるで聞こえないと言わんばかりにリビングへと俺を引っ張っていく。
その時。
「あーーーーー! そこで何をしているのだ貧乳エルフ! リョウスケから離れろ!」
魔力切れから復活したのか、ダークエルフ街区の家から出てきたクロースがバルコニーにいる俺たちを指差し大声でそう叫んだ。
「うるさいわね! 私とリョウはこれから大事な話があるのよ! 邪魔しないでちょうだい!」
「無い胸を押し付けながらする大事な話とはなんだ! どうせまた誘惑してたんだろう貧乳エロフ!」
「誰がエロフですって! クロースだけには言われたく無いわ!」
「お、おい! こんなとこでやめろって! みんな見てる!」
俺は下にいたダークエルフやハンターたちがみんなこっちを見上げて笑っている姿を見て、恥ずかしさのあまりリーゼロットの腕を引っ張りリビングへと避難しようとした。が、クロースとの言い合いに夢中の彼女はビクともしない。
これはもうダメだと思った俺はこっそりバルコニーから離れ、魔国から戻ってきた竜王のいる部屋に避難するのだった。
笑われたよ。ゲームの上海をしながら竜王にもう全員妻にすればいいじゃろって盛大に笑われた。
このジジイめ。他人事だと思いやがって。
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